木々の葉の間から温かな光が弱く差し込む。
心地よい静寂に満たされたその場所は、周辺の猫たちの集会場所になっているらしい。
猫好きな人なら、集う猫たちに誘われて、この場所を訪れることができるかもしれない――
ええ。少しと言わず、好きなだけどうぞ。
なんなら膝枕と子守唄をつけてもいいぐらいだわ。
(くすくすと笑いながらそう言って
「眠っている間貸してあげる」と
勾玉のペンダントを取り出して彼女の手に乗せようとする。
それは常ならば他者に貸し出そうなどと
一欠片も思わない程大切なもので。
けれど「彼女になら貸しても構わない」と
不思議と自然にそう思った。)