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【お三夜】お三夜迎撃準備! と書くと過激ですが要するにですね
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「奇遇だね」
と、羽生碧南の前に姿を見せたのは、ごぞんじワカメ頭こと鷹取洋二だ。
「ちょっと友達と通りかかってね。羽生くんも衣装準備かい?」
「はい。先輩も?」
「モチのロンさ。ヴィヴィッドな思い出に残るお祭りにするつもりだよ。羽生君もそうだろう?」
「はい! ヴィヴィッドでゴーです!」
洋二は変わり者として有名である。一種の天才らしく突飛なことを言い出したり、意味もなく踊ったりする。一部生徒には怖がられていたりもするという。
けれども碧南は彼を恐いとは思わない。それどころか、何か異性としてではなく、妙に波長の合う者同士として会話が成り立っているような気がするのである。
「ところで私、衣装に困っていまして……先輩のセンスで、似合う衣装をコーディネートしていただけると嬉しいのですが」
「僕に!? 後悔しても知らないよ」
「後悔は……しないと思います。たぶん」
「責任重大だなあ。海原先輩と七枷くんには先にはじめておいてもらおう。ちょっと待ってて……加速そーち! カチッ!」
こうして洋二は、連れのところにすっ飛んでいったのである。
なにが『加速そーち』なのか、『カチッ』って口で言っていたがどういう意味なのか。それは碧南にはわからない。たぶん、洋二本人にしかわからない。
「彰尋君?」
気さくな
七夜 あおい
は、いつだって友達をファーストネームで呼んでくれる。
鴻上 彰尋
はそれをちょっと気恥ずかしく、それでいてちょっと、くすぐったくも思うのである。なんだか少し、どきどきするような気もした。
そこは手作りコーナー、それも、桐島義弘たちもいる幼年・ファミリー向けの一角だ。ここを訪れた彼は、偶然彼女と出会ったのだった。
あおいは低い椅子に座り小さな女の子の手を取って、一緒に布に鋏を入れようとしているところだった。
「七夜さんも、弟や妹と手作り?」
この状況だけで、彰尋は状況を推測していた。なぜなら彰尋も、年の離れた弟と妹の手を引いていたからだ。彰尋が弟の手を引き、弟が妹の手を引いていた。こうしてカルガモの親子よろしく、つらなってやってきたのである。
「ううん、手伝ってるだけ。でも私、地元に弟と妹が五人いるから、小さい子の面倒見るのって慣れてるんだ」
と言うあおいは、本当に楽しげな様子だった。そういえば彼女は地元民ではないのだった。関東地方にあるという故郷を思いだしているのかもしれない。
「その子たちは彰尋君のきょうだい? よろしくー」
「うん。ほら、ふたりとも挨拶して。こちら、同じ高校の七夜あおいさん」
彰尋は頬を緩めた。せっかくの休日だが本日、彰尋は弟と妹にせがまれ、手作りのために会場を訪れていたのである。別にふたりの面倒を見ることそのものは嫌ではないのだが、ともに元気いっぱいの年齢ゆえ、一日相手をすると疲れてしまうのは確かだ。実際彼はすでにここまでの道のりで、それなりに疲労してもいた。けれどこの思わぬ出会いで、そんな疲れなど嘘のように吹き飛んでしまった。
「彰尋君は手作り派なんだ?」
「いつもそうってわけじゃないけどね。お三夜まつりで付ける猫耳、弟と妹のほしい耳がどうにも売ってるようなものじゃなかったんだ。それなら作ってやろうかなぁと思って……七夜さんは?」
「私? 私はねえ……」
あおいはいくらか恥ずかしそうに、
「ハロウィンで衣装にお金をかけすぎちゃったから……三夜まつりは安価な手作りに挑戦しようかと……裁縫は苦手だけど、切ったりするくらいなら、なんとか。あ、でも今はもっぱら、小さな子の手伝いばかりなんだ。まだ自分のには着手してないよ」
「安く済ませるなら猫耳カチューシャを配るらしいから、それ以外の部分を作ってもいいかもね」
こんな会話をしている間、彰尋の弟と妹はもう、雀みたいに跳ね回ったりしている。
「ああもう。危ないから! こんなところではしゃいだら」
人によってはこういう子どもの仕草に、腹を立てたりもするものだ。けれどもあおいはまったく意に介さず、
「いいよねえ。ふたりとも、元気で。ほらほら、ここに来てお姉ちゃんと一緒に作ろう」
と、さりげなく彰尋の弟と妹を誘導していた。実に手慣れた様子だ。
「ごめん、迷惑かけて」
「いいっていいって」
もうじき母と兄が来ることになっている。そうなるまで時間つぶしをして、弟妹を預けられる状況になってから彰尋は飾り耳作りに着手するつもりだった。けれどもあおいが上手く対応してくれているので、彰尋は素直にその好意に甘えることにした。
「こういう設計図があってね。といっても、これは単に、この二人が描いた着たい衣装の絵だけど」
丸めた画用紙を一枚一枚、表彰状でも広げるようにして彰尋は解いた。
一枚目の画用紙には、黒い猫の姿があった。
「こっちが妹の描いたもの。黒猫だけどレースっぽいよね。カチューシャとモールとレースとレースのリボンでなんとかできるかな、って思ってる」
「なるほど。すると尻尾はフェイクファーと針金、それに綿あたりで作れない?」
ぱっと合わせてくれるあおいだ。彰尋は感謝して、
「ナイスアイデア! それでいこう」
「えへへ、どういたしまして。じゃあ弟くんのも見てみようね?」
「これは猫……かと思いきやネズミみたいだな……うん……尻尾は普通の灰色のフェルトので先っぽが細くなるようにして……」
「耳は灰色のフェルト布地があれば大丈夫っぽいねー」
「ありがとう。そうさせてもらうよ。ふたりともそれでいいよね?」
彰尋は訊いたのだが、ふたりとも彰尋そっちのけであおいにまとわりついており、どこに住んでるのー、とか、兄ちゃんのクラスメートなのー、とかしきりと質問している。
「こらこら、駄目じゃないか。お姉さん困るから。ふたりとも!」
「構わないよ。それに、ここにいると、あの子たちを思いだして寂しくなったりしないし……」
そのときふと、青磁のようなあおいの淡い瞳が、かすかに曇ったように彰尋は思った。
「あの子たち……そっか、地元にいるっていうきょうだいだね。俺はずっと実家暮らしだからわからないんだけど、距離が離れるとやっぱり……」
あっ、と言うかのように口に手を当てあおいは首を振った。
「ごめんごめん、気にしないで。寂しいって言っても、そんなセンチメンタルになってるわけじゃなくて、弟妹がいっぱいいてうるさかったなぁという気持ちも含めてだから。寮暮らしも結構楽しいし、寮で友達もいっぱいできたし」
「そう、ならいいんだけど」
「彰尋君という友達もできたし」
一瞬、彰尋は言葉を失ってしまった。
かああっ、と胸の奥から恥ずかしさと嬉しさがないまぜになったようなものがこみ上げてくる。
あおいのことだ。この言葉は言った通りの意味だろう。
けれどもとてつもなく、嬉しい言葉だった。
あまり長く間をあけるとおかしいと思い、大急ぎで彰尋は言葉を絞り出した。
「あ……ありがとう。俺も、七夜さんと」
「あおいでいいよ」
「うん……じゃあ、あおいさんと……」
けれどそれ以上、彰尋は言葉を継ぐことができなかった。
と弾かれたように妹と弟が席を立った。お母さん、と声を上げている。間が悪いというべきか。ここで彰尋の母親と兄が、会場にやってきたのである。
「お母さん来たんだね。よかったね」
あおいは彰尋の母と兄に簡単に自己紹介して、周囲の子どもたちの手伝いに戻った。そうしてやがて、「じゃあまた」と席を離れたのである。
後から母や兄に「あの子誰? ガールフレンド?」とか冷やかし半分に言われるかもしれない。けれど、そんなことより何よりも、彰尋はあおいにはっきりと、言えなかった言葉のほうが気にかかっていた。
俺もあおいさんと友達になれて、嬉しい――と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月12日
参加申し込みの期限
2015年10月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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