空飛ぶパンツを捕まえて！｜リアクション

空飛ぶパンツを捕まえて！

●フツウだった日々

　御剣刀はいつものように寝子島神社へ剣術の練習の為にやって来ていた。

　ヒュン、ヒュン

　他に人影のない、邪魔にならない安全を確保した場所で剣の素振りをしていると、何か視界の端を横切る白い物体があった。
　一瞬、何かの見間違いか、それとも鳥かとも思ったがそうではなかった。それは女物の下着、パンツだったのだ。
　予想外の展開にあっけにとられていると、引き続き、箒を振りまわしてそれを追いかける神楽舞の姿が現れた。
　どうやら、ひらひらと宙を舞うそれらのなかには舞の物も含まれているとの事らしい。

「神楽のパンツも飛んでったって？　ついでに回収してきてやるよ」

　事情を聞いた刀はタオルや飲み物を入れた袋と木刀を持ったまま、ひらめくパンツたちを追いかけるが、

「数が段々増えてる？　これ俺一人じゃ無理だ。飯おごるから手伝ってくれ」

　刀は途中で出会ったサキリ・デイジーカッターに助けを求めた。

「パンツが空を飛ぶなんて世も末だな。大事になる前に食い止めないと……」

　サキリはクールに刀の申し出を了承し、カッコ良く手に持ったナイフを数本投擲し、見事に何枚かのパンツを木に縫いとめる事に成功した。
　……が、当然の事ながら回収したパンツにはナイフが刺さった時にできた穴が開いていた。
　それも卑猥な部分に。

（うわぁ……意識してやった訳じゃないけど、我ながらドン引きだなこれ……）

　でもしょうがないとサキリは割り切り、そうやって何度か穴開きパンツを捕まえて虫篭に詰め込むのであった……

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