ねこDeカート、最速レース開催！｜リアクション

ねこDeカート、最速レース開催！

「ムッツルギくんも走るの？　よーし、負けないぞ！」

　響タルトは普段あまり客の来ないこのサーキットを盛り上げようと、レースに参加を決めた一人だった。
　自分が楽しんだ上で、イベントも盛り上げる事ができれば、一石二鳥だ。
　そこに顔見知りの御剣刀の姿を見つけ、レースに参加してみないかと声をかけてみる。

「カートか……今まで乗る機会が無かったけどバイクとか車とか乗ってみたかったんだよな。
　予行練習、と言う訳じゃないけれども、このレースに参加しよう」

　タルトの誘いにスピードマニアの気がある刀は、負けず嫌いな所もあって、二つ返事でレースの参加を了承した。

（参加するなら勿論１位を目指す！突っ走ろう！）

　本レースの前に刀を始め、カートに初めて乗ったり経験の少ないドライバーもいる為、清一郎にコースを案内してもらって気を付けるポイントを教えてもらったり、ねむるの指導で練習走行を行ったりする。

「……結構スピード出るんだな……俺がろっこんを使ったら周りからはこんな風に見えているのかな？」

　刀は練習走行でカートを操作しながら、流れていく景色に思いを巡らせる。
　ブレーキを踏んだらどれくらいスピードが落ちるのか、そこからの加速はどれくらいの物なのか、ハンドルを切った時にどのような感じで曲がるのか、などを確かめながら身体に操作感覚を覚えこませていく。

　刀の横をピンクのかわいいカートで走るのはタルト。
　カートの操縦は以前にねむるから手ほどきを受けているので慣れたものだ。

「初心者用のコースとは勝手が違うだろうけれど、センスあるって言ってもらえたし頑張るよ～。
　ゲーセンみたいにジャンプとかできたら楽しいんだけどな～♪」

「これ気持ちがいいな……さあ本番だ、速さで俺に勝てると思うなよ！」

「優勝賞品ってハンドルなの？もっといい賞品ないかな～。
　まあ、優勝だけでも嬉しいけどね」

　二人の後をおっかなびっくり走るのは白浜渚。

「知らない内にレースに出る事になりました。どうしてでしょう？　とりあえず、カートを走らせればいいんですね？」

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