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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
声のない世界で
◆
ろっこん『黄色いピヨコ』でカナリアに変身し、ラッセルは空を翔ける。
といっても、あんまり高く飛ぶとかえって見えないのでほどほどに低空飛行だ。
修の推測である程度捜索範囲はしぼられているとはいえ、思ったよりも狭くない寝子島から猫一匹見つけ出すのは難しい。
誰か他に手伝ってくれる人でも居れば――と思っていると、見知った人影を眼下に発見。
すいっと降下して、ろっこんを解除。
とん、と軽い音を立てて目の前に着地すると、その人影――月詠は特に驚いた風もなく、
『やあラッセル、奇遇でごわすな』
……ごわす？
一瞬戸惑ったが、まあそれはいい。新聞部から持ちだしてきた裏紙に、
『よっす、旅鴉。もしかして、お前も喋れないのか？』
『うむ。それで今はмаち〃めﾚヽゎ＜NAテオを探している』
今度はギャル文字めいた何か。めっちゃ読みにくい。
『なんなんだそれ……。えーっと、俺と八神も探してるとこなんだけどさ。旅鴉は今までどの辺探した？』
俺はこの辺、とささっと簡単な絵で説明。
すると次は、目の前なのに何故かメールで答えられた。
『学校と桜花寮の屋上は捜索済みだ』
『んー、了解。じゃあ他のとこ探してみるわ。もし見つけたら旅鴉にも連絡するからさ、そっちで見つけたら連絡くれるか？』
『よかろう』
『助かる、それじゃいってくらぁ！』
再びろっこんを発動。黄色いピヨコになって、空へと舞い上がる。
◆
修は自転車で学校の周囲を爆走していた。
もちろんテオを探すためである。
（テオー、どこだー？）
校舎の周りをぐるぐまわりながら、主にひなたや木の上を中心に手早く確実に。
時には自転車から降りて、木の上に登ったりもしながら。
（ここには居ない、か。……折角だ、辺りも見ていこう）
太い木の枝の上に腰掛けて、枝の間や眼下の茂みの中を伺う。
毛とか尻尾とか、はみ出してないだろうか。
マタタビとニボシも持って、捜索体勢としてはばっちりなのだけど――。
ただこう、他の猫も引き寄せてしまうわけで。
気付いた時には、テオじゃない猫に囲まれていた。
これは困った。とても動きづらい。
しかし今はテオの捜索が第一、断腸の思いで離脱を……！
とかやっていたら、ラッセルの合図があった。
（見つけたか……！）
◆
そろそろ日が傾き始めようかという頃の寝子島。
とある木の枝の上で、テオはぐっすりと眠りこけていた。
（テオー、気付けー！ 喋れなくなってるのどうにかしろー！）
その目の前で、わっさわっさと飛び回るラッセル。
しかし、一向に気付く様子はない。
枝の下で月詠が猫じゃらしを構えているが、何分かなり高いところの枝なせいで届かない。
登るのもちょっと危ない位置だし、くすぐって起こそう作戦は難しいか。。
『まあまあ、このまま起きるまで待つのでもいいんじゃないか。気持ちよさそうだし』
ラッセルの合図を受けて合流した修は、マタタビとニボシを手にそんなことを紙に書いていた。
とはいえ、このままでは不便なのも確かなわけで。
こうなったらラッセルが頭にしがみついて起こそうか、と思ったその時だった。
『専門家のテオ先生！』
そんな言葉のブロックが突如飛来した。
飛んできた方を見れば、そこには今まさに『ソリッドボイス』をぶっぱなしたポーズの飛鳥の姿。
巧みなコントロールで放たれたそれは、寸分違わずテオの寝ている枝に直撃。
威力はほどほどとはいえ、枝を揺らすには充分なほど。
ずるっ、とテオの身体が枝から滑り落ちる。
その拍子に、テオの瞳がぱっちり開いて――
◆
「テオ君、訊きたいことが――ってあれ？」
自称ぷりちーなぼいすが戻っていて、飛鳥は小首を傾げた。
テオが起きたら、声が戻った。ってことはつまり――
「原因テオ君か！ なーんだ堅物かと思いきや意外とおっちゃめ～」
まっ、結構楽しかったのは確かだ。
だけどやっぱり、声ある方が便利でいいとも強く思った。
そういう意味では、大分貴重な経験をできた気がする。
猫反射神経で見事に着地をきめたテオに、修と月詠がそれぞれ声をかける。
「ひなたぼっこは気持ちよかったかな、テオ」
「邪魔して済まないな」
答える代わりに尻尾を振って、きびすを返すテオ。
その頭に、
（声のありがたみはわかったけどさ、またいきなりこういうのは勘弁な！）
一声鳴いて、黄色のカナリアがとまった。
ろっこん『黄色いピヨコ』でカナリアに変身し、ラッセルは空を翔ける。
といっても、あんまり高く飛ぶとかえって見えないのでほどほどに低空飛行だ。
修の推測である程度捜索範囲はしぼられているとはいえ、思ったよりも狭くない寝子島から猫一匹見つけ出すのは難しい。
誰か他に手伝ってくれる人でも居れば――と思っていると、見知った人影を眼下に発見。
すいっと降下して、ろっこんを解除。
とん、と軽い音を立てて目の前に着地すると、その人影――月詠は特に驚いた風もなく、
『やあラッセル、奇遇でごわすな』
……ごわす？
一瞬戸惑ったが、まあそれはいい。新聞部から持ちだしてきた裏紙に、
『よっす、旅鴉。もしかして、お前も喋れないのか？』
『うむ。それで今はмаち〃めﾚヽゎ＜NAテオを探している』
今度はギャル文字めいた何か。めっちゃ読みにくい。
『なんなんだそれ……。えーっと、俺と八神も探してるとこなんだけどさ。旅鴉は今までどの辺探した？』
俺はこの辺、とささっと簡単な絵で説明。
すると次は、目の前なのに何故かメールで答えられた。
『学校と桜花寮の屋上は捜索済みだ』
『んー、了解。じゃあ他のとこ探してみるわ。もし見つけたら旅鴉にも連絡するからさ、そっちで見つけたら連絡くれるか？』
『よかろう』
『助かる、それじゃいってくらぁ！』
再びろっこんを発動。黄色いピヨコになって、空へと舞い上がる。
◆
修は自転車で学校の周囲を爆走していた。
もちろんテオを探すためである。
（テオー、どこだー？）
校舎の周りをぐるぐまわりながら、主にひなたや木の上を中心に手早く確実に。
時には自転車から降りて、木の上に登ったりもしながら。
（ここには居ない、か。……折角だ、辺りも見ていこう）
太い木の枝の上に腰掛けて、枝の間や眼下の茂みの中を伺う。
毛とか尻尾とか、はみ出してないだろうか。
マタタビとニボシも持って、捜索体勢としてはばっちりなのだけど――。
ただこう、他の猫も引き寄せてしまうわけで。
気付いた時には、テオじゃない猫に囲まれていた。
これは困った。とても動きづらい。
しかし今はテオの捜索が第一、断腸の思いで離脱を……！
とかやっていたら、ラッセルの合図があった。
（見つけたか……！）
◆
そろそろ日が傾き始めようかという頃の寝子島。
とある木の枝の上で、テオはぐっすりと眠りこけていた。
（テオー、気付けー！ 喋れなくなってるのどうにかしろー！）
その目の前で、わっさわっさと飛び回るラッセル。
しかし、一向に気付く様子はない。
枝の下で月詠が猫じゃらしを構えているが、何分かなり高いところの枝なせいで届かない。
登るのもちょっと危ない位置だし、くすぐって起こそう作戦は難しいか。。
『まあまあ、このまま起きるまで待つのでもいいんじゃないか。気持ちよさそうだし』
ラッセルの合図を受けて合流した修は、マタタビとニボシを手にそんなことを紙に書いていた。
とはいえ、このままでは不便なのも確かなわけで。
こうなったらラッセルが頭にしがみついて起こそうか、と思ったその時だった。
『専門家のテオ先生！』
そんな言葉のブロックが突如飛来した。
飛んできた方を見れば、そこには今まさに『ソリッドボイス』をぶっぱなしたポーズの飛鳥の姿。
巧みなコントロールで放たれたそれは、寸分違わずテオの寝ている枝に直撃。
威力はほどほどとはいえ、枝を揺らすには充分なほど。
ずるっ、とテオの身体が枝から滑り落ちる。
その拍子に、テオの瞳がぱっちり開いて――
◆
「テオ君、訊きたいことが――ってあれ？」
自称ぷりちーなぼいすが戻っていて、飛鳥は小首を傾げた。
テオが起きたら、声が戻った。ってことはつまり――
「原因テオ君か！ なーんだ堅物かと思いきや意外とおっちゃめ～」
まっ、結構楽しかったのは確かだ。
だけどやっぱり、声ある方が便利でいいとも強く思った。
そういう意味では、大分貴重な経験をできた気がする。
猫反射神経で見事に着地をきめたテオに、修と月詠がそれぞれ声をかける。
「ひなたぼっこは気持ちよかったかな、テオ」
「邪魔して済まないな」
答える代わりに尻尾を振って、きびすを返すテオ。
その頭に、
（声のありがたみはわかったけどさ、またいきなりこういうのは勘弁な！）
一声鳴いて、黄色のカナリアがとまった。
あとがき
担当マスター：
風雅宿
ファンレターはマスターページから！
はい、どうも風雅です。
いやあ、前に同じ系統のリアクションを書いた時にも思いましたけど、言葉ってないと不便ですね。
さておき。
皆様、一部だけサイレントな世界は如何でしたでしょうか？
お楽しみ頂けたなら幸いです。
さて、また近いうちにお目にかかることがあるかと思います。
その時は、何卒よろしくお願いします。
それでは！
いやあ、前に同じ系統のリアクションを書いた時にも思いましたけど、言葉ってないと不便ですね。
さておき。
皆様、一部だけサイレントな世界は如何でしたでしょうか？
お楽しみ頂けたなら幸いです。
さて、また近いうちにお目にかかることがあるかと思います。
その時は、何卒よろしくお願いします。
それでは！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年04月10日
- 参加申し込みの期限
-
- 2015年04月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2015年04月17日 11時00分
