対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
ううん、全然。
気にしてないよ。
話したくないことなら、
最初から話したりなんてしないもの。
貴方に対して閉ざす扉を
私はもう持っていないんだ。
貴方が聞きたいと思った時に聞いてくれたら
私はどれだけでも続きを話すよ。
嫌な話を、聞かせてごめんね…。
ううん、別人だよ。
私があの人に会ったのは、もうずっと昔なんだもの…。
名前だって、違うしね…。
もう戻れないって分かっているのに
時々無性に戻りたくなるの…。
会いたくて会いたくて、ずっとずっと探しているのに
何処にもあの人が、見つからない…。
もしかしたら、もう
死んでしまっていたり、するのかな…。
せめてもっと商品らしく、扱って貰えていたのなら
こんなに恋しくは、ならなかったのに…。