空飛ぶパンツを捕まえて！｜リアクション

空飛ぶパンツを捕まえて！

●パンツ発掘作業

　それからの砂浜を掘削してのパンツ発掘作業は難航していた。
　もちろん妨害活動をしていた真央も今はスコップを持たされて創作活動に駆り出されている。

「白だけでもこんなにあるのか……これはちっちゃすぎるし、こっちはでかっ！
　ち、ちかんじゃないぞ！　おれはかあちゃんのパンツをさがしてるんだ。白いの。
　うーん、くべつがつかねえ。名前書けばいいのに」

　龍樹は作業の進まなさに、疲労感を隠しきれないでいた。
　砂浜を掘り返し、水を吸ってくしゃくしゃになったパンツを広げ、作業が成果をあげるにはは相当の時間を要した。
　何とか全てを掘り出した一行は、パンツは全回収し警察へ届ける事となった。

「俺もご馳走になるよ御剣。なんて冗談だよ。星ヶ丘富豪が何を庶民に……半分出すよ」

　星が丘のセレブである修がさらりと言ってのける。
　その後ろでは真央を羽交い絞めに捕まえた月詠が

「よーしよしよし」
　
　とがっしゃがっしゃ思いきり撫でくりまわす。直接の元凶ではないがパンツに味方した人間としての罰を与えているらしかった。
　しかし、今回の事件の原因と真相は何だったのか。それに気が付いた人間は誰もいなかったのだろうか？
　寝子島神社の片隅でカタカタと不気味な音を立てる祠があった事に気が付いた人間はまだいなかった……

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