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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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「そうですか、九夜山に……」
旧市街にある
青木 慎之介
の家の前、
月守 輝夜
は黒い睫毛を伏せた。インターホンの向こう側から聞こえる慎之介の母親の声に心配されて、輝夜は慌てて顔を上げる。長い黒髪を昼下がりの春風に揺らし、大丈夫ですと首を横に振る。
いつものことだと全然心配してなさそうな慎之介の母にお辞儀をし、輝夜はその場を離れた。
(『八夜城』……)
近所のお爺さんから『幻の城』の話を聞いた幼馴染の少年は、リュックサックに食料と称したパンとジュースを詰め込み、朝から嬉々として九夜山に登って行ったのだという。
(足りないよ、絶対)
中学二年生男子の食欲と相変わらずの猪突猛進気味なところを心配し、春風の道を歩きながら輝夜はそっと眉を寄せる。
(でも、……慎之介君らしい)
追いかけようと決めながら、輝夜は知らず小さく微笑む。
無茶はするけれど、明るくて真っ直ぐなところも、
(……好き)
本人にも周りにも内緒の気持ちを心の中でだけ囁いて、輝夜は一度家に帰る。土曜日のこの時間は、ピアノの先生である母の手は空いている。お願いして一緒に二人分のお弁当を作ろう。それから近所の食料品店でお茶のペットボトルを二本買って、お弁当と一緒に鞄に詰めよう。
そんなことを考えながら、ポケットから携帯電話を取り出す。呼び出すのは、もちろん慎之介の携帯番号。
(繋がるかな?)
『月守?』
慎之介が数コールのうちに電話に出てくれたことに嬉しくなりながら、輝夜はもう少ししたら九夜山に向かうこと、出来れば合流したいことを告げる。
『月守も八夜城が気になるのか? だよな! ロマンだもんな!』
(そうじゃない、けど……)
同好の士を見つけたと早とちりして弾む幼馴染の声にこっそり首を横に振りつつ、輝夜はともかくも通話を終わらせる。急いでお弁当の準備をして、ろっこんで空を飛んで慎之介を探そう。
(見つけたら、提案してみよう)
――お城を探すならまずは高いところから見なくちゃ
――大観覧車からぐるっと寝子島を見渡してお城があるかみてみようよ
シーサイドタウン駅前で貰った大観覧車のチケットを差し出すタイミングはそれを言ってからの方がいいだろうか。
――何かあればそこに向かえばいいし、なければまた九夜山で探してもいいし
意中の男子に掛ける言葉を予習しながら、輝夜はともかくも自宅へ急ぐ。
九夜山もきっと、桜が満開だ。
桜の散る山道を辿りながら、
小山内 海
は左右色合いの違う青い瞳をもたげる。
(一夜にして消え去った幻のお城かぁ)
茜色が混ざり始めた木漏れ日の落ちる山道の先には、然して異変が起こっているようにも見えない三夜湖が煌いている。
傍らには、鼻息も荒く歩く
桜庭 円
と、その円を楽し気に見つめる
弘明寺 能美子
がいる。
『幻の城』の情報は、寝子島書房発行『幻の八夜城』を読んだ円がこれは事実ですね間違いない、と興奮しながら持って来たもの。
――遊びに行こう! 行こうよ、能美子ちゃん! 海ちゃん!
(確かに気になるね、面白そう)
興味を示したが最後、ほとんどさらわれるようにして、気づけば九夜山登山と相成っていた。
(まぁ、情報のソースが寝子島書房っていうのがちょっと不安だけど……)
海は横目に円が大事に小脇に抱えた文庫本を見遣る。何せ情報源は珍本奇書を発行することで知られる寝子島書房。頼りとするにはあまりに心もとない。
「海ちゃん、大丈夫だよ」
海の不安な眼差しに気づき、円が緋色の瞳を妄信的に輝かせる。
「寝子島書房の情報だよ!」
夏草色の髪を春風に跳ねさせ、溌剌と笑う。春コートと艶めく黒髪を颯爽となびかせながら、円と一緒ならば山道も何のそのと歩いていた能美子が何の心配もしていない顔で大きく頷いた。
「八夜城が消えたのは、いわゆる戦国時代っぽいんだけどね」
若葉の萌える山道に不意に現れては目を奪う桜の薄紅色を追いながら、円は山登りを始める前に頭に叩き込んだ情報をなぞる。
「戦の気配が大分迫ってたみたいだよ。本土から落人や落人を狩る野伏なんかが流れて来てて、……結構荒れてたっぽい? でも、そんな時期に花見の宴なんて優雅なこと、どうしてしてたのかな?」
「そんな時期だからこそ、かも」
白い頬に散る金色のそばかすを指先で引っ掻きながら、能美子が黒い瞳を細める。円の視線を受けて、能美子はほんの僅か、照れたように唇を笑ませた。
「せめて一日だけでも明るい一日を過ごしたい、憂世を忘れたい、……とか?」
「そっか、……そうだね、折角の桜だもんね」
たとえば、その周囲の状況と八夜城の消失は関係があるのだろうか。円は瞳に力をこめる。
(そりゃ、何の理由も見つけられない怪奇現象だって多いけど)
何の因果もなしに、城ごと大勢の人が消えるような大規模な神隠しは起き得るものなのだろうか。
考え考え歩くうち、不意に視界が開けた。木立に覆われた道の明るい薄暗さに慣れていた眼に差し込む日暮れの色に、円は思わず眼をしかめる。
「お」
そうしながらも見回した視界に映るは、桜の咲く湖畔のそこここに立つ人々の姿。
どこか落ち着かな気な、それでも泰然とした表情で茜の湖面を眺める黒髪碧眼の少年に、桜の花びらの浮かぶ湖面のスケッチに勤しむ青い黒髪の青年。見回せば、他にも顔を知る人々が居る。
「やっぱりみんな八夜城狙いかな? この本の通りなら、……月待ち?」
「そうね」
微笑む能美子と頷く海にもう一度笑みを向け、今のところは普段と何ら変わらない夕陽の色帯びる静かな三夜湖を見晴らし、円は楽し気に笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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