かってに応援ちゃんねる！｜リアクション

かってに応援ちゃんねる！

「えーと、最後に」黒子がマイクを手にして言う。
「候補者の皆は、いろいろ思うところはあるかもしれねぇ！
　けど、方向性は違えど、寝子高を思うう気持ちにウソはねぇはずだ！
　だからこそ、誰が当選しても、絶対禍根を残さず、健闘をたたえあってくれ。そして支えてくれ！」

　びしっとカメラを指さす黒子。後ろがちょっとうるさい。

「そして、投票者の皆は、候補者たちに答えるため、ちゃんと真剣に投票してくれ！
　たかが選挙。されど選挙だ！
　立候補者、投票者、みんな全力を尽くしてこそ選挙だぜ！
　皆頑張ってくれ！」

「そうだ！　クロの言う通りだ！」別枠で忙しいゴールドを見遣りつつ、黒子は自分の放送を思い出していた。
　穢れと、幸運。『ダーティ＆ラッキー』。
　ゴールドと自分の話を絡めながら「かってに応援ちゃんねる！」の宣伝をしようと思っていたのだが……。

　倫理的に、大丈夫なのだろうか？

　……。

　ドラマチックな音楽とともに、サイリウムの光が揺れる。
　蛍光塗料のやわらかな光は、深海の夜光虫のようだった。

　オリジナルＴシャツに身を包み、ライトを振る一同。

　たかだか数十分の放送なのに、なんだか２４時間くらい放送したような気分だ。
　すがすがしい達成感があふれていた。

『ＢＬは地球を救う』

　当初の趣旨とは少しずれたが、盛り上がったのでよいのではないか。

　スタジオの片隅で項垂れる望月をしり目に、番組はクライマックスに達しようとしていた。
「アツかったから、いいよな」ゴールドもうなずいていた。

　そそくさと帰ったいいね、町に消えていった圭花も、この様を見ているのだろうか。
　蓮はこの様子を見て、なんというか。
　刀は、候補者は、許してくれるだろうか。

（これが、日本の風習ってやつか？）フィーナは眉をひそめた。（日本文化ってのは、よくわからねぇところがあるな）

　スタイル、表現様式は違えど、選挙の熱気は伝わったはずだ。
　それがちょっとベクトルをたがえたとしても、そしられることはないだろう。
　たぶん。

　こうして『かってに応援ちゃんねる！』は幕を閉じたのだった。

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あとがき

担当マスター：ぱーすぺ
ファンレターはマスターページから！

ありがとうございました！

「他人を応援するシナリオ」「それも、参加していない他人を応援するシナリオ」という、
おそらく世界初のシナリオになります。
プレイヤーの皆様も、それぞれのスタイルでこの難局に挑んでいただきました。
心から拍手を送らせていただきます。

候補者の皆様に関しては、セリフで登場する以外は、おそらくお名前は出していないと思います。
また、参加されていない方へのアプローチということで、かなりマスタリングをさせていただいております。
ご了承くださいませ。

熱く、また楽しいアクションが集まりました。シナリオを超えての他人を思いやる気持ちが出てくれたら、
マスターとしてこの上ない喜びです。

最後に、このシナリオに理解をいただき、時には応援の承諾という形で協力いただいた候補者の方、
並びにスピンオフを承諾いただいた笈地　行マスターに心からの感謝をいたします。

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