メカメカバトルカーニバル｜リアクション

メカメカバトルカーニバル

●鏡と鍋と

「おかしいいな？　これほどの軍勢ともなればどこかに司令官が居るものだと思ったが……」

　周囲を偵察するためにビルの屋上に上った修は、冷静に周囲を伺ったが、メカカラスたちに指示を出しているような人物の姿はどこにも見当たらなかった。
　司令官さえ倒してしまえば、メカカラス軍団も文字通り烏合の衆と化す事が出来ると思ったが、状況はそう簡単にはいかないらしい。

「しかたがない。こうなったらカラスを全滅させるしかないな」

　修は気を取り直すと、メカミラー軍団を真っ向からメカカラス軍団へとぶつける事にした。
　襲い来るカラスの攻撃はミラーの反射能力ではねかえし、変身能力でカラスになってメカを溶かす羽の攻撃を浴びせる。
　敵の攻撃が熾烈なほどにミラーの反射が敵自身を激しく攻撃する――

　一方その横で一馬とメカレンジャーたちは、戦いを横目に炊事を始めていた。

「どこの部隊も炊事車って持ってるもんだ。腹が減っちゃ戦はできねえしな。レンジャーは食えるもんは何でも食うぞ」

「レンジャー！」

　そう言って鍋にぶち込んでいるのは、今しがた修が破壊したメカカラスの残骸だ。
　流石はメカレンジャーの能力。そんな材料でも、しばらくすると鍋からはいい匂いが立ち上ってきたではないか。

「よし、次は隠れるぞ！」

「レンジャー！」

　一馬は鍋を置いたまま、メカレンジャーと共に姿を隠す。その隠蔽偽装能力は見事なもの。
　まるでカメレオンが姿を消すように、たちまちその姿は誰にも見つけられなくなった。

　そして置き去りにされた鍋から漂う美味しそうな匂いに引き付けられてきたメカカラス軍団を不意打ちし、手練れの暗殺者のように手際よく音もなく葬り去って行く。

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