寝子島の南にある寝子ヶ浜海岸。
寝子島街道と併走する寝子島電鉄、通称「ねこでん」を横にみることができる長い海岸線。
シーサイドらしく整備されていて訪れる人も多い。
>蓮太郎さん
(蓮太郎さんに話しかけられて)
変態……モチロンよぉ!
その言葉は男にとっては勲章みたいなモンだからなあ!(ぐっと親指を立てる)
俺は皆口説男!ヨロシクゥ!
マゾ? なにそれ、美味しいのか?【きょとん】
まあ変態と言われても全然気にしねえけどな、俺!
なるほどね…そりゃ海の中でじゃあ感じらんねぇもんだわ!
冴来ちゃんにとって愛しい人ってどんなやつよ?
…っとぉ? そこの少年くんも変態なのかねえ?【皆口くんのいる方向に後ろを振り向かって】
(女子を眺めつつ)
にゃぁ~、眼福眼福♪
変態とか聞こえるけどオレの事じゃないみたいだー。
変態と言われて喜ぶだなんて
貴方、もしかしてマゾヒストなの?
例えば、そう…。
愛しい人の腕の中だとか、その辺りかしらね…。
ハハハハ! 変態は褒め言葉だ!【困ったように笑いながら】
ま、そりゃ水は普通に冷たいもんなあ…冬だと絶対に凍え死んじまう!
…けど、慣れてたら、優しいものだと思うけどな…【独り言のように呟き】
暖かい場所…………たとえば、どんなところ?
…ついでとか言いながら、本当はそっちが目的なんじゃないの?
…変態。
私は…。
海に帰りたいとは、思わないかな。
海の水は冷たいもの。
私は、もっと暖かい場所に帰りたい。
まあ、心は永遠の17歳ーってやつだからな!
心まで若々しくなんなきゃ人生なんぞ只々ツマンネェだけだからな!
だろー?!
ついでにビギニの美女が海の中でキャッキャウフフしてるとこ、海の底から見放題だし!
人魚の美女とかいればなおよろし!
あーもう、お魚さんが羨ましいぜ! もう釣られちゃってもかまわん!
いや、いっそ俺の心ごと釣っちゃってください!!!【グッと拳を作って】
【胸を押さえながら】
…冴来ちゃんは、海に帰りたいって思う?
…ピュア?
あー…。まあ、そうかも…。
蓮太郎さん、大人なのに子供みたいだし…。
そう。
海の中で生涯を終えるのも
それはそれで悪くはないかもね。
まあそうだなあ…
俺のような美形で!肌つやつやな!イケメンでも!
年とりゃシッワシワのお爺ちゃんになっちゃうんだもんなあ…
このピュアなハートも下手すりゃブレイクアウトしちゃう!
いやあ、この世を生きるのってつらいもんだなあ
…まあそれもそれで面白いけども! マジで、生きてるって感じで!
【海に帰りたいと思ったことがある?という質問に、しばらく空を見上げながら考え】
…………うん、結構あるよ
世界中の海に飛び込んで、一生泳いでみたいなあーなんて…
…ってこれじゃあ勘助と言ってることと変わらねえ気がすんなー!
いや、そもそもの言いだしっぺは俺だけどな! フハハハハ!!!
うん。不思議…。
海から生まれるものが
綺麗なものばかりとは限らないでしょうけどね。
いや…。
産まれたばかりの命はみんな綺麗で
生きていくうちに、汚れたくなくても
汚れていってしまうものなのかも。
…蓮太郎さん。
海に帰りたいって思ったことはある?
おう、きっとそうだろうな!
しかも、それが何億年も存在してんだ。ほんと不思議な話だよな!
…今でも美しい生命を生み続けているのかなあ【ふと呟きながら】
……。
(蓮太郎さんの隣に腰を下ろし)
…海、綺麗だよね。
海は全ての命のお母さんだから、こんなにも綺麗なのかなあ。
【きょとんと、冴来さんをみて】
…ハハハ! そうか! わりと近くにいたのだな!
いやあ、ずっと美しい海ばかりみていたから、周りがみえなくなってしまっていた…
俺、一生の不覚!【ふらっと身体を動かして、砂浜の上で仰向けに倒れる】
美女ならここにいるでしょう?
残念ながら水着姿じゃないけどね。
…ごめんなさい。
今のは忘れて…。
(言った後で羞恥が込み上げ、視線を海に逸らす
いやあなに、今日の海も美しいなあって思っただけ!
夕焼けをバックにして、さらにビギニの着た美女とかいりゃあ最高なんだけどなあ…
【と再びぼんやりと海眺め】
………。
(蓮太郎さんに歩み寄り)
蓮太郎さん、ぼんやりしちゃってどうしたの?
なにか考え事?
…………
【エメラルドグリーンのメッシュ染めの男が砂浜に座ってぼんやりと海辺をみつめている】
あ…はい、ありがとう、ございました!
【手を振って見送る】
あの人も、寝子高の人だったのか……あれ、俺、寝子高の生徒だって、言ってたっけ?
……まあ、いいか。後で、会うなら、改めて、お礼を言わない、と
とりあえず、帰るか、もふもふ
【着替えた後、もふもふを抱えて海岸から去った…】
お、これで一件落着・・あ。(時計を見て唖然とし)
もうすぐバイトの時間だ。んじゃ、僕はこれで失礼するね。
(ちょっと歩いてふと、振り返り)
・・今度は寝子高で会おうね。飛吹さん。
(のろのろ道路の方に歩き出し)
……あ、ほんとうだ、元に戻った
しかも、ちゃんと海パン履いてる
【自分の脚を眺めて、ほっとため息をつく】
えっと……ありがとう、ございます
タオルは、後で洗濯して、返し、ます