対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
…。
(ごそごそと袋を漁り、マカロンを取り出して一口齧り
…美味しくない。
甘いのに…。
私、マカロン大好きなのに…。
全然、美味しくない…。
はぁ…。
(溜息をついて、緩慢にマカロンを食べ
…私も帰ろう…。
家にも、そろそろ帰ってあげないといけないけど…。
…ごめんね、もも…。
姉様、今はちょっと、お姉ちゃんでいたくないの…。
ルナ、エトワール、またね。
ここにいてくれる蜘蛛にも
今度名前をつけてあげなくちゃ…。
(双子の人形をそっと床に下ろし
部屋の片隅にある蜘蛛の巣をみつめてから
静かに部屋をでていく。