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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●花火あがる
――どおん!
空に上がった花火を、社の屋根の上にいた
御巫 時子
、
桜庭 円
と狛猫たちは焦る思いで見つめていた。
「幼馴染……っていいましたけど、お三夜さまはテオさんとおなじらっかみなんですか……?」
もしもそうだとしたら、心配しなくても大丈夫なのかもしれない。
そんな希望を抱きながら時子はテオに尋ねる。
「いや。あいつはらっかみってわけじゃない。神にもいろんな種類があるが、あいつは元は猫だったのが、神様として祀られるようになったタイプだ。どっかのまぬけな神様みたいに落ちちゃいない」
「よくわかんないな。神様なのに違うの?」と円。
「違う家に住んでるようなものさ。あいつはここが家で、俺はここじゃないところに家がある」
「じゃあどこで知り合ったの?」
「あいつが神様になりたてだったころ、一緒に遊んだことがあったのさ」
「ふうん?」
すると狛猫たちが口々に言う。
『お三夜様はよき友をお持ちだ』
『早くお戻りになられるとよいのだが』
大丈夫……、と時子は祈る。だってあんなに明りが灯されていっているのだもの。
だがそのとき、ふっとそのうちのひとつが消えた気がした。
心に宿った微かな不安に、時子は胸元を掻き合わせる。
◇
猫灯篭をいくつか潰した
骨削 瓢
と
サトウ ヒロシ
は、マッド・ティーパーティの夢跡に出くわした。
こぼれた紅茶や、割れたティーカップや、横倒しになった椅子の真ん中に、白いクロスのはずれかかった長テーブルが鎮座していて、その真ん中でへべれけに酔っぱらったクローネが寝ている。ハートの女王の衣装は乱れ、ドレスの裾からはみ出した三つ又の黒い脚が、腹の辺りをぼりぼりと掻きむしっていた。
「これがクローネという存在ですか」
ヒロシに恐怖という感情は存在しないのかもしれない。無神経にドレスを捲ると、中身がほとんど只のカラスと同じような見た目であることを確かめる。瓢などから聞いた話を総合するに、このクローネこそはヒロシが求めている火薬庫的な存在であるようにも思えたが、いまはただの怠惰な酔っ払い烏だ。
「やぁやぁトリ公」
瓢がクローネの耳元で、耳の遠くなった老人にするように話しかける。
「申し訳ないが行燈壊したんでもうあの猫は現れんよ」
「ああ~ん? なによぉ。アタシはあの猫を引っ掻いてやらないと気がすまないんだからぁ~」
クローネはとろんとした瞼を懸命に持ち上げ、だるそうに文句を言う。
嘴からは濃いアルコールの匂いがした。
「おたくはかの猫が気に入らんようだがこのままじゃ人と猫の世界が混ざるよぃ。この世に更に猫が蔓延る……そっちのがおたくにとっちゃよっぽど面白くないことと思われるがねぇ」
「ん~? んん~?」
「祭はいずれ終わる、諦めて帰れば猫も出てきて異変を防げるがどうするんだい?」
瓢はさらに挑発する。
クローネは働かない頭で考える。
猫の祭りなんか面白くないから、お三夜様はぎゃふんと言わせたい。
でもこのままお三夜様が自分から隠れ続ければ、世の中が猫祭りになってしまってそれはそれで面白くない。
なら瓢のいうように諦めて帰ればいいのか。
「そんなのアタシのうっぷんが晴らせないじゃないの。面白くない、面白くなぁい!」
「そうは言ってももう現れないしねェ。諦めなよ。ほら、花火も上がってるし。全て灯さないと現れないなら全部を壊す必要もない、三つもやれば充分だったろ?」
けらけらと瓢は笑う。
そこに現れたのは
大天使 天吏
であった。
「クローネさん!」
クローネを崇める天吏は、「悪魂石の件でも役に立てずごめんなさい」と謝ったのち、瓢とヒロシに敵意ある眼差しを向けた。
「あなたたち、クローネさんに何をしたの?」
「落ち着きなさい」
ヒロシは敢えてろっこんを使わず天吏にゆっくり近づいてゆく。
「“彼は今お楽しみ中だ、邪魔をしてはいけないよ”」
それは、天吏の口から発せられた。ヒロシは僅かに目を瞠る。まさに今、そう言おうとしていたからだ。
「“君は何者だ” ――私はクローネさんの友だちよ」
<鸚鵡芝居>で口にしたヒロシの疑問に、天吏は間髪入れずに答える。だがそれきり天吏はヒロシと瓢へ対する興味を失ってしまった。それは、彼らが人間であったからである。
「クローネさん! クローネさんはあの猫みたいに奉られたいのかしら? 私でよければクローネさんを崇めるわ。私たった一人でもお祭りを開くわ。貴方の望む世界のために私何でもするから、お友達でいてくれますか? ――どいて!」
天吏は瓢を押しのけようとする。
ヒロシは考えた。天吏の存在はこの状況に於いて毒かもしれないと。
天吏の両腕を掴む。傍目にはキス直前かと思われるほど顔を寄せる。片方だけの灰色の瞳。年上の男に覗きこまれてなお揺るがない、自分とよく似た感情の乏しい瞳に、ろっこん<夢幻>を叩き込む。
「ああ……!」
その途端、天吏は恍惚とした表情を浮かべ膝からがくりと崩れ落ちた。
おそらく天吏は幻覚を見ているのだ。人間のいない、鳥の楽園に紛れ込んだ幻覚を。
「姉ちゃん!」
そこに駆け付けたのは
新江 天懸
であった。
「てめぇら! 姉ちゃんに何をした!」
カッとなった天懸に状況を説明する暇などありようもなかった。
天懸はヒロシを殴り飛ばし、返す拳で瓢もぶっ飛ばす。
「君……」地面に倒れたヒロシは赤くなった顎を擦り、天懸に問いかける。「君は今、彼を止める上で障害となる僕の肉体を破壊している訳だけど、それはきっと彼が今行ってる破壊よりもずっと醜いも……」
「うるせーんだよ黙れ!」
天懸は聞いちゃいなかった。
ガツン! 天懸の拳がヒロシの脳天を直撃し、ヒロシの意識は星屑とともに途切れた。
「あっはっは~! ありがと! あんたみたいな直球バカ、大好き! 胸がすくわぁ~!」
クローネは大いに喜んで、それから彼のろっこんに目を付けた。
「あんた、なかなかいいろっこんもってるじゃなぁい? ちょうど良かった、猫灯篭とやらが壊されちゃってお三夜が出てこないってんで困ってたのよ。諦めるのも趣味じゃないし。利用させてもらうわねぇ」
「ああん?」
呆けた様子の姉を抱きとめていた天懸が胡乱げに唸った時、クローネの羽根がピアスだらけの彼の右耳を掠めた。痛みに顔をゆがめ、掌で触れるとわずかに血がつく。その瞬間、天懸のろっこん<アンハッピーバード>が暴走した。
天懸の腕の中で、天吏がみるみる硝子細工に変わってゆく。
「ね、姉ちゃん!?」
だが、クローネの狙いはそれではなかった。
天懸のろっこんの力はあたりに波及し、近くにいた影猫がちょうど三匹、硝子細工に変化したのだ。
「ん~。いい感じ。これで壊された猫灯篭の代わりが出来たわねぇ~ええっとぉ、火、火と」
「クローネ!」
マッド・ティーパーティ跡での騒ぎを聞きつけ、次々と試練を乗り越えた者たちが集まってくる。
「クローネ、もういい加減お前のお遊びに付き合う気はない」
飛びかかったのは
灯 斗南
だ。
仮面こそ被っていたが、クローネはその赤毛を覚えていた。
「つれないわねぇ、
マリアにはあんなに優しくしてくれたのに
」
乙女ゲームの世界に入り込んでしまった時のことだ。自分も熱に浮かされたようだったし、なにより知らなかったのだ、クローネがヒロインのマリアに化けていることなど。
「やかましい」
「遠慮しなくていいのよ?
三回回ってワンと鳴いてみなさぁい?
」
「黙れ!」
斗南は屈辱の記憶を抉られ唇を噛む。
「ま、いいわぁ~。今日は別のお仕事を頼みたいの~。よろしくねぇ~?」
クローネは斗南にもぱっと羽根を投げつけると。
今度は斗南の<イグニッションハート(点火する心)>を暴走させた。
「わ、うわああっ!」
斗南の手のひらから勝手に炎が燃え盛り、三つの硝子の影猫へと、直線状に伸びてゆく。
「キャハハ! これでオッケー。猫灯篭、灯されちゃったんじゃなぁい?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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