【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！｜リアクション

【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！

「ハッピー・ハロウィーン！」

　男の子勝りな元気っ子、野坂庵は待ち焦がれたハロウィンパーティーの開催に喜びを隠せないでいた。
　今日の為に母親と一緒に作った死神の衣装を着て大鎌を持ってのパーティー参加に、庵のテンションはうなぎ上りだ。

「いっぱい自慢して、お菓子貰って遊ぶぜー♪」

　凝り性な庵の母親は死神の衣装作りに本気を出し過ぎて、それをまとった庵の姿はまさに本物の死神のようだ。
　庵は格好いい衣装を着て大はしゃぎ、参列した人に沢山誉めてもらいたくてアピールする。反応は上々だ。
　庵は大きな袋を肩から掛けて、お菓子もいっぱい貰う気満々である。

「あっ！　あのお面格好いいー！」
　
「わぁ、こっちの角のやつかーわいー♪」

「っひゃ！　こ、こんなのまであるんだ」

　庵は多数のコスプレ参加者を見ては、感心しながら目を輝かせてコメントを述べて行く。
　可愛いものには抱きつき、怖かったらびっくりして涙目になったりと大げさなリアクションに忙しい。

「あっ！輪投げやってる！　よーっし死神の力見せちゃうぜー♪」

　数ある露店を見て回っていた庵は、お菓子を配っている狛猫さんを発見した。

「わぁーい！　つーかまえた！　トリック・オア・トリート！　お菓子くれるまで離さないぜー♪」

　いきなり庵に抱きつかれた狛猫さんはバランスを崩し、倒れそうになりながらも、すんでのところで踏ん張って耐えた。
　そして、ハロウィンのお菓子である健康長寿の祈りの込められた飴玉を庵にプレゼントする。

「んんー♪　おいしー！」

　狛猫さんに貰った飴玉を舐めてご機嫌の庵。
　するとどこからかその耳に心地よい音楽が聞こえてきた。