隣接する道場「仙狸館」の稽古場。
過去には門下生で賑わっていたこともあったが、今は昔
現在の利用者はほぼ一人。
一応申請次第で開放されてはいるがその事実を知る者は少ない。
ああいや、此方こそ会うなりすみませんね。
自分は空手道、鳴神楓と申します。
道場が開いているようだったので、不躾ながら稽古をつけて貰いたく上がり込んだ次第。
(押忍、と居住いを正して一礼し)
門下と言われましたが、どうやら相当な修練を積まれているご様子。
察するにそちら様は伊織翁の嫡子とお見受けするが、如何か。
(入ってきた態度とは打って変わり丁寧につらつらと述べる)