(三人掛けのソファーとテーブルが部屋の中心に置かれ
壁際には座り心地の良さそうな
揺り椅子が一脚置かれている。
併設されたキッチンの奥からは
お菓子の甘い匂いがふわりと漂ってくる)
出来上がり…。
…作り過ぎちゃったかな。
一人より、誰かと一緒にお茶したいな…。
昔から…。
えっと、無銘君は…。
(何かを言いかけるが、インターホンの音に言葉を切り)
お客さんが来たみたい。
ちょっと行ってくるね。
はーい。今開けます〜。
(玄関に向かい、静かに扉を開ける)