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『Departure』のドーナツを食べよう
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【夕暮れ時を、ドーナツとともに】
ピークを過ぎたころ、店長が試食用の新作ドーナツをカウンターに持ってきた。
皿には、4等分されたドーナツが並んでいる。
「新作です、いかがですか~?」
ドーナツをすすめる、
中津川 笹鳴
と
阿木 陸羽
に、来店した人々は笑顔で「おいしい」と、感想を伝えてくれる。
「定番のドーナツと新作と、両方注文するお客さんが多いのです」
「定番は安定してます……よね」
外はもう日が傾き、帰宅する人々の目立つ時間帯だ。
おやつの時間を過ぎて、客足は落ち着いたものの、『Departure』を訪れる人が途切れることはない。
「いらっしゃいませ-!」
ヴァイオリンのケースを抱えて、
結城 日和
が『Departure』にやって来た。
「こんにちは~♪」
表情は明るく、声もはずんでいる。
今日のヴァイオリンのレッスンで、先生にほめられたのだ。
自分でも、いつもより調子がよく弾くことができたと思う。
こんな日には、自分へのご褒美もかねてドーナツを食べようと考えた。
気分の良いときに、甘くておいしいものを食べたら、ますます幸せになってしまう。
そんな日和を、『彼』は単純だと評するかもしれないが、それだって構わない。
一緒にお茶を飲みながら過ごしたいなあ……と考えながら、ケースの向こうのドーナツに目を向けた。
「新作の試食もあるのです。よろしければどうぞ~」
陸羽にうながされて、試食を食べると、口の中にじわっと甘味が広がっていく。
「おしい~っ」
「ありがとうございます、今月の限定商品なのですよ」
「それじゃあ私、このハロウィンのねこっこドーナツと、エンゼルクルーラー。それから、あったか~いコーヒーを!」
「かしこまりました!」
その横では、
時高 クレオ
も『Departure』のショーケースを前にして、笹鳴の接客を受けていた。
中学一年生といえば、背伸びをしたいお年頃。
学校を終えたクレオは、いったん家に戻り、私服に着替えてから店に来た。
清潔感とさりげないセンスを感じさせる店内で、一人で過ごす時間は少しだけ特別だ。
店に馴染むためにも、着替えをしてきて正解だったと思う。
店内にはふんわりと甘い香りがただよっていて、食欲を刺激する。
「ご試食は……いかが、でしょうか……」
笹鳴が差し出した皿からポテトモンブランファッションをひとつもらって食べてみると、口の中にぱっとモンブランの香りと甘さが広がった。
「……おいしっ――!」
ぱっと口元を押さえて、クレオは笑み崩れた。
もっとたくさん食べたくなって、クレオは視線をさまよわせた。
クレオの目指すクールな大人の女性ならば、ドーナツは1個だけで、あとは飲み物という選択をしそうな気がする。
けれど、お小遣い持参でわざわざ来たのに、それだけというのも損をしているような、もっといろいろと食べてしまいたいような、そんな誘惑にかられていた。
「ううぅぅ……ん」
ドーナツを見つめてじっくり悩み、ここは自分に正直になろうと、クレオは決断を下した。
「このねこっこドーナツと、いちごファッション。それから、コーヒーをください。お砂糖と、ミルクも……」
スマートさからはかけ離れてしまうかもしれないが、砂糖とミルクはたっぷり入れないと、コーヒーは苦くて飲めない。
きっといつか、ブラックで飲める日も来ると自分をなぐさめ、席へと向かった。
クレオと同じ中学に通う
青倉 白
も、彼女と同じようにいったん家に帰って着替えをしてから、『Departure』を訪れていた。
しかし白の手には、夕飯の食材が入った荷物がぶら下がっている。
買い出しに行った帰りに、以前から興味のあったドーナツ店まで足を伸ばすことにしたのだ。
「新作の試食はいかがですか?」
陸羽に声をかけられて、つまんでみたドーナツはことのほかおいしかった。
これならと思い、家族二人分のドーナツをテイクアウトで注文する。
「ありがとうございます♪」
陸羽がドーナツを準備している間に、ぐるりと店内を見回してみると、さりげなく壁には絵が飾られていた。
「あの……、少し見てきていいですか」
「はい、もちろんです。どうぞ~!」
陸羽に会釈をして、絵画の前に立つと、店の雰囲気ともマッチした繊細なタッチの筆使いがとても魅力的なことに気がついた。
「……幻想的で、とても素敵な絵ですね」
何気なくつぶやくと、背後から緊張混じりの返答があって驚いた。
「あっ、あり、ありがとうございます……っ」
「え?」
振り向くと、顔を真っ赤に染めた笹鳴が、テーブル拭きを片手に立っていた。
「あの……、その、その絵は、私が……描いたので……。嬉しい、です」
お辞儀をする笹鳴に、白は目を見開いた。
「まあ、そうだったんですか……。こちらこそ驚きました。魅力的な絵だなと思って、心惹かれたんです。素敵だと、思います……」
笹鳴の緊張がうつったのか、白もほんのりと頬を染めて、率直な感想を伝えた。
「そう言っていただけると、励みになります……。ありがとう、ございます」
深々とお辞儀をしてカウンターへと戻っていく笹鳴を見送り、白は再び絵画に目を向けた。
もっとゆっくりと、気の済むまで鑑賞していたい。
そう感じた白は、テイクアウト用のドーナツを受け取ると、イートインでドーナツと飲み物を追加で頼んだ。
「こーんにっちはーなのー!」
「い、いらっしゃい、ませ……!」
元気いっぱいにドアを開いて、
橘 明里
が来店した。
「わあ-、ドーナツがいっぱいなのなの!」
ケースに並ぶドーナツを前にして、明里の顔が輝いた。
今日の夕飯は、ドーナツだ。
お腹いっぱい食べるつもりで、明里は店にやって来た。
そんな明里の表情が、わずかに曇る。
「あっ、でも、もうあんまりお金ないの……」
以前と異なり、今は猫鳴館に暮らす身の上だ。節約は大切だった。
お金を稼ぐことも考えないといけないのかなあ? と考えつつ、首を振る。
今後の事より、今は眼前のドーナツだ。
キラキラと夢と希望を振りまくドーナツが、こぞって明里を誘っている。
「いっぱいあって迷うのなのー。どれにしようかなぁ?」
勢いとしては全部食べてしまいたいのだが、あいにくとメニューの半分程度しか予算がない。
「ご試食は、いかが、ですか……?」
「試食!? ちょうだいなのーっ」
「どうぞ、こちら、……です。新作……ですよ」
「んーっ、とってもおいしいのなの-!」
ひとかけらでは足りなくて、明里はまず新作ドーナツを候補に入れた。
「あとは、なるべくまんべんなく食べたいのなの……」
真剣に頭を働かせて、明里はクラシックとオールドファッションとクルーラーからそれぞれ2個ずつと、オリジナル商品のレモンカスタードとキャラメル&クッキーリング、ねこっこドーナツを購入した。
「紅茶もつけてほしいのなのー」
「かしこまりました……!」
山盛りになったドーナツを受け取って、明里はうきうきしながらイートインコーナーへ移動した。
奥のほうの席では、クレオが背筋を伸ばして、優雅に椅子に腰かけている。
大人びたティータイムにふさわしい仕草を心がけ、クレオはドーナツをひとくちかじった。
「んっ! ……おいしい!! うわぁ、すごーくおいしいー!」
レジの前では自制したものの、座席についてからでは気が緩んだのか、大人の女性を気取っていたはずが、すっかり素のままの顔となり、喜びを口にした。
「えへへ、こんなにおいしいドーナツを食べられるなんて、クレオは幸せだわ~」
頬を押さえて身もだえるクレオの隣の席で、日和もまたドーナツを頬張ろうとしていた。
「かわいいドーナツ~♪」
ねこっこドーナツの愛らしさは、食べてしまうのが惜しまれるほどだが、日和はそんな気持ちをぐっとこらえて、ぱくりと食べた。
「わあ、おいしい! かぼちゃのチョコなんだね、おいし~っ」
「すっごくおいしー! 最高~っ」
感嘆の声が、隣り合う席で同時にあがった。
日和とクレオは、はたと顔を見合わせて、互いに照れ笑いをした。
「ここのドーナツ、おいしいよね~」
「……はいっ」
喜びを分かち合い、再びドーナツを頬張った。
それにしても……、と日和は思う。
「そっかぁ、もうハロウィンも近いんだよねぇ」
ハロウィンといえば、お菓子と仮装だ。
ちょっぴりどきどきして、とっても楽しい、大好きなイベントだった。
「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ~♪ って……」
好きだといいつつ、日和はきちんとハロウィンに参加したことがない。
いつも、あこがれとともに遠くから見ているだけだった。
「今年は私も、あの中にまざりたいな……」
ぽつりとつぶやいて、ひっそりと微笑む。
「……ん、おいしかった。次はこれこれ、エンゼルクルーラー」
定番の、日和が大好きなドーナツだ。
「ふむっ……、うん! やっぱり最高! おいしいなぁ~っ!」
チョコとホイップの王道の味わいに、日和はうっとりと目を細めた。
ドーナツを食べながら、白は絵画をながめていた。
飽きずにずっと見つめていられるのは、それだけこの絵に魅力があるからだと思う。
この絵を描いたという笹鳴の気持ちが込められていて、心に訴えかけてくるものがある。
こんなふうに心惹かれるのは、もしかして自分のろっこんが手作り品に関わりがあるからだろうか……と、考えながら、白はゆっくりとした時間を過ごした。
自分らしく、のんびりと過ごす白の姿に、帰り際のクレオが気づいた。
「あ」
落ち着きのある、素敵な佇まいだとクレオは思った。
「大人っぽいわ……」
いつか自分もと願いながら、それでも心は満たされて、クレオはそっと店を出た。
静けさとは疎遠な様子で、明里はもぐもぐとドーナツを食べていた。
「んーっ、とってもおいしーのなの! やっぱり甘いものは最高っなの!」
見ている者まで笑顔になりそうな無邪気な顔で、幸せそうに口を動かしている。
「さくさくなのも、ふわふわなのも、クリームたっぷりなのも、どれもおいしいのなの~」
しかし、閉店時間もほど近い店内には、人の姿がまばらだった。
とってもおいしいドーナツも、せっかくなら誰かと一緒にわいわい食べるほうがおいしく感じたかもしれない。
「ん~……、でも、やっぱりドーナツはおいしいの~」
次々とドーナツを食べながら、明里は壁際で絵画を眺める白の存在に目をとめた。
「絵が好きなのなの?」
「……あ、私、ですか? はい、素敵だなと思いまして……」
「たしかにきれいなのよ~。お腹も心も満たされて、幸せなのね~っ」
「ええ。……本当に、そうですね」
穏やかな表情で、白はゆっくりうなずいた。
閉店時間の18時が近づくと、明里と白はそろって席を立った。
時計を見て、白は今から夕飯の支度をして間に合うだろうかと、案じてしまう。
それに加えて、買い出しの食料の他に、テイクアウトのドーナツもある。
白も中学三年生。カロリーは気になるところだ。
「まぁ……、成長期だし、大丈夫……だよね?」
お腹をさすりながら小声でつぶやいた白に、明里が尋ねた。
「どうかしたのなの?」
「あ、いえ……、今から夕飯なもので、少し気になったんです。大丈夫です……」
そう話す白に、明里は誇らしげに胸をそらして、言い放った。
「あたしはねー、夕飯がドーナツだったのなのよ~! お腹いっぱいなのなの!」
「えっ……、そうだったんですか」
明里の皿に山になっていたドーナツを思い出し、白は納得した。
同時に、少しばかり心強く思う。
「では、私もさっそく家に帰って、夕飯にしようと思います……」
「またね~、なのよ~!」
店を出て、手を振り、明里が駆けていく。
その姿を見送って、白も自宅へ歩いていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月08日
参加申し込みの期限
2015年02月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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