かってに応援ちゃんねる！｜リアクション

かってに応援ちゃんねる！

「びびび、ビックリしたのだビックリしたのだ！？」黒子に案内されて来たのは後木真央。
「知っているのだ、見たことあるのだ！」
「まあ、新進気鋭のマルチタレントだからな」胸をはるゴールド千駄ヶ谷。
「確か寝子島出身の……ゴルゴ千駄ヶ谷さんなのだ！」

「違……」がくりと肩を落とすゴールド。「殺し屋になっちゃったよ」
　セットに案内され、ステージ上にたつ真央。

　すっとこどっこいな彼女。
　しかし咄嗟のひらめきは、周囲の目を見張らせるものがある。

　はたして、彼女の応援演説とは？

「寝子高体育科１年９組、後木真央なのだ！」自己紹介してから、彼女は息を吸う。

　次に放たれた言葉は、皆の予想を超えるものだった。

「会長には武道ちゃんセンパイ、
　副会長には修ちゃん、
　書記は士ちゃん、
　会計は瓢ちゃんに投票するのだ！
　だから、この４人が当選すると、いいなぁって思うのだ！」

　なんと、彼女は自分の手の内をさらけ出した！
（これは……）ゴールドはうなずく。（これで、真央ちゃんの発言はぐっと説得力が増す……）
　言葉に責任を負うことで、発言は重みを増す。

「みんなの意見を聞いてくれる、みんなの発言が集まってくる人が会長なのがいいと思うのだ」
　その言葉は、望月の意見とも通じる。
「副会長は、みんなの集まった希望を、筋道立てて実現できるようにしてくれる人が良いのだ」
　そのうえでの、真央の人選。
「書記は、取りまとめを真面目にできる人が良いのだ。会計は……よくわからないからノリなのだ！？」

　勢いよく突っ走る真央。
　自分が取りまとめるのではなく、信頼できる友人のチームワークが見たい。

「真央ちゃんは、武道ちゃんセンパイ、修ちゃん、士ちゃんのタッグが見たいのだ！
　そしてゴーイングマイウェイな瓢ちゃんが、嵐を起こすところを見たいのだ！」

　かつて、改革を断行した政治家には、有能なブレーンと、死を恐れぬ仲間がいた。
　ワンマンではなく、お互いを抑制しあいながら進めていく生徒会運営。
　真央の理想は、そこにあったのだろう。

「特に副会長に立候補した修ちゃん」そこで真央は言葉を切る。「八神修を応援するのだ！」

　その名で彼を呼んだのは、いつが最後だったか。
　彼女の盟友、誇るに足る仲間。彼の夢を、応援したい。
　
「修ちゃんは」真央は言葉を絞り出す。「修ちゃんは、きちんと考えて、問題の提起、解決をする人なのだ。
　そのための行動を起こせる人なのだ！
　副会長なら、この人しかいないって思わせる人なのだ！
　絶対、これからの生徒会に必要な人と思うのだ！」

　思いのたけを吐き出した。
　彼に、ふさわしい仕事を与えてあげたい。

「頑張れ修ちゃん！
　四人とも頑張れなのだ！
　
　みんなの清き一票を、よろしくお願いしますなのだ～！」

　雷鳴よ叫べ！
　海よ別れよ！
　彼女の気迫は『民衆を導く褌の女神』と言わんばかりであった！

　彼女の言葉は、どう響いたか。