隣接する道場「仙狸館」の稽古場。
過去には門下生で賑わっていたこともあったが、今は昔
現在の利用者はほぼ一人。
一応申請次第で開放されてはいるがその事実を知る者は少ない。
(一瞬態度の変化に呆気に取られるが、直ぐに気を引き締める)
……如何にも、伊織紘之助は俺の祖父であり、師です。
稽古……と言いましたか
……修練を積んできた……という自負はありますが
恥ずかしながら……未だ道半ばにも、先達の背も追い切れぬといった有様。
祖父から、貴方も相当な武人と聞き及んでいます。
此方こそ……是非とも御教授頂きたく。
(間合いに注意を払いつつ、正面に坐し一礼する)