【どうしてこうなった】
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アガサ・プレラチの手記>
■開発日誌 一日目
何時までも『ろっこんの所為で』とくよくよしていては何も始まらないので、何か作ってみる事にしました。
薬品関係は私のろっこん故に『全て混ざって』ほぼ壊滅状態ですが、機械関係はまだ手を出していなかったので、これ幸いと設計図に起こしてみます。
さて、機械と言えばロボット。ロボットと言えば二足歩行。
そして二足歩行と言えばサンマさんです。
ただ歩くだけというのも芸がありませんし、自律稼動も視野に入れておきましょう。
上手くいけば、寝子島の宣伝としても使えるかもしれません。
とりあえず脚部から着手しましょう。
■開発日誌 七日目
脚部の開発に着手しました。
何時ものようにぱっぱと終わらせる事も出来ますが、出来上がった物がただのインゴットになってしまう可能性もあるので、焦らずゆっくりと作り上げます。
二足歩行ロボットを作るのは初めてですが、きっと上手くいくはずです。
昨日ナントカ……ネイターを見直した私に不可能はありません……多分。
出来上がったら試行運転してみましょうか。
■開発日誌 十一日目
脚部が出来上がったので、近くの公園にて二足歩行の試運転を行いました。
身体を搭載していない為でしょうか、思っていたよりも俊敏です。
公園で遊んでいた児童数名に操作させてみましたが、無茶な動作にも耐えられる様子。
転んだ状態からでも立ち上がる事が出来たので、バランス感覚については問題なさそうです。
次は動力部です。
追記:
キモいと連呼された割には好評でした。
■開発日誌 十三日目
動力部を作成。
色々と考えてみましたが、地球に優しいクリーンな動力源――発条を使用する事にしました。
一昔前の時計や玩具にも使われていた発条仕掛けならば、廃棄物を気にする必要もありません。
逐一螺子を巻く必要があったので、自動巻き機能も追加しました。
これでメカサンマさんが動いている間は動力が切れる事はないでしょう。
……止まれば終わりですが。
さて、次は頭部ですね。
■開発日誌 十七日目
頭部を作成。脚部の積載能力を考慮して、重量はなるべく軽くしました。
カメラは頭部両面だけでなく、起立時及び走行時に前方を見れるよう単眼カメラを新規に設置しました。
これで走行中に誰かとぶつかる危険性は下がる……と思います。
ついでに最低限の知能も持たせましたが……、こちらはおまけ程度の要素が強いですね。
高過ぎて暴走しては元も子もありませんから、完成後に少しずつ高めていくのが正解かもしれません。
さて、もうひと分張りです。
■開発日誌 二十三日目
メカサンマさんが完成し……、起動と同時に
逃走しました。
発声機能をつけていないのに
「Freedom!!!!!」と叫んだり、予想以上の馬力で壁を突き破ったのは驚愕の一言に尽きるでしょう。
追いかけてみましたが、自動巻き機能も上手く作用しているようで動力がきれる様子が全くありませんでした。
……明日、捜索願出しに行きましょう。
受け取って頂けるかは分かりませんが。
追記:
数年ぶりにお母さんに物凄く怒られました。
【メカサンマは寝子島最速の夢を見るのか?】
四月下旬頃、廃材を主材料として組み立てたメカサンマさんはこうして野に解き放たれた。
そして現在もその所在は掴めていないアガサは、今日も(彼女にとっては)デスマーチの通学路をぐったりしながら歩いていた。
すると、そこに現れた縦長の流線型のシルエット。
「もしかして……!?」
息も絶え絶えのアガサがそのシルエットに近付くと、
魚特有の生臭さが彼女の鼻腔を刺激した。
そして、その背中には
『本物』と黒スプレーで書かれているではないか。
「よっ! 俺が
寝子 サンマさんだ! ん? お嬢ちゃん、そんなに見詰められても困るぜ~?」
「人違いならぬ魚違いでしたか……?」
がっくりと肩を落とすアガサはその場にへたりこんでしまった。
「魚違いだって? そいつはもしかして、
深夜の高速サンマのことか?」
「……なん、ですって……?」
アガサが顔を上げると、サンマさんは「ああ、そうなんだ」と腕を組み始める。
「今月頭から、俺の偽物が夜な夜な出現しているらしいぜ~。誰か捕まえてくれないかなぁ~?」
「その話、詳しく聞かせてもらえませんか……!?」
「お、興味あるのか、お嬢ちゃんっ? ソイツは発条があってだな……」
――こうして。
アガサはサンマさんに詳細を聞きながら、ねこったーの自身のアカウントに発言していった。
『深夜1時に299号線を爆走するメカサンマさんがいるらしい』
『本物のサンマさんはメカサンマさんの捕獲を所望している様子』
『さて、どうしましょうかね……?』
【概要】
ねこったーでの発言を見た、サンマさんから話を聞いたなどで興味を持った諸君は噂が本当か確かめることに。
……縄や網を持って。
【目的】
・深夜に299号線を暴走するメカサンマさんを発見次第、すぐさま捕獲せよ!
【成功条件】
・メカサンマさんの無傷での捕獲
(機体が損傷する度、達成度は下がります)
【失敗条件】
・メカサンマさんの大破若しくは著しい損傷
・メカサンマさんの捕獲失敗及び逃走
【PL情報(キャラクターの皆様が知らない情報です)】
メカサンマさんは神魂の影響を受けて暴走しています。
本来付与されていない機能が作動しているのもそのせいです。
故に、想定外の動きをすることも充分ありえます。
また、神魂によって人工知能がパワーアップしておりますので、そう簡単には止まらないでしょう。
上記の内容を知るためには、何らかの試行が必要となります。
何もない場合は「知りえない情報」として扱いますのでご了承下さいませ。
【その他】
※このシナリオジャンルはコメディです※
※アクションで指定があれば、本物のサンマさんも同行します※
<マスターより>
諸君、いつぞやぶりだ!
コメディ担当の司令官、焼きスルメであるッ!
フリーイラストはこのような用途もあるので、是非諸君にもお勧めしたい!
さて、このシナリオはコメディである!
繰り返す、コメディであるッッ!
成功&失敗条件さえ頭に叩き込んだら、キャラ崩壊覚悟ではっちゃけるべし!
それが諸君の今後の学園生活を感情に富んだ素晴らしいものへと進化させてくれるであろうッ!
だから羞恥心なんて不要ゥーッッ!!
オープンッユアッマァーインドッ!!!
以上だ。
諸君の健闘に期待している――ッ!