せんせいといっしょ：瓜山先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：瓜山先生編

おまけ
　作品展からの帰り、種子島タネは偶然にも緋紅朱赫乃と出くわす。立ち話もなんだから、と近くにあったカフェにより、お茶を飲みながら作品展について話しているうちにタネは自然とこんな事を聞いていた。
「そういえば、さっき……『私と違って』って言わなかった？」
「？！」
　聞かれている事に驚き、顔を赤くする赫乃。だが、タネは首を横に振る。
「そんなこと、ないと思うよ。だって、あの花……あなたが花束にしたんでしょ？　ステキなものを作れるんだもの。自信持っていいよ！」
「で、でも……」
　戸惑う赫乃に、タネは言葉を続ける。
「あたし、あなたの花、すっごくキレイだなって思ったもの」

（なんだか、いい作品が作れそう）
　桜月は創作意欲が刺激され、帰り道に布を少し買っておこうと思っていた。ついでに足りなくなった色鉛筆でも、と思い画材屋に足を運んでいると、三宅葉月と出くわした。彼女もまた創作意欲が刺激され、絵の具を買いに来たのだ。
（（あっ……））
　目が合った２人。同時に、同じように作品展で刺激を受けたのだと悟る。恐るべき表現者達の波長である。
「お互いに、すてきな物を創作して行きましょ？」
「ええ」
　葉月は自然とそういい、月と笑いあう。２人は暫くの間一緒に買い物をし、同じ星ヶ丘寮という事もあり共に帰宅するのだった。その後其々のアトリエで作品と向き合うのだが、いいものが出来たかは彼女達次第である。

　八神修と後木真央は仲良くお買い物。修が猫用の小物を買いたいので一緒に見繕って欲しい、と頼んだのだが……真央は近くにあったパーティーグッツに目がいっている。
「叔父貴のお年玉対策よりこっちが先なのだ悩ましいのだ～」
　と頭を悩ませている姿にほっこりしつつも、彼女の欲しい物が解らないかと悩む修。真央の誕生日は１２月故に、情報収集といきたいのだが……。
「修ちゃん、修ちゃん。こっちの鼻眼鏡とこっちのおひげ、どっちがウケると思うのだ？」
「……悩ましい問題だな」
　修はパーティーグッツを手に笑う真央に、優しく笑いかけるのだった。

　その頃、羽生碧南はというと寮へ帰宅。ベッドの上で書道展のパンフレットを見ながら妄想モードに突入していた。
（会場で作品を見ていたらばったり翠溪先生に出会って……。最初はツンケンしちゃうけど書を通して仲良くなって……）
　因みに翠溪は今日であった朝比奈岳人にどことなく似たイケメンである。
（あの先輩、ちょっと翠溪先生に似てたかも。そういえば翠溪先生は合気道も嗜まれてて、主人公を暴漢から庇うシーンもあったなぁ。あれで急接近しちゃうのよね～）
　なんていいながらベッドをごろんごろん。
「ふふ～♪　筋がいいだなんて照れますよ、翠溪先生～♪」
　なんていいながら夢の中へ落ちる彼女なのであった。

その頃の岳人はというと……？
「……っしゅん！　風邪でもひいたか？」
　と、首を傾げていた。そうしつつも、赤い夕空を見て何故か赫乃を思い出す。また会えるかな、と思っていたら次に碧南を思い出す。２人の女の子を急に思い出し、妙にくすぐったい気持ちになる岳人だった。

（おまけ・終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
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菊華です。
今回は作品展ということでこんな感じになりました。
作品展は大盛況のうちに幕を閉じました。瓜山先生も楽しかったようですよ。
コレを通して瓜山先生を少しでも知ってくれると嬉しいな、と思っていますがどうでしょう？

まだ絵の無い先生方も多いですが、今後もまったりと『せんせいといっしょ』シリーズをやっていきたいな、
と思っています。

それでは、また縁がありましたらよろしくお願いします。

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