【中間テスト】そんなこんなの最終日｜リアクション

【中間テスト】そんなこんなの最終日

　生物の問題用紙を目にした途端、新井すばるの脳裏に自身の言葉が蘇ってきた。
　そろそろ中間テストの時期だよね。生物部の皆で点数を競ってみない？　もちろん生物のテストでさ。うん、ビリの人には罰ゲームとして飼育係を交代ってことでどうかな？
　その場で誘いに乗った二人の反応を思い出す。すばるは表情を緩めて、すぐに元の状態に戻った。
「今頃、あの二人も頑張ってるんだよね」
　少し手を速めて次の問題に取り掛かる。おや、と不思議そうな顔をしてじっくりと読み直す。
　これ、引っ掛け問題だね。気付くかなぁ、あの二人――。
「ま、気付くよね」
　笑って問題を解いた。すらすらと解答を書き込んで、再び言葉を思い返してみる。
　飼育係を交代って罰ゲームになるのかな。誰がなっても手伝いそうだし……。
「飼育は楽しいからね」
　出た声の大きさに身を縮めて周囲を窺う。誰も気に掛けることなく、問題に打ち込んでいた。
　ボクも凡ミスに気を付けてがんばろーっと。
　残りの空欄を笑顔で埋めていった。