木々の葉の間から温かな光が弱く差し込む。
心地よい静寂に満たされたその場所は、周辺の猫たちの集会場所になっているらしい。
猫好きな人なら、集う猫たちに誘われて、この場所を訪れることができるかもしれない――
あら……?
(彼女の表情が悲しげに曇るのを見れば
どうしたものかと少し困った顔をする。
何か傷付ける様な言葉を口にしてしまっただろうか。)
そう、一年も…。
(生い茂る木々のカーテンを潜り
薄く差し込む陽光に照らされる少女の様子を伺えば
その銀色の髪についた幾つかの汚れに気がつく。
…野宿をしているというこの少女は
満足に身を浄める事も出来ない生活をしているのではないか。
そんな考えが頭に浮かび、胸の奥がチクリと痛んだ)
…ねぇ。
もし貴女さえ良ければだけど、私の家で寝泊まりする?
妹と二人で暮らしている家なのだけど
私、今は他の人のお家でお世話になっていて
丁度部屋が余っているし。
妹も、とっても優しい良い子だわ。
だから、もし良かったら。
(そんな提案と共に、彼女の髪を撫でようと手を伸ばす。)