メカメカバトルカーニバル｜リアクション

メカメカバトルカーニバル

●黒い空

　気が付いた時には、沢山のメカカラスがところ狭しと飛び回り、寝子島の空は真っ黒に染まっていた。
　ぎゃあぎゃあとけたたましく不快な鳴き声が響き渡り、辺りを覆い尽くしている。

「寝れないこたないが、快適ってわけにもいかないよな、これ。
　なんとかしねぇとな。昼寝のために」

　宇崎宙太郎はせっかくの昼寝の邪魔をされ、不愉快な気分を押し殺し、やれやれといった面持ちながらも事態の解決のために動く事にした。
　そこで呼び出したのはメカクモ軍団。空に浮かぶ雲じゃなくて虫の蜘蛛である。一応念のため。
　その武装は『粘着性のクモの巣型トラップをビルとビルの間に設置する』攻撃と『設置したクモの巣トラップに電撃を流す』攻撃だ。
　敵はカラスで大量に居て、かつ空を飛んでいるのだからこういった罠が有効であると思われた。
　宙太郎はメカクモ軍団に指示を下し、シーサイド駅前のビル街に罠を多数仕掛けた。
　
「カラスが罠にかかるまで、待ってる間はメカはビルの中にでも隠れておけ。
　罠の糸の一部分を隠れてる場所まで引きこんでおいて、電撃はそこから流せるようにな。
　直接戦闘できる武装じゃないから積極的には攻めずに、
　罠の増設、張替の時だけ外に出て活動して、もし見つかったら罠を盾にして逃げるんだ。
　じゃ、おやすみ」

　なんということか、指示を終えると宙太郎は身をひるがえし、昼寝を再開してしまった。
　残されたメカクモ軍団は甲斐甲斐しくも宙太郎の指示に従い、わさわさとビル街へと向かってゆく。

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