対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
(部屋の隅に掛かった蜘蛛の巣に鳥籠を抱えて近寄る)
こんにちは、蜘蛛さん。
ご機嫌はいかが?
…うん。貴方が喋れないことは知ってるけどね…。
約束通り、貴方にご飯を持ってきたよ。
(鳥籠の中の蝶に苦しげな視線を落とし
一瞬躊躇するが、弱々しく首を振り
蝶を取り出して蜘蛛の巣にかける)
…綺麗で自由な蝶は大好き。
でも、この部屋で一緒にいてくれる
蜘蛛の方がもっと、好きなの…。
っ…。ごめんね…。ごめんなさい…。
(蜘蛛の糸に絡め取られる蝶を
罪悪感の込められた苦しげな視線で見つめ
謝罪の言葉を小さな声で繰り返す。)