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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
出張！ 何でも鑑定ジャン！ in 寝子島
【出張！ お宝鑑定〔新井すばるくんの場合〕】
というわけで、『何でも鑑定ジャン！』の撮影が始まった。
「あ、あんなところにイケメンがいますよ！」
開始早々、光藻野が商店街に並ぶ一軒の鮮魚店『魚新』の店番に立つ新井 すばるに目をつけた。
「やだなぁ。愛ちゃん、そりゃ確かにぼくは二枚目だけれど」
「あ、そういうつまらないボケはいいですから」
冷たい声で三留目を切り捨てつつ、光藻野は小走りですばるに接近していった。
「あのー、ちょっとお時間よろしいですか？」
「はい、まいど。今日もいい魚はいってますよー……って、え？ ＴＶ？」
突然現れた光藻野達の姿に、すばるは目を大きく見開いた。何故かあのサンマさんまでそこにいる。
「ああ、もしかしてうちの自慢の寝子島ちくわの取材かな？ そうかー、ついにうちのちくわも全国ネットかー。嬉しいなー」
「あ、いえ。そういうわけでは――」
「いや味には自信もあるし、厳選された材料とこだわりの作り方が――」
「聞けよっ！！」
「え？」
光藻野の地が出たツッコミに、すばるはハタと我に返る。
「あ……」
と、光藻野アナも慌てて我に返る。
「で、ではなくてですね、私達は寝子島の皆さんに自慢のお宝を見せてもらうためにあちこちをまわっているんです」
「お宝？」
「ええ」
光藻野は頷いて、番組の趣旨を説明する。
「お宝か。歴史のあるものとか、値打ちがありそうなもの、ね」
すばるは「ふむ」と頷き、何かなかったかと腕を組んで考える。
「ああ、あれはどうかな」
すばるは、ぽんと掌を叩くと店番を交代してもらって、家の中から一体の日本人形をもってくる。
「じつはですね。このお人形、最初は普通の髪の長さだったんだけど、だんだん長さが伸びてきて今では――」
「すみません。この番組はホラーじゃないのでそれはちょっと」
光藻野がすばるの声を遮るように言った。口調はきっぱりだったが、声は震えていた。彼女はホラーが苦手なのかもしれない。
「駄目かぁ。じゃあこれはどうです？」
次にすばるが持ってきたのは『ちくわくん』の着ぐるみだった。
「……ゆるキャラ選手権とかではないのでそれもちょっと」
「駄目かぁ。なかなか厳しいなぁ」
苦笑するすばるだったが、その表情は単純にこの状況を楽しんでいるようでもあった。
「あ、じゃあちょっとこっち来てもらえます？」
すばるがそう言ってスタッフを案内したのは店の裏にある小さな社だった。
『ナニコレ？』
鑑定ジャンのスタッフは皆困惑顔で言った。
すばるはにっこり笑って答える。
「『ザ☆ちくわくん大明神』のご本尊です☆」
とびっきりのスマイルですばるは説明するのだが、スタッフには彼が何を言っているのかよくわからなかった。
ただ外山だけが「ブラボーですねぇ～」と何かを感じ入ったように呟いてその社に収まったご本尊の足を撫でている。
すばるはそんな彼らの反応に満足げに頷いて、
「まあ、本当のところはボクが子供の頃に海で拾ってきた石なんですけどね。なんかちくわの神様みたいに見えるでしょ？」
「アッハイ。じゃあもうそれで」
光藻野は気のない返事をした。彼女のやる気ゲージはもうゼロだ。
「それじゃあ予想金額をこちらにお願いできるかい？」
「うーん、ちくわだから７９８円くらいかなぁ。まあ、ボクにとってはお金に換えられない大事なものなんですけどね」
サインペンを手渡されたすばるが少し考えてから７９８円と書き入れた。
「はい、ありがとうございます。それでは実際の鑑定金額を見てみましょう。オープン・ザ・プライス！」
『１００円』
「あらら、やっぱり？」
すばるは思わずというふうに少し苦笑してみせた。
と、そこで外山が、ずずいっと前に出てきてこんなことを言う。
「ですが、このご本尊を見てください。たくさんのお供えものと、大勢の人に撫でまわされた跡があります。これはこのご本尊が寝子島の人たちにとてもよく愛されているという証拠です。これからも大事にしてあげてください」
真顔でそんなことを言う外山に、すばるは少しびっくりしたように一瞬固まってしまった。
そして、
「ええ、もちろん。これからも大事にしていきますよ」
その後、ふっと柔らかく微笑んで、そんなふうに付け加えた。
そして、
「あ、みなさん。せっかくですからうちの『寝子島ちくわ』はいかがですか？」
と、彼は恒例のサービスのちくわをスタッフ全員に豪勢に振る舞ったのだった。
というわけで、『何でも鑑定ジャン！』の撮影が始まった。
「あ、あんなところにイケメンがいますよ！」
開始早々、光藻野が商店街に並ぶ一軒の鮮魚店『魚新』の店番に立つ新井 すばるに目をつけた。
「やだなぁ。愛ちゃん、そりゃ確かにぼくは二枚目だけれど」
「あ、そういうつまらないボケはいいですから」
冷たい声で三留目を切り捨てつつ、光藻野は小走りですばるに接近していった。
「あのー、ちょっとお時間よろしいですか？」
「はい、まいど。今日もいい魚はいってますよー……って、え？ ＴＶ？」
突然現れた光藻野達の姿に、すばるは目を大きく見開いた。何故かあのサンマさんまでそこにいる。
「ああ、もしかしてうちの自慢の寝子島ちくわの取材かな？ そうかー、ついにうちのちくわも全国ネットかー。嬉しいなー」
「あ、いえ。そういうわけでは――」
「いや味には自信もあるし、厳選された材料とこだわりの作り方が――」
「聞けよっ！！」
「え？」
光藻野の地が出たツッコミに、すばるはハタと我に返る。
「あ……」
と、光藻野アナも慌てて我に返る。
「で、ではなくてですね、私達は寝子島の皆さんに自慢のお宝を見せてもらうためにあちこちをまわっているんです」
「お宝？」
「ええ」
光藻野は頷いて、番組の趣旨を説明する。
「お宝か。歴史のあるものとか、値打ちがありそうなもの、ね」
すばるは「ふむ」と頷き、何かなかったかと腕を組んで考える。
「ああ、あれはどうかな」
すばるは、ぽんと掌を叩くと店番を交代してもらって、家の中から一体の日本人形をもってくる。
「じつはですね。このお人形、最初は普通の髪の長さだったんだけど、だんだん長さが伸びてきて今では――」
「すみません。この番組はホラーじゃないのでそれはちょっと」
光藻野がすばるの声を遮るように言った。口調はきっぱりだったが、声は震えていた。彼女はホラーが苦手なのかもしれない。
「駄目かぁ。じゃあこれはどうです？」
次にすばるが持ってきたのは『ちくわくん』の着ぐるみだった。
「……ゆるキャラ選手権とかではないのでそれもちょっと」
「駄目かぁ。なかなか厳しいなぁ」
苦笑するすばるだったが、その表情は単純にこの状況を楽しんでいるようでもあった。
「あ、じゃあちょっとこっち来てもらえます？」
すばるがそう言ってスタッフを案内したのは店の裏にある小さな社だった。
『ナニコレ？』
鑑定ジャンのスタッフは皆困惑顔で言った。
すばるはにっこり笑って答える。
「『ザ☆ちくわくん大明神』のご本尊です☆」
とびっきりのスマイルですばるは説明するのだが、スタッフには彼が何を言っているのかよくわからなかった。
ただ外山だけが「ブラボーですねぇ～」と何かを感じ入ったように呟いてその社に収まったご本尊の足を撫でている。
すばるはそんな彼らの反応に満足げに頷いて、
「まあ、本当のところはボクが子供の頃に海で拾ってきた石なんですけどね。なんかちくわの神様みたいに見えるでしょ？」
「アッハイ。じゃあもうそれで」
光藻野は気のない返事をした。彼女のやる気ゲージはもうゼロだ。
「それじゃあ予想金額をこちらにお願いできるかい？」
「うーん、ちくわだから７９８円くらいかなぁ。まあ、ボクにとってはお金に換えられない大事なものなんですけどね」
サインペンを手渡されたすばるが少し考えてから７９８円と書き入れた。
「はい、ありがとうございます。それでは実際の鑑定金額を見てみましょう。オープン・ザ・プライス！」
「あらら、やっぱり？」
すばるは思わずというふうに少し苦笑してみせた。
と、そこで外山が、ずずいっと前に出てきてこんなことを言う。
「ですが、このご本尊を見てください。たくさんのお供えものと、大勢の人に撫でまわされた跡があります。これはこのご本尊が寝子島の人たちにとてもよく愛されているという証拠です。これからも大事にしてあげてください」
真顔でそんなことを言う外山に、すばるは少しびっくりしたように一瞬固まってしまった。
そして、
「ええ、もちろん。これからも大事にしていきますよ」
その後、ふっと柔らかく微笑んで、そんなふうに付け加えた。
そして、
「あ、みなさん。せっかくですからうちの『寝子島ちくわ』はいかがですか？」
と、彼は恒例のサービスのちくわをスタッフ全員に豪勢に振る舞ったのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年04月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年04月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2015年04月25日 11時00分
