ダイエット！　フツウ体重の危機！｜リアクション

ダイエット！　フツウ体重の危機！

○戦い終って

　それぞれが、それぞれのやり方で健闘した結果、皆目に見える成果が表れた。
　満足した次の瞬間、元の世界に戻っていた。

「体重も元に戻ってるみたい？」
　綾花は身体の軽さに胸をなでおろす。
　プイとどこかへ行こうとするテオに、声をかける。
「ちょっと待って。低カロリーの猫缶『ササミだにゃん』を食べていきませんか」
　そしてこそっと耳打ちする。
「また太っちゃったときは付き合ってね」
　テオは黙って『ササミだにゃん』を食べた。

　元通り？
　いや、少しだけ違っていたかもしれない。
「体力や筋肉がついた気がするな」
　修は鏡で自分の腹筋を見ながら満足そうだった。

「元に戻った……」
　翠響も鏡を見て胸を撫で下ろす。
「もうあんな悪夢はごめんだわ」
　結果的に普段しないトレーニングができたが。
「バランス崩れてないかしら」
　新体操のレッスンも新鮮な気持ちでできそうだ。
　すぐに勘を取り戻すことができるだろう。

「体重戻ったし、今度は食べ物のお店の情報を集めようかな」
　少し寝子島に詳しくなったミルディアは、再び腕や足に重りをつけて、やっぱり明るく走り続けていた。

「さすが乙女ちゃん、こんなに早く体重が減るなんて。筋肉もついてないし」
　世界の切り分けに気づかなかった戦乙女は、自分の可愛さに大満足だ。
「待っててね身体測定！　かわいい乙女ちゃんは更にかわいくなって会いに行くから！」
　とりあえず、厳しい日々は終わりを告げたようだ。
　　
　
　　

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