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Scene5
燻して焼いて食べてみて
手作りのかまどで焼けたぶつ切りのステーキ。両面にはしっかり塩と胡椒が刷り込まれている。そこから肉汁がじっくり落ちていく。一滴、一滴、燃え盛る炭の上に落ちる度に炎は勢いを増した。
炭火焼きの匂いは独特の心地よさを持っている。
「おー、ありがてぇありがてぇ」
刀は鼻の穴を膨らませた。鼻腔のくすぐる香ばしい風味が食欲を増進させる。
「良い匂いだな」
「そうだろ? やっぱバーベキューは肉が決め手だよな」
共感する空に刀が不敵な笑みを浮かべた。
刀は紙皿に載せた神戸肉のぶつ切りを空に渡した。別途信彦が調理中のグリルも順当のようである。
「先に食べていいのか?」
「別に気にする事はない。人数分はもう焼けている」
空は刀の言葉を受けて肉を噛みしめる。焼き加減はお任せだった。
炭火特有の焼けた匂いが口に広がる。次の瞬間には牛の肉が咥内全体へと染み渡っていた。一口噛むだけで簡単に肉は千切れた。噛みしめる毎に肉汁があふれ出る。臭みのない脂身から染み出るそれは実に芳醇だ。
「……んまい!」
思わず漏れ出す感激の声。それを受けてブリジットが「当然よ」と胸を張る。
「やあ、レディ。サイコロステーキのわさびソースソテーなんていかがかな?」
そんなブリジットの前に颯爽と現れる信彦。彼が持つ陶器の皿にはパセリが添えられたサイコロステーキが載せられていた。
「あらずいぶんとオシャレじゃない」
「フォークとナイフもあるぜ?」
皿を受け取ったブリジットに信彦がフォークとナイフも差し出した。
「プロとまではいかないけれど、まあまあね。及第点」
「手厳しいなぁ」
「そろそろかな?」
円は温度計の温度と煙の量を確かめる。燻し始めて既に30分以上は経過していた。
扉を開けて中身を確認する。手に持っていた皿にトングで掴んだ燻製品を移していった。
「どう?」
ののこが横から覗き込む。
「ばっちりっぽい」
碧南もまた興味津々だ。
取り出した燻製肉はきちんとベーコンになっていた。じっくりと燻られたこともあって全体的に茶色く染まっている。小さく切り分けられているのは燻製時間短縮のためである。
燻製チーズの方も出来は上々だ。
「うん、燻製成功!」
円の満足そうな声。
そこに空がステーキと野菜を載せた皿を持ってやってくる。
「みんなー、焼けたよー」
満面の笑みで空が言った。それを受けて一同がどっと沸く。
「あ、もう焼けたんだ、早かったね」
「ここに置いておくよ」
そう聞きつつ空は折り畳みテーブルの上に皿を置いた。
「ありがとね、くーちゃん」
「……!」
円の一言に空が固まった。一瞬だったため彼女以外がそれを認知する事はなかった。
くーちゃん。その響きは実に甘美である。名前同士での呼び掛けも良い。しかしくーちゃんと呼ばれる事もまた恍惚であった。
「よー、こっちも焼けたぜ?」
勘三郎が焼きそば風になったバーベキューを持ってきた。
「ずいぶんとワイルドね」
「鉄板でいろいろやってたらこうなっちまった」
良い具合にソースで絡めたソフト麺から漂うアメリカンソースの香り。それは碧南の自作ソースだろう。
「ちょっと食べてみて良い?」
碧南が箸を片手に勘三郎へ尋ねる。自分のソースの味がどう変化したのか興味があった。
「んー、普通の焼きそばより甘めね。どちらかと言えば、B級グルメ?」
「やっぱそう思うか?」
彼女の評価に勘三郎が唸った。自覚はあったようである。
ののこも同じく焼きそばを食べている。
「地方のB級グルメっぽくて私は好きよ」
オリジナルを目指した結果が似た味になるなんて事はよくある。とは言え勘三郎の中のレパートリーはまた1つ増えた。
「あ、できたよマキナさん!」
「十文字さん、こっちもだ」
2人は箱を開けて燻製を取り出す。
若菜はメークインと鶏胸肉、そして鳥皮の燻製だ。
マキナのはなんとも珍しいラスクとクッキーの燻製だ。だがどちらかと言えばコーヒーを混ぜたチップによる風味付けと表現した方が的確だろう。
「どうかな?」
マキナの問いかけに若菜はクッキーの香りを確かめる。
「んー、ちょっとスモークの匂いが強いですね」
「そう、味の方は――」
若菜の感想を受けてマキナはクッキーを実食した。
「何とも言えない独特の味、かな」
クッキーの甘い香りとスモークの香り、コーヒーの香りが若干マッチしていない。
やはりこういう変わり種は一朝一夕でできるものではなさそうだ。
「鶏胸の方は出来が良さそうだね」
その言葉に若菜は鶏胸の燻製を差し出す。
「あー、やっぱ王道が一番かな」
「そんなことないですよマキナさん、ラスクの出来は良いじゃないですか」
「そうかな?」
クオリティに不満を隠せないマキナに対して若菜はラスクの風味は嫌いじゃないと言う。
味が素朴な素材故にフレーバーが似合っていたのだろう。
渋々と鳥皮の燻製をつまみにマキナがペットボトルのお茶を嗜む。
「鳥皮はなかなかジューシーだね。やっぱり燻製は肉類に限るよ」
「まるでおじさんっぽいわ」
談笑しながら2人は燻製を楽しんでいる。するとバトミントンの羽がマキナの足元に飛んできた。彼女は思わず拾い上げる。
「おや、これは」
不意に海美がラケットを片手に走ってきた。
「あ、あの!」
おどおどした様子で海美がマキナに向き直った。何だか彼女はすごく緊張していた。
「どうしたんだい?」
優しく問いかけるマキナに海美が意を決する。深呼吸して顔を上げた。
「ね子小1年1くみ、小じまうみです!」
元気の良い声にマキナは思わず微笑んだ。
「挨拶ができるなんて偉いね。ぼくは神野マキナ、よろしく」
マキナは彼女と同じ目線までしゃがんでバトミントンの羽を差し出した。
「ところでうみちゃんは、これを取りにきたんだよね?」
「ありがとうございました!」
羽を受け取ると海美は大きく頭を下げて一礼する。そして離れた場所で待つ瑠樹と修の場所へ戻っていった。そんな姿に若菜はふと呟く。
「ちっちゃな子って、すごく元気だと思いません?」
遠目にバトミントンが再開される。そんな様子を眺めつつマキナは答える。
「子供はね、遊びの天才なんだよ。ぼくらみたいに、日々何かに追われて生きているんじゃなく、毎日どこかに潜む遊びを探し続けているんだ。たとえば道路の白線でも、彼らにかかればアスレチックコースだ」
鳥皮の燻製をおつまみに、マキナはちびちびとペットボトルのお茶を嗜む。
しみじみと2人は空を見上げる。木々の隙間から見える流れる雲が実に無常だ。
「いま話しかけても大丈夫か?」
ふと聞こえる士の声に2人は現実に引き戻される。
「あ、士君。どうしたの?」
「燻製卵ができたから配ってるんだ」
彼が持つ皿には黒光りする卵が何個も載っている。
「美味しそうだね。貰っていいの?」
「まだ他にも燻製はあるから問題ないさ」
先ほどまで鳥皮があった空皿に燻製卵を分けてもらう。若菜とマキナは早速かぶりつくのだった。
「さて、と」
士は辺りを見回した。
バーベキューの方も実に盛り上がっていた。他の燻製も出来上がり始めている。ののこも出来上がったベーコンを片手に自慢して歩く。そして戻ってきたののこの皿にはじゃがバターが追加されていた。
「あ、卵だ!」
ののこの眼が士の卵をロックオン。すかさず彼女はやってきた。
「食べていいかな!」
「遠慮はいらないぞ」
そう聞くやいなやののこは燻製卵を2玉貰っていく。そしてその場で1玉口に頬張った。
走り去るののこを尻目に士は燻製卵の残りを皿ごとテーブルの上に置く。空の皿を取ると再び彼は他の燻製を取りに戻った。
「次は魚の方も燻してみるか。多めに作っておけば、寮に戻っても食べられるだろうしな」
そう考えて士は再び燻製作業へと戻る。
「円、肉ばっかりじゃなく野菜も食え」
「えー、いいじゃないか、肉はいっぱいあるんだから」
刀の言葉に円は反論する。勿論その肉とやらは空が用意してくれたものだ。
「いっぱいあるからどんどん食べてよ!」
空としても遠慮しないで食べてもらいたい。そろそろメールアドレスの交換もしたいところだが中々言い出す機会がわからない。
「士も、燻製ばかりしてないで、こっちにきたら?」
ブリジットの言葉に士が顔を向ける。しばし思案した後にかれはゆっくりと向かってきた。
「ねえ、今は何をつくってるの」
肉を箸で突きつつ碧南が士に尋ねた。
「かまぼこと魚の燻製を作ってるところだ。保存食にもなるからな。時間はかかるが、できたら食べるか?」
「いいの?」
頷く士に碧南は微笑んだ。
信彦がまたガスグリルでソテーを作ってきた。今度は豚ロースの照り焼きだ。甘い香りに碧南が飛びつく。
「おいおい、そんなに食べると」
「大丈夫よ、どうせ明日は朝練があるんだし」
運動している人の胃袋は底なしか。などと信彦は思っていた。
こうして楽しい時間はどんどん過ぎていく――。
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担当ゲームマスター
RAGING ARMS
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月17日
参加申し込みの期限
2015年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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