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◆
「カタヌキやってかない? 上手に型抜きできたら、団子全種類サービスしちゃうよ!」
猫島 寝太郎
は高校生と思しき人が通る度、そんな風にして声をかけていた。
彼の出店は串団子屋と、その空きスペースを利用したカタヌキ。
団子の方はお年寄り方に人気だが、カタヌキはそういうわけにもいかない。
小さな子供にしても、今はあまり見慣れないのかちょっとずつ来るくらい。
このままでは、少し寂しい。
というわけで、団子サービスのおまけで釣り上げてみようという次第だ。
そうして声をかけ続けていると、聞きなれない単語に
マイ・ブルーメ
が反応した。
「カタヌキ、ってなんですか?」
待ってましたとばかり、嬉々として説明する寝太郎。
「カタヌキっていうのは、こういう板状のお菓子に描かれた型を、針や爪楊枝なんかでくりぬく遊びなんだ。ほら……こんな感じでね」
ぱぱっと手際よくピンクの板に描かれた星の型を抜いてみせると、マイは感心したような表情で小さく拍手。
「楽しそうですね。私もやってみたいです」
「そうこなくっちゃ。じゃあ、そこのスペースへどうぞ。初めてなら、簡単な奴がいいよね」
「はい、それでお願いします」
そうして渡されたのは、先ほど寝太郎が実演したのと同じ星の型の板、それと爪楊枝。
「型抜きができるか、それか板が割れちゃうかしたら声をかけてね」
「はい、わかりました」
真剣な表情で、型の周りを削り始めるマイ。初めてということもあって、そのペースは非常にゆっくりだ。
最初は少し離れて眺めていた寝太郎だったが、すいませんと声をかけられて団子屋の方へ。
「はいはい、団子お求めですか……って、御巫さんか」
声の主は、
御巫 時子
だった。途中で仲良くなったのか、肩には一羽の鳥がとまっている。
「どうも寝太郎さん。お団子、どれがおススメですか……?」
「そうだねぇ、個人的な好みで言いえばずんだ餡かな。全部和菓子屋のおっちゃんに提供してもらったものだし、どれがって言われると中々悩むけどねぇ」
時子は少し考えるようなそぶりを見せ、
「じゃあ、全部一つずつお願いします……」
「毎度ありー。五本ワンセットだから、何人かで分けるとちょうどいいんじゃないかなぁ」
「はい、そうします。そういえば、そちらでは何を……?」
と時子が示したのは、
「ああ、空きスペース使ってカタヌキやってるんだよ。」
「カタヌキですか。懐かしいものですね……」
「うん。で今、初めてだって人がやってるんだけど――」
寝太郎の言葉をちょうど遮るように、
「はい、できました」
「お、結構速かった、ね……!?」
寝太郎の目が、驚愕に見開かれた。
「あら、お上手ですね……」
口元に手をやり、時子もまた驚いた様子。
簡単な方の型だったとは言え、なんとマイは生まれて初めてのカタヌキで見事型を抜いてみたのだった。
しかも、ただ型抜きしただけでなく、型の周りも線もとても綺麗に整っていた。ひょっとすると、寝太郎のお手本以上かもしれない。
「おっけー。言った通り、お団子全種類サービスだよ! 初めてだからもう一つ持ってていいよ!」
ビギナーズラックか、才能か。いずれにせよ、恐るべし。
◆
徐々に、陽が西に傾き始めてきた。
境内奥の花見会場も、そろそろ花見を終えて帰ろうと発つ人と最後に桜を見てから帰ろうと境内奥へやってくる人が出てくる頃合いになった。
全体としては、やはりというべきか帰る人の方が多数。
そんな中、
奈良橋 博美
は胴着を着てジンジャーエール片手にぶらついていた。
さっきからのんびり花見をしていたのだが、人の動きに邪魔されにくそうな場所を探しているところだ。
「お、あそこよさそうだな」
博美の目に留まったのは、境内奥の外側よりの一角。
一人居た先客――
旅鴉 月詠
に声をかける。
「隣いいか?」
「いいよ」
答えつつも、その手とその目は休まず桜を描いている。
「絵を描いてるのか? っと、俺は奈良橋博美。君は?」
「旅烏月詠だ」
「月詠さんっていうのか、よろしく……絵の邪魔になったりしてないか?」
「大丈夫だ」
なるほど、月詠の手の速度は話しかける前も後も、全く変化がないように見受けられた。
「そうか。でも、あんまり話しかけるのも何だな」
ジンジャーエールを一口飲み、博美は月詠と彼女が描いているであろう桜に目を向けることにした。
人々の喧騒が心なしか遠く聞こえる中で、月詠が走らせる鉛筆の音だけが妙にはっきりと耳に届いた。
止まったかと思うと、スケッチブックをめくる音。
そうしてまた、鉛筆の走る音。
そのなだらかなサイクルに、もう一人。
「失礼するね」
スケッチブックを手にした
青野 海仔
が、月詠を挟んで博美の反対側に腰を下ろした。
そのまま、彼女もスケッチを始める。
鉛筆の走る音、スケッチブックをめくる音。時々そこに、博美がジンジャーエールを飲む音が混じる。
やがて喧騒が更に遠のいていき、そのサイクルで世界が満たされたような感覚すら覚えた、その時。
「こんなところで、どうされたんですか?」
ごみ袋とごみひろいを持ち、小首を傾げた
御鏡 聖
によってサイクルは何処かへ消え失せた。
海仔と月詠がスケッチブックを手にしているの気づき、はっとした表情になる聖。
「もしかして、お絵かきの邪魔をしてしまったんでしょうか……?」
「いや、大丈夫だよ」
「丁度終わったところだ」
二人がスケッチブックを閉じるのを見て、聖はほっと胸をなで下ろした。
「そういえば、なんでゴミ袋なんか持ってるんだ?」
博美の問いに、聖は一つ微笑んでみせた。
「花見会場のお掃除をしていたんです」
「なるほど、それはご苦労さんだ。……あれ、もうそろそろ会場の片付けか?」
「今すぐではないですが、あと数十分もすれば始まる頃ですね」
それがどうかしましたか、と不思議そうな顔の聖。
一方博美はそれを聞いて、よしっ、と何か決めた風。
「ここで会ったのも何かの縁だ、片付け手伝わせてくれよ。そっちの二人もどうだ?」
後ろを仰ぎ見れば、
「うむ」
と海仔。
「この流れで拒否するのはな」
と月詠。
「……皆さん、ありがとうございます。とても助かります」
ざあっと大きな風が一つ吹き、傾きかけた空の下、桜吹雪が駆け抜けた。
◆
こうして大きなトラブルもなく、無事に桜祭りは終了と相成ったのでありました。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
人生初のマスター業務、手探りながらもなんとか書き上げ、形にすることができました。
シナリオに参加していただいた、全てのキャラクターとプレイヤーさんに最大限の感謝を。
まだまだ力及ばない所もありますが、少しずつでも精進していけたらと思います。
今後も、どうぞよろしくお願いします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
29人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月06日
参加申し込みの期限
2012年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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