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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
出張！ 何でも鑑定ジャン！ in 寝子島
【出張！ お宝鑑定〔苑下ちかさんの場合〕】
そして、一行はまた次の依頼人を求めて行動を開始した。
道中、サンマさんが『俺はそろそろ仕事があるから戻るんだぜぇ～』と言って去って行った。
そうして、さらに寝子島を散策すること数十分。
「ほう。あれはブラボーなお城ですねぇ」
外山がふと立ち止まってそう言ったのは、一行がある公園のそばを通りかかったときのことだった。
「え？ お城、ですか？ ああっ、凄い！ 砂のお城ですね！」
それは公園の砂場に建てられた砂の城だった。
見れば、そこにはバケツとスコップを持った一人の少女――苑下 ちかの姿があった。
セミロングの黒髪の上にかけられたゴーグルがなんとも愛らしい少女である。
三留目と光藻野は互いに頷きあうとスタッフを引き連れて、公園の中へとぞろぞろ入っていった。
ターゲット・インサイトである。
「ちかはな、ちかっていうねん」
苑下 ちかは快活にそう自己紹介をした。
「将来の夢は土の国のお姫様や」
「お姫様？」
光藻野が訊ねると、ちかは白い歯を見せて笑い、
「せや、ソイルプリンセスや」
くるっとその場で一回転してから、スカートの裾をお姫様のようにすっとつまみあげて、
「かいらしいやろ？」
と、もう一度にっこり微笑んだ。
「そうかー。凄いね。ところで土の国ってなんだい？」
「えー？ おっちゃん、土の国しらへんの？ テレビの人はなんでも知ってるおもたのにあかんなー」
ちかはふぅっと溜め息を吐くと、やれやれと首を振りながら自慢の砂のお城の前に立った。
そして、
「ほな、このお城見てみ？ これが土の国のお城や。かっこええやろ？」
と、ちかはチラチラと何かを期待するような眼差しで外山の方を見た。
「ほら、そっちのおっちゃんなんか言うことあるやろ？」
「……？」
「ちか、しってんねん。テレビみたことあるもん」
そう言って、ワクワクした瞳を外山に向けてくるちか。
三留目、光藻野、外山の三人は互いに顔を見あわせる。
「……ふぅ。まあ、ええわ。おたのしみはさいごまでとっとくもんやな！ ほな、ちゃっちゃっと鑑定しよか！」
「アッハイ」
三留目は黙って頷いた。もはやどっちが司会者だかわからない。
「ちかのお宝はな、おじいちゃんにもろたこのゴーグルや！」
「へぇ。これはどんなゴーグルなんだい？」
三留目が言うと、ちかはふふんと胸を反らして、三留目達に耳を寄せるように手招きした。
「……誰にも言うたらアカンで？」
深刻な表情のちかに、三人も思わず息を飲む。
「じつはこれはな、ちかが使う前は……ツタンカーメンがつことってん」
三人の頭の中にツターンと衝撃が走った。
「……愛ちゃんツタンカーメンって、あのツタンカーメンかな？」
「……だと思いますよ。むしろほかにどのツタンカーメンがいるんですか？」
三留目と光藻野が声を潜めて、そんなことを言い合う。
「うそちゃうで！ ちか、おじいちゃんに聞いたんやもん」
まるでちかはそのことが全てが真実であることの証明になるような口振りで言う。
「ちかのおじいちゃん、しらん？ この辺では大ボラ吹きじじいゆうて有名なんやで。意味はようしらんけど、凄いんやろ？」
『……！』
三留目と光藻野はしばし呆然とその場に立ちつくし、
「……えっとじゃあ予想金額は――」
「もちろん百万円や！ ツタンカーメンやで！ びた一文まからんで！」
ちかは元気一杯そう宣言した。百万円は彼女にとってのお金の最高単位なのだろう。
さて、そんなちかに下された鑑定結果は――
『０円』
『ファッ……！？』
あまりに容赦のない鑑定額に、三留目と光藻野の喉から変な声が漏れた。
「え？ なんでなん？ ほな、これにせものなん？」
ちかの瞳がうるっと潤んだ。
「違いますよ」
「え？」
外山の声に、ちかがハッと顔を上げる。
「０円、というのはね。お金では測れない価値がある（かもしれない）ということですよ」
「……それはつまり百万円よりももっとすごいってことやんな！？」
「ええ、そう（かもしれない）ですねぇ」
人の良さそうな顔で頷いた外山の言葉に、ちかはとても満足そうだった。ちなみに三留目と光藻野はすでに見なかったふりを決め込んでいる。
「ほな、これにも『アレ』言わなあかんな。ほな、一緒にいくでせーの――」
そうして、ちかと外山はカメラに向かって、番組で同じみのあの台詞を異口同音に唱えた。
二人が具体的に何と言ったかは――大人の事情で割愛させていただきたい。
そして、一行はまた次の依頼人を求めて行動を開始した。
道中、サンマさんが『俺はそろそろ仕事があるから戻るんだぜぇ～』と言って去って行った。
そうして、さらに寝子島を散策すること数十分。
「ほう。あれはブラボーなお城ですねぇ」
外山がふと立ち止まってそう言ったのは、一行がある公園のそばを通りかかったときのことだった。
「え？ お城、ですか？ ああっ、凄い！ 砂のお城ですね！」
それは公園の砂場に建てられた砂の城だった。
見れば、そこにはバケツとスコップを持った一人の少女――苑下 ちかの姿があった。
セミロングの黒髪の上にかけられたゴーグルがなんとも愛らしい少女である。
三留目と光藻野は互いに頷きあうとスタッフを引き連れて、公園の中へとぞろぞろ入っていった。
ターゲット・インサイトである。
「ちかはな、ちかっていうねん」
苑下 ちかは快活にそう自己紹介をした。
「将来の夢は土の国のお姫様や」
「お姫様？」
光藻野が訊ねると、ちかは白い歯を見せて笑い、
「せや、ソイルプリンセスや」
くるっとその場で一回転してから、スカートの裾をお姫様のようにすっとつまみあげて、
「かいらしいやろ？」
と、もう一度にっこり微笑んだ。
「そうかー。凄いね。ところで土の国ってなんだい？」
「えー？ おっちゃん、土の国しらへんの？ テレビの人はなんでも知ってるおもたのにあかんなー」
ちかはふぅっと溜め息を吐くと、やれやれと首を振りながら自慢の砂のお城の前に立った。
そして、
「ほな、このお城見てみ？ これが土の国のお城や。かっこええやろ？」
と、ちかはチラチラと何かを期待するような眼差しで外山の方を見た。
「ほら、そっちのおっちゃんなんか言うことあるやろ？」
「……？」
「ちか、しってんねん。テレビみたことあるもん」
そう言って、ワクワクした瞳を外山に向けてくるちか。
三留目、光藻野、外山の三人は互いに顔を見あわせる。
「……ふぅ。まあ、ええわ。おたのしみはさいごまでとっとくもんやな！ ほな、ちゃっちゃっと鑑定しよか！」
「アッハイ」
三留目は黙って頷いた。もはやどっちが司会者だかわからない。
「ちかのお宝はな、おじいちゃんにもろたこのゴーグルや！」
「へぇ。これはどんなゴーグルなんだい？」
三留目が言うと、ちかはふふんと胸を反らして、三留目達に耳を寄せるように手招きした。
「……誰にも言うたらアカンで？」
深刻な表情のちかに、三人も思わず息を飲む。
「じつはこれはな、ちかが使う前は……ツタンカーメンがつことってん」
三人の頭の中にツターンと衝撃が走った。
「……愛ちゃんツタンカーメンって、あのツタンカーメンかな？」
「……だと思いますよ。むしろほかにどのツタンカーメンがいるんですか？」
三留目と光藻野が声を潜めて、そんなことを言い合う。
「うそちゃうで！ ちか、おじいちゃんに聞いたんやもん」
まるでちかはそのことが全てが真実であることの証明になるような口振りで言う。
「ちかのおじいちゃん、しらん？ この辺では大ボラ吹きじじいゆうて有名なんやで。意味はようしらんけど、凄いんやろ？」
『……！』
三留目と光藻野はしばし呆然とその場に立ちつくし、
「……えっとじゃあ予想金額は――」
「もちろん百万円や！ ツタンカーメンやで！ びた一文まからんで！」
ちかは元気一杯そう宣言した。百万円は彼女にとってのお金の最高単位なのだろう。
さて、そんなちかに下された鑑定結果は――
『ファッ……！？』
あまりに容赦のない鑑定額に、三留目と光藻野の喉から変な声が漏れた。
「え？ なんでなん？ ほな、これにせものなん？」
ちかの瞳がうるっと潤んだ。
「違いますよ」
「え？」
外山の声に、ちかがハッと顔を上げる。
「０円、というのはね。お金では測れない価値がある（かもしれない）ということですよ」
「……それはつまり百万円よりももっとすごいってことやんな！？」
「ええ、そう（かもしれない）ですねぇ」
人の良さそうな顔で頷いた外山の言葉に、ちかはとても満足そうだった。ちなみに三留目と光藻野はすでに見なかったふりを決め込んでいる。
「ほな、これにも『アレ』言わなあかんな。ほな、一緒にいくでせーの――」
そうして、ちかと外山はカメラに向かって、番組で同じみのあの台詞を異口同音に唱えた。
二人が具体的に何と言ったかは――大人の事情で割愛させていただきたい。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年04月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年04月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年04月25日 11時00分
