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10月の★ハッピーバースデー
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【15】風力発電帽であったまろう?!
放課後。
「ドクは……まだ来てないか」
屋上へとやって来た
新井 すばる
は、あたりを見回して呟き、低い吐息をついた。
彼をここに呼び出したのは、同じミステリ研究会に所属する
神野 美野梨
だった。
(屋上に呼び出すってことは、部室で出来ない話かな。誕生日は前に言った気がするけど、覚えてるわけないし……)
なんとなく、空を見上げながら、すばるは胸に呟く。
今日、十月三十日は、彼の十六回目の誕生日だった。
(誕生日に手編みのマフラーと愛の告白なんてのは、都市伝説だって、ボクも知ってる。初歩だよ)
そんなふうに、続けて呟いてみながら、それでもその『都市伝説』が本当だったらいいと思う自分がいることを、彼は気づいている。
と、そこへ待ち人が現れた。
神野 美野梨
だ。
彼女は両手で、リボンのついた箱を抱えていた。
「ごめんなさい、待った?」
「いや、待ってないよ。今来たとこ」
問われて答えながらも、すばるの目は彼女が持つ箱に引き寄せられている。
(も、もしかして、本当に誕生日のプレゼントだったり?)
胸をドキつかせながら、そんなことを思う。
それへ、美野梨が口を開いた。
「お願いがあるんだけど……」
「お願い? 姫、ボクにできることならなんなりと」
軽く目を見張ったものの、すばるはすぐに気取った仕草でお辞儀して返す。
姫と呼ばれて、美野梨は小さく照れたように笑った。
(照れた顔もかわいいな……)
それを見て、そんなことを考えつつ、すばるは「これはまさかのラブ都市伝説への流れか?」と一人勝手に内心でドギマギしたりする。
それへ美野梨は続けた。
「これをかぶってもらえないかしら」
言って、箱の蓋を開ける。中から現れたのは、毛糸の帽子だった。ただし、その天辺には大きな風車がついている。
「え? 何これ」
「手作りの、風力発電帽よ」
呆然とその奇怪な帽子を見やるすばるに、美野梨は言って、説明を始めた。
いわく、寒風が吹きすさぶ季節、風を有効利用したい。そこで、風力発電による暖房を考えたが、電力をためておくのは難しそうなので、発電した熱でその場で頭を温めればどうかと試作したのが、この帽子だそうだ。
「ちょっと格好は悪いけど、安全は保証するわ。サーモスタットもつけたし」
説明を終えて、美野梨は言う。
「あと、あまり目立たないように茶色にしてみたの。髪の色にも合うし。……風が強ければ強いほど温まるわ。帽子は手編みにしようかとも思ったんだけど、品質を優先したわ。……でも、風車は手作りよ」
「手作り」のところに力を込めて告げると、彼女は少しだけドヤ顔になった。
(そこでなんで、ドヤ顔?)
思わず内心に突っ込みを入れながら、すばるは小さく苦笑する。
やはり、都市伝説は都市伝説でしかないようだ。……というか、相手は美野梨なのだ。こういう展開の方を予想するべきだったろう。
だがむろん、彼はそんな内心を面には出さず、うなずいた。
「いいよ、手伝おう」
そんなわけで。
すばるは天辺に風車のついた毛糸の帽子をかぶり、屋上の端の風の強い場所に立った。
「どう? 温かくなって来た?」
三十分ほどが過ぎて、美野梨が問う。
「うーん、回ってるけど、温かくなった感じはしないなあ……」
首をかしげるすばるに、美野梨は眉をひそめた。
「風が足りないのかしら。……時間がかかるのかも」
呟いて、スマホの時計を睨みつける。
少しして、再び彼女に「どう?」と問われ、すばるは首をかしげた。
「やっぱり、温かくはな……!」
「ちょっとごめんなさい」
言いかける彼に、美野梨がふいに手を伸ばす。
彼女にとっては帽子の角度の調整だったが、すばるにとってはいきなり意中の女の子に頭を触られ、心臓が一瞬口から飛び出しそうになる出来事だった。
「あら、少し温かくなったみたい」
そんなすばるの気も知らず、美野梨は言って首をかしげる。
(温かいのは風力発電のせいじゃなく、ボクの心臓のせいだよ)
と胸の中で突っ込みを入れつつ、すばるはただ苦笑いした。
ややあって、一向に熱が起こる兆しの見えない風力発電帽に、すばるが提案した。
「風がないなら、作ってみようか。校庭を自転車で走るんだ」
「そうね。風力の方を上げたら、発電もできるかもしれないわね。いい考えだわ」
目を輝かせてうなずく美野梨に、すばるは笑ってウィンクする。
「ボクを誰だと思ってるんだい?
新井 すばる
だよ」
ともあれ二人は、屋上から校庭へと降りた。
あたりはすでに黄昏の色に染まり、校庭には他の生徒の姿もない。
もっとも、部室棟や教室にはまだ、残っている生徒がいるのだろうか。
駐輪場から、鍵のかかっていなかった自転車を一台借りて来て、すばるはそれにまたがった。後ろの荷台には美野梨が乗っている。
「じゃ、こぐよ。しっかりつかまってて」
美野梨に声をかけ、すばるは自転車をこぎ出した。
たちまち風が起こって、帽子の天辺の風車が回る。それも、屋上でただ風を受けていた時よりも、断然早く回っている。
それに気づいて、美野梨は目を見張った。
「風が気持ちいいね」
「ええ」
笑って言うすばるに、美野梨もうなずく。
と、風車の重みでか、徐々にずれた帽子が、すばるの頭から落ちそうになった。
「あ……!」
慌ててそれを押さえようとした美野梨は、自転車から落ちそうになる。
「わ、ドク……!」
気づいてすばるが自転車を止め、片手で彼女を支えた。
「帽子より、自分を守ろうよ」
「ご、ごめんなさい。……ありがとう」
慌てて返す美野梨に、すばるは笑いかける。
「ドクが大丈夫なら、ボクも平気だよ。……じゃ、ちゃんと乗って」
「ええ」
促されて、美野梨は荷台に乗り直した。
それを確認し、帽子をかぶり直してすばるは再び自転車を走らせ始める。
しばらく走って、さすがにすばるの息が上がったころ、どうやら発電は成功したようで、帽子はほんのり温かくなった。
それを確認する美野梨に、息を切らしながらすばるがおめでとうを言う。
それへ美野梨は言った。
「お誕生日おめでとう。……大丈夫そうだから、プレゼントするわ」
「え、これくれるの?」
驚くすばるにうなずいて、美野梨は少しだけ心配そうに問うた。
「やっぱり、これかぶって歩くのは、恥ずかしいかしら?」
「いや、平気だよ。……誕生日、覚えてくれてただけでも、うれしいさ」
かぶりをふって返すすばるに、「よかった」と美野梨は微笑む。
そんな彼女が少しまぶしくて、すばるはふと視線をそらした。その視界に、夕日に茜色に染まった空が飛び込んで来る。
「ドク、見て。……綺麗だね」
「本当ね……」
すばるの言葉に、空をふり仰ぎ、美野梨も目を見張って呟いた。
数センチの距離に立つ彼女の肩に、すばるは少しためらってから、手を伸ばす。
美野梨は軽く身じろぎしたものの、離れるそぶりは見せない。すばるは、肩を抱く手に力を込めた。
その二人の頬は、空を焼く夕日の色を写したように、朱に染まっていた――。
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担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月11日
参加申し込みの期限
2015年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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