【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！｜リアクション

【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！

「お祭り事は大好きだよー！　張り切って楽しんじゃうからね！」

　千鳥雅人は寝子島ではハロウィンにいっぱいお祭りをするという話を聞いて、張り切ってコスプレの衣装を製作した。
それはケーキのお化けをイメージした衣装、我ながら良い出来だと雅人は思った。
　
　そして、お菓子を貰うだけではなく、あげる側もしてみたいからという理由で、沢山クッキーを焼いたのだった。

早速コスチュームを身につけて寝子島神社に向かう雅人。
右手にはお菓子を貰うための空のバスケット、左手にはクッキーを満載したバスケットを持って準備は万端だ。

「とりっくおあとりーと！お菓子をくれたら、お菓子をあげるよー！」

　お菓子の交換に精を出す雅人だったが、ふと見ると小さな女の子が話しかけてきた。
　
「トリックオアトリート！　さあ、おかしをくださいませ！」

　雅人に話しかけてきたのは、小学４年生の暁桜逢莉。
　お嬢様である彼女はおばあさまとお手伝いに作ってもらった、ジャコランタンを意識したオレンジと顔の模様のワンピースを着てパニエでスカートはかぼちゃみたいに丸く膨らませている。それに魔女のとんがり帽子も合わせて、仮装はばっちりだ。
　彼女もかごを持ってコスプレ行列を行進し、堪能していた。たくさんのおかしをかごいっぱいにするのがわたくしの使命なのです！とばかりに、さっそくケーキのオバケの扮装をした雅人を見つけ、元気よくお菓子をもらいに来たのだ。

　ちっちゃな女の子に話かけられちゃった雅人は目線をは合わせて話すために身をかがめる。

「ふふー、この衣装は手作りなんだよ～♪
　そうだ。君にもクッキー、どうぞだよ～っ
　お名前は…逢莉ちゃんっていうんだね～。俺は千鳥雅人って名前だよ～！」

　逢莉の目の前に差し出されたのは美味しそうなクッキーだ。

「まあ、おかしも衣装も手作りなのですか？　びっくりです！」

　逢莉は嬉しそうにくるくると回って喜びを全身で表現する。

「わたくしですか？　暁桜逢莉ともうします！　まさとくんですね！　よろしくお願いしますね！」

「逢莉ちゃん、もしかして今日は１人なのかな？
　人ごみに巻き込まれると危ないし、よかったらお兄ちゃんが一緒に見て回ってあげるよっ」

「まあ、ではごいっしょしましょう。一人よりたくさんが楽しいですから！
　喧々囂々とした行進のなかではありますが、背の高いまさとくんがいれば安心です！」

「わー、あっちの人の衣装も凄いねー……って、逢莉ちゃんからは見難いかな？」

　大勢の人出に視界を遮られたので、ひょいっと逢莉を肩車する雅人。

「景色はいかがですか～？お姫様っ」

「すごいです、周りがよく見えます！　まさとくん、あちらにおかしを配っているかたがいます！まいりましょう！」

　ナイトとお姫様はこんなに楽しいハロウィンは初めてだと、心からイベントを楽しんでいた。

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