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●ねずのむかしばなし
「ふろのすきなこびと」
むかしむかし、寝子島の人々は、島の地下にはネズミと仲の良いこびとが住む国があると信じていました。人々はこのこびとを「ねず」と呼んでいました。ねずは、人間からいろいろなものを少しばかり失敬して、地下で人間と同じように暮らしているのだと信じられていました。ですから心当たりなく食べ物がなくなったり、小物が見当たらなくなると、ねずが隠したのだ、といったものです。このねずについて、こんな話が伝わっています。
むかし、九夜山の麓、桜川のほとりに一軒の小屋があり、男の子がひとりで住んでいました。
この男の子は、両親を亡くしたばかりでしたが、小さい頃に両親がしてくれたねずの話をよく覚えていて、きっと自分の小屋の下にもねずがいるのだと信じていました。ほんとうはさびしくて、なんでもいいからいっしょにいてほしいと思っていたのです。そこで男の子は、小屋の床下にねずのための小さなおうちを作り、木の実や花を取って来ては供えていました。
さて、男の子は知りませんでしたが、小屋の地下には、ほんとうにねずが住まいを作って暮らしておりました。このねずは、男の子が生まれたころにはもうここに住んでいて、小屋からいろいろなものをこっそり失敬して暮らしていたので、男の子のこともよく知っていました。
ねずは、両親を亡くしたこの男の子が不憫でした。そこで、夜になって男の子が眠ると、ひそかに小屋に現れては、木の実や花のお礼に、着物のほつれを繕ってやったり、部屋の片づけをしてやったりしました。
男の子は、朝起きると着物がきちんと畳まれていたり、ものの場所が変わっていたりするので不思議に思いましたが、すぐにねずの仕業だと思いました。そこである夜、寝たふりをしてねずが現れるのを待ちました。
そうとは知らずねずが現れました。男の子はぱっと起き上がるとねずを捕まえました。
「なんてきたないねずだろう!」
男の子はそういって笑いました。その日ねずは、地下のもぐら穴を通って遠くへ出かけてきましたので、泥だらけだったのです。男の子はねずのためにお碗に湯をはり、お風呂を作ってやりました。それがあんまりいい湯だったので、ねずはすっかりお風呂が気に入ってしまいました。
こうして、男の子とねずは仲良く暮らすようになりました。男の子が作った床下の小さなおうちは、地上の男の子と地下のねずをつなぐ場所になりました。ねずは地下の生き物だったので、夜に起きて昼に寝ます。そこで男の子はいままでどおり、昼の間に木の実や花や食べ物なんかをこの小さなおうちに入れておきました。夜になるとねずが出てきて、この小さなおうちでごはんを食べ、それから寝ている男の子のために、すこしばかり家の仕事をしてくれるのでした。
男の子はねずのことを誰にもいわず、ずっと秘密の友達として大切にしてきました。そしてときどきお碗のお風呂を作ってあげました。そのときだけねずは姿を現して、お風呂に入っていくのでした。それは男の子にとっても、ねずにとっても、楽しいひとときでした。
やがて男の子はりっぱな若者に成長しました。そして、お嫁さんを貰うことになりました。
村でも評判の気立てのやさしい娘で、若者はすっかりその娘に夢中でした。
「おまえさま」
もうすぐ祝言というある夜のこと、ねずは、若者の枕元に現れていいました。
「もう私がいなくてもさびしくはないでしょう。私はこの地を発とうと思います。これからはお嫁さんとなかよくやりなさい」
若者は悲しがりましたが、ねずの決心は変わりませんでした。
とうとうねずが旅立つ夜がきました。若者はねずに、お椀をひとつあげました。それは、ねずがおふろにしていたお椀でした。
ねずはお椀を受け取ると、こういいました。
「明日になったら、床下を掘ってごらんなさい。そこにあるものはすべておまえさまに差し上げます」
こうしてねずは旅立ちました。
翌朝、若者はいわれたとおりに、小屋の床下を掘りました。
すると、なんということでしょう。床下には、大きな穴があいていて、すばらしいお宝がぎっしり詰まっていたのです。
若者はお嫁さんと結婚すると、お嫁さんにこれまでのことをぜんぶ話して聞かせました。
すると心のやさしいお嫁さんはいいました。
「おまえさま、このお宝で、風呂屋をはじめましょう。お風呂が好きだったねずのこと、いつか立ち寄ってくれるかもしれません」
こうして若者は、ねずの宝で、風呂屋をはじめることにしました。これが「ねずの湯」の起こりだといわれています。
ねずはとうとう現れませんでしたが、若者はお嫁さんとの間に何人も子どもをもうけ、末長く幸せに暮らしたということです。
「寝子島のむかしばなし 第一集」(寝子島むかしがたりの会・編纂)より
「そっかぁ、〈ねず〉ってこびとだったんだ!」
電話の向こうで
初島 優
が声を弾ませる。
「その昔話って、あんまり知られてないのかなー? 握君もおじいちゃんに話を聞きにいってくれたけど、そういう話は聞かなかったみたいだし」
「そうなんだと思いますよ。序文に『寝子島に伝わる数々の物語がただ忘れられゆくのが惜しく――』とありますからねぇ。察するに、この本が編纂された当時すでに、この話はあまり語り継がれていなかったんじゃないでしょうか。編纂した『寝子島むかしがたりの会』というのも、もうすでに解散して存在しないということですし。この本自体も、もう見かけないですよねぇ」
「そっかー。じゃあ、加瀬くんたち、情報ゲットできてラッキーだったねー」
「そうですねぇ。ああ、食堂の穴の社については、たまたま図書館で一緒になった御剣くんに考えがあるそうなので、代わりますね」
礼二は携帯を刀に渡す。
「もしもし。御剣だが。そちらで社の調査をしていると聞いたが、進展はあったのだろうか」
「うん。さっき奈良橋さんから連絡があって、社の調査が完了したって」
「どうだった?」
「社はちょっと崩れぎみだったんだけど、泉先生のアドバイスで屋根を外したら、中に人形が着るような小さな着物や、小さなお布団なんかがあったんだって。その中に、お茶碗がひとつあったっていう話だったんだけど、さっきの昔話によく似てると思ってびっくりしてたところだよー」
「そうか。社は神様を祭るための建物だ。寮誌に『社』とあったというから、俺も〈ねず〉というのが神様のようなもので、それを祀っていたのかと思っていたが、いまはむしろ、この昔話に出てくる『床下の小さな家』――『地上の人間と地下の〈ねず〉をつなぐ場所』であったとあるが――これが転じたものじゃないかという気がしている」
「うん」
「さっきの昔話の冒頭で、〈ねず〉はネズミと仲がいいこびとだと信じられていた、とある。つまり昔の人々は、ネズミが増える、イコール、〈ねず〉がやってきた、と考えたんじゃないだろうか」
「そっか……だから、ネズミが増えることを『ねずの宿り』って呼んだんだね」
「ああ。だからもし〈ねず〉というこびとが本当にいると信じるなら……今回の件、その〈ねず〉がネズミを従えて自分の居心地の良い場所として猫鳴館を選んだ――そういうことなんじゃないだろうか」
「こびとが猫鳴館の地下に住んでいるかも、ってこと?」
「少なくともあの社――便宜上、社と呼ぶが――の意図は、猫鳴館の地下に住むこびと、〈ねず〉とのコミュニケーションツールだったんじゃないかと思うんだ。だから、再建にあたっては、神を祀る場所というよりもむしろ、地下のちいさな友人のためのおうち……そういうものをイメージしてみてはどうだろうか」
「地下のちいさな友人のためのおうち、かー」
「断っておくがあくまで俺の考えだ。本当は泉先生に、この考えについてどう思うか聞いてみたいのだが……」
「それがさー。さっきまでいたんだけど、どこかいっちゃったみたいでー。それに、他のひとたちもいろいろ聞いたみたいなんだけど、あんまり答えてくれなかったっていってた」
「そうなのか」
「でも俺は、御剣くんの考え、すごくいいと思うなー。そういう方向で、再建してみようと思うよー。いろいろありがとう、御剣くん!」
電話を切ったのを見て、庚は刀の肩を叩く。
「ねずの湯との関係か。名推理だったな」
「このところ不思議なことが多いときくし、俺自身も体験してきた。らっかみやもれいびの存在といい、この島には何かがあるとは思っていたが……こびととはな」
「……さて、と」
庚はぐーっと伸びをして、礼二と目配せしあうと、
「俺と加瀬は、一服してから帰ろうと思うが、御剣も付き合わないか?」
「……そうだな。さすがに、すこし疲れたしな」
こうして、美男子たちは図書館を後にしたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
冒険
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年01月09日
参加申し込みの期限
2013年01月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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