陽当たりの良いテーブル席。
備え付けのソファは子どもなら6~8人座れそうな大きさ。
「いらっしゃい、何か食べたいもの、飲みたいものはあるかな?」
影の薄い店長に言えば難しいものでなければ凡そ好きなものが飲み食いできるでしょう。
ちなみにお勧めおやつは店長自家製のタルトタタン。
初めて会った子も、前から知っている子も、お喋りしながら楽しみましょう。
ホントに!?
やったー!!!!お兄さんアリガトー!!
(飛び上がって喜び、店内を爛々とした目で見つめながら小走りにソファーへ)
へへっ一番のりー!
うーーーんんん、どれにしよーかな。
お兄さんのオススメは、あ、お兄さんの名前は!?
(唸りメニューにかじりついたかと思うとばっと顔をあげ真っ直ぐと見上げる。その先にもう一人をとらえ目を瞬かせ)
……ってあれ?(いたっけ?いねえな、つーことはお客さんじゃん!)
いらっしゃいませー!!
ふわぁ、んぅ…此処は何処だろ。
ん?此処は飯屋かな。
(散策の途中、店を見付けては少し考える素振り)
まぁ、入って見れば判るでしょっと、
こんにちはー。
(扉を少し開けて中に滑り込む様に店内に入っては、
軽く辺りを見回しながら店員さんにペコリと頭を下げて)
ととっ?
(入って見れば何やら話し中の雰囲気に口を噤んで静観)
やぁ、いらっしゃい。
そこの陽当たりの良いテーブルが空いてるから、どうぞ。
(物静かな博士といった風貌の白衣を着た温和そうな青年が出迎え、席へと促す。
店の中は静かで、どうやら他に客はいない様子。
明るく綺麗な店内はクリーム色とライトブラウンの木製家具を中心に纏められて
落ち着いた雰囲気だが、壁にはカプセルギアの宣伝ポスターが貼られていたり、
窓際や組み立てられたカプセルギアや空いている椅子にぬいぐるみが座っていたり
と子ども部屋のようにも見える)
君は初めて見る子だね?
じゃあまずここのことを説明しようか。
ここは「スクレ」って名前の喫茶店でね。
15歳以下の子ども達からは基本お代を頂いてないんだよ。
だからお金は気にせず、好きなものを頼むといい。
(そう言って青年が微笑んでテーブルの上にメニューを広げる。
メニューには普通の喫茶店によくある飲み物や軽食、デザートが並んでいる。
全てに振り仮名とイラストが添えられており、値段はかいていない。
メニューの最後には「メニューにないものもご注文いただけます」の一言)
あと、そこにある本や雑誌も自由に読んでいいよ。
破いたり落書きは遠慮して欲しいけど。
(青年が指さした店の片隅には本棚とマガジンラックが置いてあり、子どもが好きそ
うな絵本や漫画、雑誌が置いてある)
はらへった~…家が遠い……
ん……?
スッゲーうまそうな匂いがする!
(漂いだした香りにスンスンと鼻を慣らし、周囲をキョロキョロ見渡す)
あそこからだ!!あ。
あ~…、でもお金足りっかな
(顔を輝かせたり眉を寄せたり。表情をコロコロ変えながら、財布の上から100円玉を握りしめる)
ん~~、まあダメならダメで帰りゃいいだけだもんな!
よーし、ならトツゲキだぜ!
すみませーん!100円で買えるたべものありますかー!?
(勢いよく扉を開ける)