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6月の雨の中
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●
バイト帰りの
逆巻 天野
は、傘もなくシーサイドタウンを走っていた。
どこか雨宿り出来る所はないかと見回せば、前を傘を差した顔見知りの少女が、駆けて行くのが目に入った。
薬局「アネモネ」
の
毒島 林檎
だ。
灰色に沈んだ風景に、赤い傘が映える。
「あれは毒島? 急いでどこへ行くんだろう」
遠回りになるが気になって後を追えば、林檎が向かう先の木の下に、天野自身もその後を気に掛けていた少年・犬飼 未央が居た。
「……ようやく見つけた」
「林檎さん。
先日
は、本当にありがとう。でも何もこんな所まで、追いかけて来なくても良かったのに」
掠れる声に、林檎は眉をひそめる。未央は元々声が掠れ気味だが、今のはちょっと病的だ。
「帰る前に、俺の治療を!」
傍に寄った林檎は、必然的に未央と手を繋ぐ事になる。
「ひゃあ!? な、な!! いきなり何を!」
「あ、ごめん。えっと……痛っ!」
「うっ!!」
テンパった林檎は並外れた握力で、未央の手を力一杯握り締めていた。
慌てて傘を肩で固定し、手を引き剥がすが、未央の手はすでに赤くなっている。
マダムの治療後じゃなかったら、どうなっていた事だろう。ちょっと冷や汗。
「……そのっ……いきなり取り乱してすまん……男子と手を繋ぐのは……久々だったから……
ごめんね痛かったよね?
」
巻いたマフラーを頬まで押し上げて、赤くなった顔を隠しつつ林檎は恥らう。
「そんな風に言われると、こっちまで恥ずかしくなるよ……」
「二人で何やってんのさ」
一部始終を見ていた天野が、半眼で突っ込んだ。しかしすぐに、気を取り直す。
「……犬飼も雨宿りかい?」
「うん、拝島医院へ行った帰り。天野くんは?」
八神 修
が大事にしないようにと気を回してくれた結果、未央は薫の父が院長を勤める、拝島医院に通院していた。
「僕はバイト帰りだよ、傘をなくしてしまってさ。良かったら、近くの喫茶店に行かないか? 折角会ったし、話したい事もあるけど、風邪を引いてはいけないから」
何なら奢るよ、そう言い添えて未央に寄り、不可抗力で繋いでしまった手に思わず閉口する。凝視する林檎を前に、天野もようやく思い当たった。
「……まさか。手を差し伸べたら、くっ付きあう ろっこんじゃないだろうな」
だとしたら、凄くメンドクサイなと内心舌打ちしながら。
「それなんだけど。さっき猫が、雨雲のせいだって言うのを聞いたよ。君達なら分かる?」
「恐らくテオだろうね……彼はらっかみのうちの一匹だよ」
「一匹って、神様の数え方として大丈夫? ともかく、多分
4月に聞いた声
と同じだと思う。あれがテオなんだね。ええと……確か飛び散った神魂が生き物と結びつくと、“もれいび”になるって事だったよね? そして もれいびが使うのが“ろっこん”。それなら、命の無い物体に宿った神魂が原因で起こる現象は、何ていうの?」
「さあ、それは僕も知らない」
「君達でも知らない事があるんだね」
「むしろ知らない事の方が多いと思うよ」
「そっか……」
沈黙の中、しとしとと雨の音だけが降り注ぐ。
「なあ……割り込んで悪いが」
林檎が重い口を開いた。
「二人とも、いつまで手を握り合ってるんだ……?」
「不可抗力だから」
「不可抗力だね」
大事な事なので2回言いました。
剥がそうと手をかけたタイミングで、喜び勇んでやって来た
後木 真央
が、能天気にはしゃぎ回る。
「天野ちゃんが誰かと手を繋いでるの、初めて見た気がするのだ♪ でも誰かと手を繋ぐのは、良い事なのだ♪ だって相手も体温があるって分かるの、スゴイ事だと思うのだ♪」
「後木? わ、ちょっと待て、分かったから。こっち来るな――!」
天野の焦りもなんのその、真央ちゃん聞いちゃいなかったのだ。
真央が特攻し、林檎も巻き込んで、結局全員で手を繋ぐハメに陥っていた。
「後木ィ……」
「どうするんだ、これ
ちょっと楽しいかも♪
」
「にゃはは♪ さっき透ちゃんセンセーや、刀ちゃ、……!」
「むっつりがどうしたって?」
天野の言葉が、トゲトゲしい。
しまった、もごもご。真央は出しかけた言葉を飲み込む。
「……真央ちゃん、何にも見なかったのだ♪」
うっかり口を滑らせる所だった。若干引きつり気味に、むずむずする お口チャック。おおよその予測がついたのか、天野は溜息を一つ。
「まあいいけど。雨が原因と言うことは、屋内なら手を繋がずにすみそうだ。仕方ない、不恰好だけどこのまま移動しよう。犬飼、それでいいかい?」
「いいよ。女の子達は雨具があるから、濡れないだろうし」
「僕は怪我人の君を、心配してるんだけど」
「そんなに遠くじゃないんだよね?」
「まあ、ずぶ濡れになる程じゃないかな。ここからだと、
299 COFFEE(ニクキュー コーヒー)
? いや、アウトレット内の
コーヒーショップ
が近いな……よし、行こう」
そこからは雨を突っ切っての、駆け足。
雨を完全に遮断できる場所に入り、天野は自由になった手で携帯を操作して、
関わりのある
二人へメールを送信した。
●
黒依 アリーセ
は、歌の創作に打ち込んでいた。
毎日 生まれ変わる心に、似合いの服を選ぶように、彼女は新しい言葉を探す。
しかし歌詞や言葉の断片が散らばるメモをペンで軽く叩くと、頬杖をつく。
「良いフレーズが、出て来ないわね……」
目を向ければ、休日だというのに外は生憎の雨。小さな波を描いて、窓硝子を伝う水滴は、普通に考えれば憂鬱なものだが。
アリーセは立ち上がり、身支度を整えると、玄関のドアを潜って外の世界へ踏み出す。
白い掌を上に向けて翳せば、天からの雫が幾筋か跳ねる。アリーセは空を見上げて、微笑む。
歌詞作りは言葉のパズル。
でも、コトノハ(言葉)に出逢えなくては、進まないわよね。
百合の模様が綺麗な、紺色の傘。
パラパラと弾ける雨音に耳を傾け、のんびりと散策すれば、行く先々で人々が手を繋ぐ。
幸せな気持ちに浸りながら、立ち止まって浮かんだコトノハをメモに書き込む。
しばらくして。アリーセの携帯が、メールの着信を告げた。
「あら、逆巻さん? ……犬飼さんが来てるのね」
過日、致命傷を負った未央の
傷を癒した
のは、アリーセだ。しかし彼のその後は、アリーセも気掛かりだった。
彼女の足は、天野らが待つアウトレットに自然に向かった。
音楽家の夫婦の間に生まれた
篠崎 響也
は、シーサイドタウンにある
寝子島クラシック同好会
の主催者代理を務めている。
同好会の代表である花咲夫妻宅からの帰り道、道行く人のほとんどが、手を繋いで歩いている事に目を留めた響也は、何だろう? と思うも、自分には関係ないか、そう考え気にせず道を急ぐ。
が、見知らぬ女性とすれ違った拍子に、手を繋いでしまった。
自分でも理由が分からず、響也は驚いて手を離そうとするが、これがなかなか上手くいかない。
「なっ? 取れない、どうして?」
繊細な旋律を奏でる指は、響也の宝だ。相手にそのまま待ってくれるよう断りを入れ、ヴァイオリンケースを小脇にしっかりと抱えなおし、傷つけないよう慎重に力を入れれば、どうにか互いの手を引き剥がす事が出来た。
「すみません、失礼しました」
響也に非はなかったが、洒落た見た目のイメージに反して、彼は素直に頭を下げる。相手は感心したように頷くと、快く許してくれた。
去る相手を見送り、よくよく周囲を見渡せば、元々家族やカップルで訪れた人に混じって、変な組み合わせで手を繋ぐ人がおり、自身の行動の不可解さに動揺している様子だった。
(これは……ひょっとして、神魂の影響か?)
疑ったところで、天野からのメール。
そんなアリーセと、響也が鉢合わせた。
「あら、あなた……そう、確か篠崎さんね?」
「黒依、か。ひょっとして、お前も逆巻に?」
「ええ。犬飼さんが島に来ていると聞いたから、向かうところよ」
アリーセの言葉に、そう言えば犬飼はどうしているかな、と響也はふと思い出す。
「あいつ、怪我は治っただろうか? 聞いてみたいな」
「それなら一緒に行きましょう。私も気になって……、……?」
近づいた二人の掌が、そっと重ねられた。
しまった、と思う響也に引き換え、アリーセは困ったように微笑みながら、小首を傾げる。
「ん? どうしたのかしら?」
「雨のせい、だな。多分」
「もしかして、それで手を繋いでいる人が大勢いたのかしら?」
「俺もさっき、知らない女の人と手を繋いで焦ったばかりだ。本当に、神魂ってやつは厄介なものなんだな」
響也は憮然とした様子で、靴で軽く地面を蹴る。
「ふふ、本当に変な雨ね。そうね、きっと神魂」
対するアリーセは、置かれた状況を嫌がるでもなく、相変わらずおっとりと構える。
「害は無さそうだし、放っておこうかしら。見ていると楽しいものね?」
「……鷹揚だな」
「そうかしら? まあ最近こんな事が多いから、ね。慣れてしまったのかも」
「やれやれ、おかしな所に来ちまったもんだ」
深い息を吐く響也を、アリーセは宥めながら天野に指定された店に向かった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月28日
参加申し込みの期限
2013年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月04日 11時00分
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