this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
秋の夜の花占い
<< もどる
1
2
3
4
5
…
21
つぎへ >>
九夜山に広げられた毛氈の上に
野阿 胡桃
はちょこん、と正座をしていた。
視界に入るのは、濃紺の秋の空と、青白く光る月。月明かりを受けて影を落とす赤い野点傘。
傘の下には橡に染め上げられた小袖を羽織る、十二単の女性が。胡桃と向き合うように座っていた。
十二単の女性は手にした撥で三味線を打つ。夜の道に響いていたのと同じ音がした。
「……えーっと」
胡桃が困ったように首を傾げる。音につられてここまで来たはいいが、なんのアクションもないままである。
つい向かいに正座をしてしまったけれど、何も見なかったことにして帰った方が良いのではないか……?
胡桃の心のうちの葛藤を知ってか知らずか、三味線の女性が薄く目を開く。
黒々とした瞳が胡桃のアンバーの瞳を捉えた。
『人の心は人に通じず。自身にも隠れて見えるもの』
「えっ」
耳元で囁かれるような女性の声に胡桃は咄嗟に左右を振り返る。
振り返った先には今しがた自分の歩いてきた九夜山の道が影っているだけだった。
「今の、あなたの声なの?」
胡桃の問いかけに応えず、女性は続ける。
『そなたの恋心を占のうてやろう』
「恋、心……」
胡桃は視線を右下へずらす。ややあって、話しはじめた。
「実はね、今ちょっと気になってる子がいて……斗南、って名前の子なんだけど。いつだったかな、あたしが変な人に絡まれているところを助けてくれてね。思い出しても、なんかちょっと笑っちゃうくらい走り回ってたけどね。……わがままで、家まで送ってもらっちゃったりして。そこから仲良くさせてもらっていて、たまにふたりで遊びに行ったりもするんだけど」
ほんの少し、胡桃の口元が緩む。
「すごく、いい子なんだ。優しくて、正義のヒーローみたいでかっこよくて。なのに照れ屋さんで、そんなところが可愛くて。なんかね、猫みたいな子なんだよ。人慣れしてない猫。構いたくて仕方がないんだ」
優しい表情のまま胡桃は女性に向き直る。
「あたしはきっと、斗南が好きなんだと思う。もっと仲良くなりたいし、いっぱい斗南のことを知りたい。もっと、一緒に居たい」
そこで言葉を区切って、胡桃は青白い月を見上げた。
「でも……斗南はどうなんだろう。いっつもあたしがわがままいって振り回すばっかりで。でも、全然怒ったりしないでくれて。あたしはそれが嬉しい。だけど、それってあたしばっかり楽しませてもらってる気がして。斗南は……本当にあたしといて楽しいのかな」
口にするたび、胸の奥が締め付けられるような、そんな感覚を持つ。
一緒に歩いた道も、自分のわがままに困ったように笑いながら付き合ってくれる姿も、時折見せる恥ずかしげな表情も。
そのすべてが自分と同じ気持ちの上にあれば、どんなに素敵な事だろう。
胡桃は胸の前で、ぎゅっと手を握った。
「本当はね、ずっと気づいていたんだと思うよ。ずっとそう思っていて、でも直接確かめるだけの勇気は、あたしにはまだないから」
普段さっぱりとした性格の胡桃だからこそ、今の関係を大事にしたい。そんな気持ちもあったのだろう。
答えを得てしまえば、もう知らなかったことにはできない。
「あたしが占ってほしいのは、斗南があたしをどう思っているのか。……卑怯かもしれないけど、ね」
『そなたの心、確かに預かった』
女性は瞼を閉じると、手にした三味線を弾く。やがて、三味線の音に合わせて、どこからともなく花弁が舞い落ちてきた。
濃紺の空に舞う花弁が、月光を反射してきらきらと光っている。
やや間を開けてふたりの間におかれた水盆に、水を跳ね上げながら花が浮かんだ。
「綺麗な花……」
水盆に浮かんだのは、似たような形の2種類の花。
どちらも淡い紫色をしていて、片方は赤いおしべが特徴的だった。
三味線の女性がすっと水盆を指差す。
『そなたへの答えは、菖蒲科の花。名をサフランという。花言葉は“喜び”』
サフランの赤いおしべが風に吹かれてふわりふわりと揺れている。
『そなたの心にあるのは不安。自身の想いが相手の枷になるのを嫌うておる。真実とは曖昧で、そなたの言葉一つで容易に姿を変える』
女性の声は心地よく耳朶を打つ。すんなりと言葉が溶け込んでいくような、そんな気分だ。
胡桃はじっと水盆の上の花を見つめた。
『今、そなたの想い人はそなたといることに少なからず喜びを抱いておる。振り回されておることも、嫌であれば断る。そういう者であろう』
女性の言葉に、確かにそうかもしれない、と胡桃はこくりと頷いた。
『もうひとつの花はイヌサフラン。花言葉は“楽しい思い出”』
「イヌ……?」
『サフランによく似ておるが、薬効成分の副作用が激しく、時には人を死に導く』
「ッ!?」
水盆に映る胡桃の表情が強張る。可憐な見た目とは裏腹に、隠された棘は大きい。
『楽しさの裏に、そなたを刺す棘があるやもしれん。充分に気をつけるがよかろう』
<< もどる
1
2
3
4
5
…
21
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
秋の夜の花占い
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
時織椎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月10日
参加申し込みの期限
2015年07月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!