【中間テスト】そんなこんなの最終日｜リアクション

【中間テスト】そんなこんなの最終日

　小さな道場に源一が微動だにしないで立っていた。胴着に袖を通した姿は一介の武人であった。手には木刀を握り、徐に一刀を振り下ろす。踏み込んだ足が地響きにも似た音を引き起こす。
　余韻を打ち消すように木刀を振る。袴が躍動して連撃の様相を呈した。巨大な身体が舞うような体捌きを見せた。
　訪れる静寂。固く締められた口が開く。
「やはり身体が鈍っている」
　自身に対する評価は厳しい。
　基本の型に戻った。個々の動作を丁寧にこなし、尚且つ、大気を断ち割っていく。息に乱れはない。木刀の振りは鋭さを増し、一刀ごとに気迫を乗せていった。
　大地が鳴動するような激しさの中、裂帛の気合が迸る。
　渾身の一撃の姿で留まる。源一は熱風のような息を吐いた。踏み込んだ足を戻し、木刀をだらりと下げた。
　終わるのかと思いきや、それは新たな始まりであった。巨躯が軽やかに動いて致命の一撃を連続で浴びせる。虚空の相手を断ち割り、薙ぎ払い、粉砕した。
　荒れ狂う嵐は過ぎ去った。
　静寂の中に微かな息遣いが聞こえる。源一の口が僅かに開いていた。顎先から一滴の汗を零した。
　太陽が西に傾き、緋色の光が道場の一角を照らす。
「八代目が帰ってくる時間か」
　頭の中に飄々とした人物が浮かぶ。
　源一は木刀を構えた。虚空を見つめて窺う姿勢から攻勢に転じた。放った一刀は大気を縦に割る。
「躱されたか」
　源一は口にして、ただ一人の帰りを待ち侘びた。

　中間テストの最終日、穏やかな夜が人々を安らかな眠りへと導いていった。

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あとがき

担当マスター：黒羽カラス
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中間テストの最終日、皆様のテストの出来はいかがでしたでしょうか。
様々な方法でＰＣがテストに挑まれ、書いていて私も手に汗を握りました（自分の過去を思い出しつつ）。
テスト中にもドラマがありました。生活を賭けてテストに挑む。未来を夢見る。運を天に任せて鉛筆コロコロ（おや？）。
テスト後には部活にバイトにと、各々が忙しくされたことと思います。思い切り遊ぶことも時には大切ですよね。

今回のリアクションには各ＰＣの心の声が頻繁に出てきます。ここまで多いのは私のシナリオでは初めてではないでしょうか。
テスト中に独り言や他の人との会話は、さすがに無理がありました。クラスの担任の目が厳しく光っていますので。
それともう一点、行動が重なった場合や場面転換の多いＰＣは一部で時系列を無視して書かれています。読み易くしたつもりですが活かされているでしょうか（滝のような汗）。

今回は私もリアクションというテストを受けた気分になりました。終わった時の爽快感をＰＣと共に体感しました。
過去の自分を振り返りながら、そんなこんなのあとがきとします。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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