かってに応援ちゃんねる！｜リアクション

かってに応援ちゃんねる！

「ところでアツイーゴールドさんに聞きたいことがあったんだ」タルトがゴールドに顔を向ける。
「なんだい？」
「やっぱり攻めですか？　好みのタイプは？」

　腐女子たるタルト、もちろん『男性』のタイプで聞いているのだが、ゴールドはそんなことはわからない。

「おれはいつも攻めてるよ」
「キャー！」
「タイプか……ま、俺はどんなタイプもオッケーだけどね」
　ゴールドは当然『女性ならどんなタイプもオッケー』という意味だったが、タルトにとっては衝撃のカミングアウトである。
　ガチ！　ガチってる！
「まあでも、タルトちゃんも年頃だもんな。素敵な男の子とか、気になるの？」
「はい！」

『も』の使い方一つで、社会的立場が危うくなっていることに、彼は気づかない。

「そうだよな。俺なんかも、公民とか大っ嫌いだったもん。覚えさせられたな。製造物……ナントカ法。たしかアルファベット二文字で……」
「『ＰＬ法』じゃないですか」黒子が、現役学生の意地を見せる。
「お、そうだ。『ＰＬ法』」

　タルトは衝撃を受けた。
「『ＢＬ法』！」
　そんなすばらしい法律がこの世にあるのか！
　
（すべての男子はＢＬでなければならない……）
（ＢＬでないものは、罰として拷問に処す……）

（あ、でも、ゴーモンに処される中でＢＬに目覚めていくのもいいかも……）

　ゴールドと黒子が学生時代の話で盛り上がるのも聞かず、タルトの脳内ではＢＬの宇宙がグルグル回転し始めていた。