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精根尽きた竜司ががくりと膝をついた瞬間、浮月の前を一陣の風が吹き抜けた。
「きゃっ! ……あら、私の本と鞄が」
風が吹き抜けた一瞬、思わず目を瞑った一瞬で浮月が手にしていた同人誌と鞄が消えていた。
「これでいいかい? 逆巻」
「ああ、それで先輩はもう皆の頭の中にイメージを送れないはずだ」
「!?」
浮月が今まで聞こえなかった声の方を振り向くと、そこには浮月の無くなった本と鞄を手にした
御剣 刀
と
逆巻 天野
の姿があった。
先ほどの風の正体は『加速』を使った刀だったのだ。
「ここに来るまでの間に会った後木に話を聞いてピンと来たんだ。浮月先輩の力の鍵は本なんじゃないかってね」
「私の、能力……?」
まるで寝耳に水の話で浮月はきょとんとした顔で天野と刀の方を見つめる。
対して天野の方は他のメンバーより離れたところに立つ龍八の方に視線を向け、わざとらしく肩を竦める。
「でも、僕より先輩の能力を詳しく分析してたのはそこの草薙の方じゃない? 何やら対策もしっかりしてきていたようだし」
龍八は何も答えず、しれっとした顔で月詠の方に歩いて行くと彼女の手元のスケッチブックを覗きこんだ。
「ふむ、デッサンが少し狂っているな」
「言っておくが私は君に言われた通り、彼女のイメージを『そのまま』写し取っただけだ。デッサンが狂っているのは彼女のイメージの方だ」
「あの、さっきから能力とか、イメージとか、何の話?」
気がつけば体育館裏にはかなりの人数が集まっていた。
そして流石の浮月もようやく何かが『普通ではない』ということに気付く。
「先輩、これを見て下さい」
「これは……!」
月詠がスケッチブックを浮月に見せる。
そこには先ほどまで浮月が頭の中に繰り拡げていたイメージがそのまま再現されていた。
「先輩の力はテレパシーとかシンクロとかの類いでしょう。ニャンダムでいうとニャータイプ。恐らく、『本を持って語った事を相手にダイレクトに伝える能力』。」
「私がそんな力を?」
「私がこのような絵をかけたのが証拠だと思います。このイメージは先輩が持っていた本の内容に沿ったものでしょう?所々デッサンが狂っているのは先輩が絵を描かない人で、そういった所よりも人間関係というかエロティックさに重きを置いてイメージを構成したからだと思われます」
冷静に浮月の能力を分析して説明する月詠。
彼女もまた被害者たちの話を聞いてここまで推理できたからこそ、龍八の誘いに乗って浮月との接触を望んだのだ。
「そしてそのイメージは先輩の気持が昂っていて対象を強く認識したほうがより鮮明に伝わるようですね。更に対象が多くなるとイメージは不鮮明になる。自分のコンディションや環境に能力の効果が影響されるのも、もれいびの特徴です」
龍八が月詠に続いて補足説明を行う。
「もれいび?」
「ええ、先輩やここにいる多くのように、『ろっこん』という個々に能力は違いますが神様からの贈り物というべき能力を持った者のことをそう言うんです。それともう一つ。黒鯨、だったか」
「うん?」
浮月から若干興味が逸れていたやみぴは、地面に這いつくばっている竜司を悪戯好きなタルトと一緒に木の枝で突いていた。
龍八に名前を呼ばれ、竜司をつつくのを中断して顔をあげる。
「アンタの頭の中には先輩のイメージが流れてきたか?」
「いーや、全然」
「どういうこと……? 伝わる人と伝わらない人がいるの?」
「『ろっこん』は『もれいび』ではない『ひと』の前では効果が弱まったり、発動できなかったりするんですよ。あと誰かを傷つけようとか、悪意を持って使おうとしても上手くいかなかったり」
首を傾げる浮月の疑問に答えたのは刀だ。
「まあ、俺もそうですけれど趣味は人それぞれですし、他人に迷惑をかけなければ何だって良いでしょう? 『ろっこん』が発動したってことは、先輩には悪意はなかったんでしょうし。ただ、力を自覚しないままだと先輩は自分でも知らないうちに他人を傷つけてしまうことがありますから」
「……そう、だったの。私は、変な力で……皆に迷惑を。ごめんなさい」
浮月は納得したのか、か細い声で謝罪の言葉を口にする。
彼女自身も自分が話した相手、主に男子生徒が次々倒れる怪奇現象は何だろうと、心の片隅では感じていたのだ。
「私、本当に友達を作るのが下手ね……」
でも、その原因を考えるよりも自分が話したいという気持を優先してしまった。話して、一緒に盛り上がってくれる友達が欲しかった。同じものを好きになれば友達になれると思った。
そんなエゴを自覚して少なからず罪悪感を感じているせいか、その表情は暗い。
「変な力なんかじゃないよ! 僕は浮月先輩の力、とっても楽しい力だと思う」
「!?」
沈んだ空気を吹き飛ばすような明るい声に驚いて、俯いていた浮月が顔をあげる。
「だって面白いじゃない、皆で盛り上がれそうだし!」
そんな風に浮月の力を笑顔で肯定するタルトに続いて、スケッチブックを閉じながら月詠も続く。
「伝えたい事がよく伝わるから便利だし、力を自覚してうまく使えば同類と仲良くなるのは早いだろう」
「……えっと、それはどういう」
「つまり自分の力のことを念頭に置けば、何ら問題はないということです。むしろ仲間を作るのに便利なコミュニケーションツールともいえる」
このタイミングを待っていたと言わんばかりの笑顔で龍八が浮月に手を差し伸べる。
「ただ、先輩の想像力は素晴らしいのですが、理解されにくいでしょう……。しかし、ご安心を我々PEC、桃色破廉恥小隊は貴方を否定しません」
「……やっぱりそういうことか」
龍八の行動に逆巻は露骨に眉を顰める。
浮月が入ることでPECの戦力が増強されれば、今後益々変態による騒動が増えるだろう。
それは非常に困るのだが、かといって友達が欲しいと言う浮月の想いに横槍を入れるのはどうかとも思って躊躇してしまう。
それは天野もまた人付き合いが苦手故に、どこか浮月に同情してしまう部分があるからかもしれない。
「ちょーっと、待ったぁぁぁぁ!」
しかしそんな葛藤する天野を余所に、龍八の行動を制止しようとする声があがった。
「浮月先輩はあたしの原稿を手伝っ……ゲフンゲフン、一緒に即売会行くんだから! ね、先輩? そこなら存分に妄想を解放できるし、あたしたちきっと良いパートナーになれると思うんだ」
「浮月さん、僕と一緒に腐女子が住みやすい環境を作ろうではないか。僕の調教と浮月さんのイメージが合わされば寝子高男子総腐男子化も夢ではない」
ここぞとばかりに四月と凛も浮月に手を差し伸べる。
「先輩、夏のイベントは行かれます? 俺はサークル【テロ屋】でフィギュア販売してるんですけど、女性向けも検討したいので意見を聞きたい」
「ちょっと邪魔しないでよ!」
「えっ? えっ!?」
龍八も腐女子達の猛攻に負けじと二人を無視して話を進め、四月が吠える。
そして一人状況についていけずどの手を取ろうかあたふたしている浮月。
そんな光景をその場にいた面々は苦笑したり、呆れたり、微笑ましげに見守っていた。
どの手を取っても浮月には新しい理解者が、友達が出来るはずで。
これまでのように闇雲に妄想を語って、腐ったイメージに精神を汚染されて倒れる生徒が出ることもなくなるだろう。
これにて一件落着、大団円。
ハッピーエンドで幕は下りた。
……と、綺麗に纏まらないのは、寝子高の性、否、業に違いない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月27日
参加申し込みの期限
2013年06月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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