木々の葉の間から温かな光が弱く差し込む。
心地よい静寂に満たされたその場所は、周辺の猫たちの集会場所になっているらしい。
猫好きな人なら、集う猫たちに誘われて、この場所を訪れることができるかもしれない――
(果たして効果はあったのか?
寝息は深く、
眠っても強張っていた体の力が、ふわりと抜けた)
………すぅ……か…ぅ…‥…
(ぽそりと小さく、寝言のようなものを漏らす。
泥のように眠ってしまったそんな姿を見れば
効果はおそらく、あったのだろう。)
(黒猫が一匹、静かに寄ってくると
眠ってしまった彼女の手に小さく頭を擦り寄せて
「ニャア」と一声、冴来に鳴いた。
それはこの辺りでは見たことのない猫で、
なにかを伝えたかったのだろうか。
ありがとう、とか)