木々の葉の間から温かな光が弱く差し込む。
心地よい静寂に満たされたその場所は、周辺の猫たちの集会場所になっているらしい。
猫好きな人なら、集う猫たちに誘われて、この場所を訪れることができるかもしれない――
なに、も……
(困ったような表情を見ると、ふるふると首を振る
何か困らせてしまったらしい
そんなつもりは、なかったのだが
他の人の心の内を読むのは、苦手なのだ)
え…?
(その後に紡がれた言葉に、呆けたような声が漏れた)
…い、いえ……そんな……
(仲のいい友人ならいざしらず
今日、それもついさっき初めて会った彼女にそんな迷惑はかけられない。
――友達なんて、いないのだけれど)
っ……
(ふと頭に伸びてきた手に
怯えたように目を閉じて縮こまる)