【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！｜リアクション

【ハロウィン】寝子島神社で仮装行列をしたっていいじゃないっ！

「幸せそうで、いいよね。ちょっと羨ましい、かな……」

　自分の恋路はどこへやら。だが時生もまだ青春まっただ中。可能性はどこに潜んでいるか分からない。
　盗撮騒ぎで混乱した会場も、犯人が警察に連行された事で落ち着きを取り戻し始めていた。
　時生はもっとイベントを楽しもうと人だかりへと歩みを強める。

「それにしても神社でハロウィンって、違和感すごいな……」

　時生の言うとおり、今日の寝子島神社は何でもありのカオスワールドと化している。
　時生はごく普通のハロウィンを想像していたのでこれには面くらい、仮装は和風の方が良かっただろうかと頭を少し捻った。
　時生がコスプレ行列の中で何枚か写真を撮っていると、行列の間にぴょこぴょこ揺れるもふもふのキュートな狼耳が見えるではないか。

「あっ、きみも狼男のコスプレなんだ？　おれと一緒だね。良かったら写真撮らせてくれないかな？」

　時生が声をかけたのは曖浜鴻に連れられてやったきた曖浜瑠樹だ。

「ほんとだ～同じだねぇ～狼さんだぁ」

　瑠樹は自分と同じ仲間から声をかけられて楽しそうだ。

「あ、そうそう。トリック・オア・トリートだね。お菓子をどうぞ。
　狛猫ならぬ、狛犬ならぬ……狛狼からのプレゼントだよ」

「ありがとう狼さん」

　時生は瑠樹にお菓子をプレゼントすると別れを告げ、再びコスプレ行列の撮影に戻ろうかと思ったが、考え直し、今度は屋台めぐりをしようと進路を決めて歩きだした。
　お祭りはまだまだこれからである。