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エノコロ岬の秋祭り
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花火も終わり、一般客が帰り始めて動けるようになると、優先席の人も動き出す。
余韻に浸っていた綾花は、目の前を通る人のために出来るだけ膝を折って通路に隙間を空け、立ち上がるタイミングを見逃さないよう通って行く人を眺めていた。
「えっ」
「ん?」
似ている人かと思って驚いて声を上げれば、本人だった。どうすればいいのか分からず口を塞いでいると、珪が急に立ち止まったことで後ろの人とぶつかってしまったようだ。
「すみません、立ち上がりたそうな顔をしている子がいたもので」
さぁ、と目で促されて立ち上がるも、背後に珪が立っていると思うだけで緊張してしまう。
「あ、あの……ありがとうございました」
「いやいや、あのまま人が引くのを待っているのも辛かっただろ?」
暗いし、背後にいるので顔色はきっと気づかれない。けれど、すぐに声が裏返ってしまいそうで緊張してしまう。
「急がなくていい、砂に足をとられてしまうからね」
「は、はい……」
この後、少しだけ話を出来ないだろうか。青の洞窟に行ってきたのだと、写真を見せながら話すくらいは。
(ああでも、寝子祭のことも、それからエノコロ岬の喫茶店へ一緒に行けて楽しかったですって伝えなきゃ、教えてもらった五頭を持つ悪さをしていた猫の絵も描いたんですよって)
話したいことは、たくさんある。だけど花火が終わるような時間だ、優先席に座っていた人は一般客が引くのを待ってから移動している、先生としては早く帰宅を促すのが普通かもしれない。
――これは、頑張るところなのか。それとも我儘なのか。
綾花は必死に考えながら、歩み進めた。嫌われない選択肢などわからない、でも確実なことだけは一つある。
(夜空の下で、おやすみなさいって言える……珪先生も、きっとおやすみって……!)
さようなら、お疲れ様、また明日。おはようございます、こんにちはは言えても、おやすみなさいと言える機会など、言ってもらえる機会と同じく滅多とない。
そんな幸せな言葉を聞けるなら、大人しく帰ることになっても構わないかと、想像しては熱くなる頬を抑えて優先席の通りを抜けた。
人混みのピークが過ぎ去り、そろそろお開きにしようと、斗南は一日を振り返って当り障りのない感想を口にする。
「……じゃ、今日は誘ってくれてありがとう」
「あ、うん。こっちこそ」
早々に背を向けて歩き出す斗南に、言い逃してしまう。これだけは、絶対伝えなければと胡桃は離れ行く背に向かって声を張り上げた。
「斗南! 今日は色々あったけど楽しかったよ。また今度一緒に遊ぼうね!」
歩みは止まらない、振り返らない。聞こえなかったのだろうかと再度大きく息を吸い込んだ時、ゆっくりと片手が挙げられた。
(聞こえてた、無視されてない……ってことは、いいよってことだよね? そうだよね?)
何故だか頬が緩む。次は何に誘おうかと、どんな所になら興味を持ってくれるかと思うと心が踊っている自分が居た。
「花火、色ぐらいしかわからなかったのだ~!」
遊覧船が出発した後、真の計画スタートだとばかりに真央はスマホの手書きメモでマッピングしておいたポイントでシュノーケリングの準備を行っていた。
ほとんどが浅瀬で出来ているこの洞窟内で、唯一潜れそうな場所。岩壁の具合を考えると、人一人がやっとの広さなので、修と交互に潜ることにしようと空のペットボトルに点けた懐中電灯を入れてロープで吊るし、中の様子をきちんと確認した。どうやら人が入れるほどの横穴が空いている様子は無さそうだが、それでも夕日に移り変わって色を変えた海面を内側から見るのは楽しいだろうと、期待していた。
夜光虫が居そうなポイントも修から聞き、それらを楽しんだ後に用意したゴムボートで外に出て海上で花火を楽しむ。そんな計画通りにことが運ぶ……はずだった。
「確認してみたが……他に出口らしい物は見つからない」
まだ夕日が落ちる前ならいざ知らず、暗闇に包まれ本格的に潮が満ちた洞窟内は、月明かりが差し込むだけで、それ以外に外界と繋がる場所は一切無くなってしまったのだ。
洞窟内部は、足元に気をつければそれなりに移動することが出来る。だが、入ってきたはずの入り口は深い海底に沈んでいた。
「洞窟内の広さにだけ気を取られて、高低差を考慮していなかったな……あの入り口の形だと、潜って外に出るのは危険すぎる」
大きなビニール袋を空気袋代わりにシュノーケリングごっこを楽しんだが、その脆さはいつ外壁に触れて破れるかも分からず、それを維持しながら懐中電灯を的確な場所を照らして移動することはできない。あくまでも、ごっこ遊びの用意だ。プロの判断に委ねたいところだが、あいにくの所電波も途切れがちで救援を呼ぶことも指示を仰ぐこともできない。
幸いなことに、食料や救命胴衣、ボートなどは持参している。時間が経てば、自力で脱出も可能だが――。
「修ちゃん、あとどれくらいで出られるのだ?」
「……潮の満引きの間隔は、約十二時間。つまり、深夜とも明け方とも言えない時間だな」
あおいを巻き込んでいなくて良かった。今回ばかりは心底そう思う。花火までの時間、真央と交互に海へ潜り、夕日や月明かりでも輝くものなのかと楽しんだり、奥まった場所にあった夜光虫の居る場所で写真を撮って浮かれていた。
これくらいの浸水であれば、頭上にさえ気をつければ外に出られるだろう、と……。再三船員が注意していた言葉が、今になって蘇る。
「とにかく、これ以上遊ぶのは止めて、あまり体を冷やさない場所に移動しないと」
出来るだけ高く広い場所で、体を温め時間まで起きていなければ。遊ぶ場所ばかりマッピングした自分に呆れ、夜になって再度調べ直した洞窟内を効率よく移動するために修は考えこむ。すると、海をかき分けて進んでくる水音が聞こえた。
「他にも、ここに取り残された人がいるのだ!?」
懐中電灯に照らされた遙が目を細め、自分たちだけでは無かったことを安堵する。が、二人が座っていた場所には四人がくつろげる程のスペースは無い。
「怪我人がいるんだ、何か持っていれば譲って欲しい」
陽太が転んだ時、足を挫いたようでハンカチを巻いて応急手当は行った。暫くは動かない方が良いとじっとしていたが、その場所も段々と水位を上げ、このままでは体温を奪われかねないと、遙が陽太を背負う形で移動してきたのだ。
「陽太ちゃん? 怪我って」
「だーいじょーぶ。ちょっとドジやっちゃってさー? 足挫いちゃったみたいなんだよねぇ」
へらりと笑って見せるが、とてもそうは見えない。所々にあるかすり傷は海水で痛むだろうし、無理をしていることは一目瞭然だ。
「ファーストエイドキットがあるのだ! それから、ごはんも……」
言いかけて、真央は修と顔を見合わせた。出口を探して歩いていたはずの彼が、今の今まで二人と会っていない。互いに移動していてすれ違っていただけかもしれないが、同じ様に取り残された人が他にもいるかもしれない。
「ごはんは、ここにあるのだー! 困ったときは、助けあうのだーっ!」
反響することを利用して、真央は叫ぶ。修の持ってきていたLEDランタンを足元に置き、ファーストエイドキットと食料を二人の前に出して自分が持ってきていた懐中電灯二種類を、修と分けて彼が新しくマッピングした物を自分のスマホで写真に撮った。少しばかりの食料も持ち、移動しないほうが安全であればそれだけを渡して引き潮には合流しようと約束するだけでいい。
「この場所は二人が限界だ、応急手当をして食事をしながら待機していてくれ」
「真央ちゃんたちは、動けなくなった人がいないか探しに行くのだ!」
元々広くない場所が、浸水で移動範囲がさらに狭くなっている。ここで二手に分けれて調査をすれば、取り残された人を見逃すことは無いだろう。そんな二人の好意に感謝し、空いたスペースに陽太を降ろすと遙は消毒液に手を伸ばした。
「すでに海水に浸ってしまった所は、この場所の水質が良いことに期待するとして……手付かずな場所を手当てしていこうか」
「こんなことになったのはオレのせいですし、それくらい自分で」
言いながら彼が握る消毒液へ手を伸ばせば、大人しくしてるようにと言いたげにかわされる。しかし、それはすんでの所でかわしたようで、袖に引っかかってしまった指がするすると遙の服を捲り上げてしまった。
ランタンの明かりに照らされた刺し傷に、双方が押し黙る。特に、自分のせいで船に乗り遅れる羽目になったのにと、陽太はさらに気まずい空気に立つ瀬がない。
「……気を遣わせたならすまない。これは古い友人を庇って、ストーカーに刺された傷なんだ」
大人しくなっている間に手当てを進め、陽太は自分ばかり聞いてしまって良いのかと腹部を擦る。
「オレも……その、転けたときに見えていたかもしれないんですけど、古い傷があって」
小学生の時に、通り魔に刺されて出来た傷。迷子になった弟を探していたつもりが自分も両親とはぐれてしまい、その事件は起こった。そのせいで弟がずっと傷のことを気にしているのだと口にする。
「君は本当に危なっかしいな」
「遙さんこそ」
じれる弟の気持ちは良くわかる。他人の為に自分を犠牲にして無茶ばかりして……それは、過去の自分も同じことだ。守れたと勲章めいたことを言えるはずもない、何故なら友人は――。
「……すみません」
「謝る必要はないさ。ただ、弱音は吐いてもいいぞ」
少しばかり驚いたような顔をする陽太に苦笑し、治療は完了だと食料に手を伸ばす。
「弱音を吐くには信用が足りないか? これでも、君の事を弟のように思ってるんだがな」
「弱音はー……今は足捻った所が痛ーい!! ですかね」
イタズラっぽい笑みを浮かべ、同じ様におにぎりを手にする陽太に安堵し、困る要因になった海面を見る。月明かりで反射するそれは、落ち着いて見ると昼間と違った輝きを見せていて、綺麗だと思った。
「……オレも、兄みたいな人だなぁって思ってますよ」
そうやって慕うからこそ、遊びに行こうと誘った。自分のせいでこんな目に遭わせてしまったけれど、それでも弟のようだと言ってくれて嬉しい。二人で食事を済ませれば、丁度真央たちが戻って来て、食事も届け終わったので他の場所で待つと言い、ゆったりとした時間を過ごした。
――そして。
安全のために救命胴衣を着用してゴムボートで往復すること二回。取り残されていた六名は無事に島へと帰ってくることが出来た。
それぞれに思い悩むこと、反省することなど色々とあるが、心身ともに疲弊している。まずは体を休めてからだと、交通機関もままならない状況で帰宅することになったのだった。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
皆様ご参加ありがとうございます、公開が遅れてしまい、申し訳ございません。
乗船員の指示は、きちんと聞きましょう!
今回、洞窟「内部」は移動が可能と明記させていただきましたが、鍾乳洞など行ったことがある方はご存知かと思いますが、内部は高低差があります。
そのため、内部の移動は可能ですが、入り口はそこより低い位置にありますので脱出は不可となっておりました。
ちょっとしたミスリードでしたが、猛者もいらっしゃって驚きました。
皆様、どうか危険な真似は現実では行わないようご注意くださいね。
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浅野 悠希
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2人まで
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日常
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15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月11日
参加申し込みの期限
2015年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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