(三人掛けのソファーとテーブルが部屋の中心に置かれ
壁際には座り心地の良さそうな
揺り椅子が一脚置かれている。
併設されたキッチンの奥からは
お菓子の甘い匂いがふわりと漂ってくる)
出来上がり…。
…作り過ぎちゃったかな。
一人より、誰かと一緒にお茶したいな…。
・・・・・おーらい(呟き手頃な窓から脱出を図る
雨君…!
(姿を見てぱっと目を輝かせる)
迷惑だなんてそんなこと。
会いにきてくれて嬉しいのよ。
どうぞ中に入ってくださいな。
ううん、姉様じゃなくて…。
無銘君っていう男の子が来てくれているの。
姉様のお友達みたい。
(扉が開いた瞬間、ぱあっと顔を輝かせ)
ももさん、こんにちは!
どうしても顔見たくなって遊びに来てもうた、お邪魔やなかったかな……?
お土産も持ってきてん、一緒に食べよ?(手にしていた紙袋をちょいと持ち上げ)
あれ、誰か居はるん?お姉さん帰ってきはったん?
(複雑な表情で部屋の方に目を向け)
・・・?
(軽く首を傾げて手を振ってみる)
んむ、案外お客さんは多いのぜ
(スープを飲み干して周りをキョロキョロと観察
昔から…。
えっと、無銘君は…。
(何かを言いかけるが、インターホンの音に言葉を切り)
お客さんが来たみたい。
ちょっと行ってくるね。
はーい。今開けます〜。
(玄関に向かい、静かに扉を開ける)
(インターホンを一度だけ鳴らし、玄関前でそわそわしている)
んにゃ、この傷はずっと昔からだぜ、
おう!ありがとだぜ、ももさん
(スプーンがじがじ
桶狭間の戦いに…?
もしかして、頬の傷はその時の…?
よかった。
スープはお代わりもあるから
ご遠慮なくどうぞなのよ。
この前オダってのとイマガワって
のの、戦いになら行って来たぜ?
(少し目を瞑り)
ん、構造理解・・・使えそうだぜ
(嬉しげにスプーンをくるくる
そうなの…?
無銘君はなんだかまるで
すごく遠い昔の世界から来た人みたい…。
ふむー?食器にも種類が増えたのぜ?
・・・何か使いずらいのぜ。
というか初めて知ったのぜ、こんなの
(スプーンを持ってスープ掬おうと
えっと、スプーンはこれで…。
スープを掬って飲んだりするときに使うの。
無銘君はお箸の方が使い慣れているの?
すぷーん・・・?
また耳慣れない言葉なのぜ。
(少しだけスープから顔上げきょとん
無銘君、まるで猫さんみたい…。
スプーンは使わないの?
(不思議そうに見守る
・・・?・・・
(鼻をスンスン鳴らし)
良い匂いなのぜ・・・
(コーンスープに顔を近づけて猫の様にぺちゃりと舌で掬って飲む)
いただきます・・・♪(ぴちゃぴちゃ
えっと、それなら…。
ちょっと待っていてね。
(台所へ向かい、
チキンライス、人参ステーキ
(人参を丸ごとコンソメで煮込みデミグラスソースをかけたもの)
コーンスープ、フォーク、ナイフ、スプーンを用意し
リビングへと戻ってくる)
どうぞ。食べて下さいな。
(無銘さんの前へ料理と食器を並べる。)
・・・・・・・・・・う・・・む
(ヘッドフォンをつけてコクリ
お腹がくーくーなのぜ。
猫さん…。
付喪の声…。
あ…。
(無銘さんのお腹の音を聞き、目をぱちくり)
無銘君、もしかしてお腹が空いているの?
ん、俺は翡翠の眼をした黒猫を探してるのぜ、
後・・・
(クーと軽くお腹が鳴る)
・・・・・・・・後、【付喪】の声が聞こえるのぜ
(目逸らし
特に探したりはしていないのだけど
昔のことに関係があるのかなって
感じるものはいくつか…。
無銘君にも、そういうものがあったりする?