【星幽塔】第六階層　黒衣の魔女とゴーレムの城｜リアクション

【星幽塔】第六階層　黒衣の魔女とゴーレムの城

◆戦い済んで
階層の住人を苦しめていたのは、やぎ座のアステリズムだった。
そして、かつてのやぎ座のアステリズムもまた――。
果たしてあの魔女の言葉が真実かどうかはわからないが、しかし決して無視はできない真実を残し、この階層を救う戦いは終わった。
魔女が逃げたことでゴーレムは全て動きを止め、救出された大人たちは無事こどもたちのもとへと帰ることもできた。
これから復興もしなければならないし、逃げた魔女に対する警戒もしなければならない。だが、ひとまずこの階層は解放されたのだ――。

◆何故
「もし、その魔女の言葉が本当だとして。……他のアステリズムの人たちは、動かなかったのかな？」
『重く軽く』を使って復興用の資材を運びながら、夏朝がふとこぼす。
同じく、『絵空事』を駆使して資材を運んでいた月詠がそれに返す。
「多分、知らなかったんだろう」
まさかその頃のアステリズムたちが皆が皆、非道を見て見ぬふりするような人間だったということはあるまい。
ただ、彼らはそれを知る術がなかったのだろう。だから、手を差し伸べ「られなかった」。
多分、ただそれだけだったのだ。

◆勇者の条件
資材運びが楽になれば、と。
飛空艇のエンジンをいじくっていた由貴奈のもとに、チッタとサティアがやってくる。
「ありがとう、壬生のねえちゃん！」
「……ありがとう」
開口一番、二人が口にしたのはお礼の言葉。急になんだと思ったら、どうやら「勇者」たちにお礼を言ってまわっているらしい。
「勇者の皆のおかげだよ！」
と朗らかに言うチッタに、由貴奈は小さく苦笑した。
「勇者かぁ……少なくとも、うちは勇者じゃ無いよ」
「……どうして？」
首を傾げるサティアに、由貴奈は言う。
「勇者って言うのは、自分から行動して世のため人のために頑張った人のこと。……結果論的に、周りの人間がその人を讃えるんだよぉ。『勇者』、ってね」
だから、と二人に笑みを向けた。
「チッタくんとサティアちゃんのが、そういう意味ではよっぽど勇者っぽいと思うよぉ」
　この階層を救うために、この階層の皆のために頑張ったのは、他ならぬこの二人だったのだから。

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あとがき

担当マスター：風雅宿
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ゴーレムと魔女との戦いはいかがでしたでしょうか。
お楽しみいただけたのなら幸いです。

本当は魔女組の皆さんと道中の雑魚ゴーレムとのくだりも、もう少し描きたかったんですが、諸般の事情で泣く泣くカットすることに……。

――さて。
魔女は逃亡しましたが、皆さんの活躍によりこの階層には平和が取り戻されました。
そんな皆さんの頑張りのおかげで、どうやら次回から新たな星の力も使えるようになるみたいです。
＼おめでとうございます！／

この調子で、これからも塔に光を灯していってくださいね！

もしかしたら、その過程で魔女と再戦することもあるかもしれません。

それでは、またいずれ。

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