夜歩く人たちのある日の記録。どんな事が起きたのやら。
君の言う通りだろうね……。分かっては、いるさ。
人のすべてを支配する事など不可能だ。心も肉体も支配出来たとしても、魂までは縛れない。仮に支配してしまったとしても……それはもう僕の望むあのひとではないのだからね……。
(少し悲しげに微笑って、冴来さんに方を見ます)
相手に合わせる、か……。成る程君はそうやって折り合いをつけたのか。
そうすれば、心の空洞は埋められるだろうか……?
自分がどう見られているか理解している人間は嫌いじゃない。だけどその利点を利用しない点は不満だな。
男性恐怖症か……。そう思うのには何か理由があるのだろうな。
(カーディガンを掛けられそうになって反射的にびくつきます。でも抵抗はしません。また手を重ねられると、顔が紅潮してるのが分かります。照れている、というより緊張の方が近いようです。)
(「本当は優しいと」と言われ、驚いたような顔が隠せません。わざと怒ったように喋ります)
僕が優しいだって……?僕こそが、悪い生き物だ。優しさなんて愚かな人間の……くだらない……。
(だんだんと声が震えてしまって、自分でそれに気付き、はっとなって俯きがちに、目を反らします)
……。
……取り乱した。
君にはいつか僕が悪人だと言うことを分からせる必要があるようだ。
(「もう会っているかも」のを聞いて、溜め息混じりに)
……嫌な男だろう……?
妹がいるのか、義理の妹というわけか。君にとって、彼女は足枷かい?姉としての意見を聞きたいね。