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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
怪人セブンの暗躍
吉祥寺たちが店内に入ると、ピカピカに輝く店内に目を丸くしていた。
「いらっしゃいませアル！ ようこそ猫島軒へ来たアルね！」
お団子頭の看板娘が笑顔で一行を出迎えてくれた。
「はやい、うまい、やすいが自慢の猫島ラーメン、今日は存分に食べてくださいアル！」
元気いっぱいに頭を下げる畑中に、加納はすっかり機嫌が良くなった。
「あら、ちっちゃくって可愛い看板娘さんですね！ あたし、たくさん注文するからよろしくお願いします」
暴食令嬢の胃袋がアップを始めた瞬間である。
横にいる魅紗歌の顔が強ばった。
「……お姉様、最初っから本気を出すつもり……！？ み、魅紗歌もついていく！」
この毒舌アイドルの異様な覚悟の真意を、“英雄たち”は知る由もなかった。
一方、吉祥寺は店内の輝きっぷりに戸惑っていた。
「は、はた……なか……？ 店、すげぇキレイになったな！」
「はい！ 常連さんにも手伝ってもらって、アイドルさん出迎えのために掃除したアル！」
「そ、そうか……。だから奥のおっさん達がへばってるのか……」
一番奥のテーブルでは、顔を突っ伏したまま動かない常連のおっさん４人組が転がっていた。
店主ねぎらいの瓶ビールから注がれたコップのビール。
その泡の揺れが線香の白煙めいてなんとも侘しい。
「き、気にするな……」
おっさんの１人が顔を上げて声を振り絞る。
「俺も壺職人の１人……！ みさリンに、綺麗な店でラーメンを食わせてやりたかった、の、さ……」
ガクッ、と今度こそ顔をテーブルに沈めて力尽きたおっさんである。
「おっさぁぁぁん！？ みさリンのために……無茶しやがって……！」
吉祥寺は同志の心意気に涙ぐんだ。
「あ～あ、おじさんたち、死亡確認だね……」
戌井は思わず合掌した。ドライな対応だった。
「……とりあえず、座ろっか？」
桜庭の一声で、ようやく全員が席に着きはじめた。
「……真面目にやれないのか？」
月居が頭を抱える横で、菜々緒はくすり、と笑みを漏らす。
「誰かの為に頑張る姿、私は好きよ。それに、こういう茶番があってこその“フツウ”だと思うの」
「……菜々緒がそういうなら、構わねえけど」
無茶するなよ、と言いかけて月居は言葉を飲んだ。
（いったところで……それを決めるのは菜々緒自身だ。押し付けがましい言葉は好ましくないだろう）
月居は菜々緒がどうするのか注視する。
恐らく、菜々緒は泉月花と離れた場所に座るだろう。
それならそれで構わない。何があったかは知らないが、近付きたくない理由があるのだろう。
（だから必要な時だけ口を出せばいい……）
そう月居が考えていた矢先のできごとである。
「ねぇ、ナナオ！ こっちに座ろうよ！ 吉祥寺先輩や尾鎌くん、それにみんなも！」
桜庭が手を招くテーブルは大人数が利用できる大きめの円卓。
バラバラに座っていた関係者を一堂に集めて会食させるつもりらしい。
「おい桜庭……、菜々緒には聞いたのか？」
月居が心配そうに桜庭に尋ねた。
桜庭は即答した。
「聞いてない。これはボクからの提案だもの」
「待て、そんなことをしたら菜々緒が嫌がるんじゃないか？」
すぐさま提案を取り下げるように迫る月居。
だが桜庭は続けた。
「でもここに来る前に、ナナオはちゃんと向き合うって約束したよ」
桜庭の瞳は、まっすぐ強い光が宿っていいた。
どこまでも直進する意志の光が、月居の心を射抜く。
「……それでいいのか？」
菜々緒に尋ねる月居。
白亜の娘は黙って首を縦に振った。
「じゃあ、泉月花ちゃん。そういうことだから相席お願いできないかな？ ……それとも、こういう趣向は嫌い？」
泉月花は不服そうに唇を尖らせながら告げる。
「……まぁ、そこのポンコツの顔を見ながら食事を取るという経験も何かの役に立つ日が来るでしょうし、今日は皆さんの顔を立てて相席を許可しましょう」
「もう、素直じゃないなぁ……」
桜庭は思わず苦笑いしてしまう。
「だけど、ありがとう、泉月花ちゃん」
「……言っておきますけど、あたしのほうが年上ですよ？」
「細かいこと気にしないで！ ほら、魅紗歌ちゃんも一緒においで！」
「別にいいけど、お姉様の隣に座らせてください」
ぴったりと泉月花のそばから離れようとしない魅紗歌であった。
……かくして、円卓に関係者たちが全員座った。
ここから昼食という名の舌戦が繰り広げられようとしているのだ。
「ご注文は何にするアルかー？ 決まったら言ってほしいアル！」
そんな事とは全く知らない畑中は、元気よくオーダーを取りにやってきた。
唯一、事件とは無関係の彼女の存在が、フツウの意味を“英雄たち”に知らしめるのだ。
「いらっしゃいませアル！ ようこそ猫島軒へ来たアルね！」
お団子頭の看板娘が笑顔で一行を出迎えてくれた。
「はやい、うまい、やすいが自慢の猫島ラーメン、今日は存分に食べてくださいアル！」
元気いっぱいに頭を下げる畑中に、加納はすっかり機嫌が良くなった。
「あら、ちっちゃくって可愛い看板娘さんですね！ あたし、たくさん注文するからよろしくお願いします」
暴食令嬢の胃袋がアップを始めた瞬間である。
横にいる魅紗歌の顔が強ばった。
「……お姉様、最初っから本気を出すつもり……！？ み、魅紗歌もついていく！」
この毒舌アイドルの異様な覚悟の真意を、“英雄たち”は知る由もなかった。
一方、吉祥寺は店内の輝きっぷりに戸惑っていた。
「は、はた……なか……？ 店、すげぇキレイになったな！」
「はい！ 常連さんにも手伝ってもらって、アイドルさん出迎えのために掃除したアル！」
「そ、そうか……。だから奥のおっさん達がへばってるのか……」
一番奥のテーブルでは、顔を突っ伏したまま動かない常連のおっさん４人組が転がっていた。
店主ねぎらいの瓶ビールから注がれたコップのビール。
その泡の揺れが線香の白煙めいてなんとも侘しい。
「き、気にするな……」
おっさんの１人が顔を上げて声を振り絞る。
「俺も壺職人の１人……！ みさリンに、綺麗な店でラーメンを食わせてやりたかった、の、さ……」
ガクッ、と今度こそ顔をテーブルに沈めて力尽きたおっさんである。
「おっさぁぁぁん！？ みさリンのために……無茶しやがって……！」
吉祥寺は同志の心意気に涙ぐんだ。
「あ～あ、おじさんたち、死亡確認だね……」
戌井は思わず合掌した。ドライな対応だった。
「……とりあえず、座ろっか？」
桜庭の一声で、ようやく全員が席に着きはじめた。
「……真面目にやれないのか？」
月居が頭を抱える横で、菜々緒はくすり、と笑みを漏らす。
「誰かの為に頑張る姿、私は好きよ。それに、こういう茶番があってこその“フツウ”だと思うの」
「……菜々緒がそういうなら、構わねえけど」
無茶するなよ、と言いかけて月居は言葉を飲んだ。
（いったところで……それを決めるのは菜々緒自身だ。押し付けがましい言葉は好ましくないだろう）
月居は菜々緒がどうするのか注視する。
恐らく、菜々緒は泉月花と離れた場所に座るだろう。
それならそれで構わない。何があったかは知らないが、近付きたくない理由があるのだろう。
（だから必要な時だけ口を出せばいい……）
そう月居が考えていた矢先のできごとである。
「ねぇ、ナナオ！ こっちに座ろうよ！ 吉祥寺先輩や尾鎌くん、それにみんなも！」
桜庭が手を招くテーブルは大人数が利用できる大きめの円卓。
バラバラに座っていた関係者を一堂に集めて会食させるつもりらしい。
「おい桜庭……、菜々緒には聞いたのか？」
月居が心配そうに桜庭に尋ねた。
桜庭は即答した。
「聞いてない。これはボクからの提案だもの」
「待て、そんなことをしたら菜々緒が嫌がるんじゃないか？」
すぐさま提案を取り下げるように迫る月居。
だが桜庭は続けた。
「でもここに来る前に、ナナオはちゃんと向き合うって約束したよ」
桜庭の瞳は、まっすぐ強い光が宿っていいた。
どこまでも直進する意志の光が、月居の心を射抜く。
「……それでいいのか？」
菜々緒に尋ねる月居。
白亜の娘は黙って首を縦に振った。
「じゃあ、泉月花ちゃん。そういうことだから相席お願いできないかな？ ……それとも、こういう趣向は嫌い？」
泉月花は不服そうに唇を尖らせながら告げる。
「……まぁ、そこのポンコツの顔を見ながら食事を取るという経験も何かの役に立つ日が来るでしょうし、今日は皆さんの顔を立てて相席を許可しましょう」
「もう、素直じゃないなぁ……」
桜庭は思わず苦笑いしてしまう。
「だけど、ありがとう、泉月花ちゃん」
「……言っておきますけど、あたしのほうが年上ですよ？」
「細かいこと気にしないで！ ほら、魅紗歌ちゃんも一緒においで！」
「別にいいけど、お姉様の隣に座らせてください」
ぴったりと泉月花のそばから離れようとしない魅紗歌であった。
……かくして、円卓に関係者たちが全員座った。
ここから昼食という名の舌戦が繰り広げられようとしているのだ。
「ご注文は何にするアルかー？ 決まったら言ってほしいアル！」
そんな事とは全く知らない畑中は、元気よくオーダーを取りにやってきた。
唯一、事件とは無関係の彼女の存在が、フツウの意味を“英雄たち”に知らしめるのだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年06月13日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年06月20日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年06月20日 11時00分
