ねこDeカート、最速レース開催！｜リアクション

ねこDeカート、最速レース開催！

「きゃぁーっ！？」

　慣れないハンドル操作に左右に振られて叫びながらも、なんとか直感でカートをコントロールするのは渚だった。
　ほぼ初心者の彼女だが、天賦の才か幸運の女神の加護か、なんとか先頭集団に置いていかれずに粘っている。

「ハンドルで曲がって、左脚のペダルを踏んでブレーキ、右脚のペダルを踏んでアクセル……きゃっ！」
　
　操作をミスったはずだが、逆にそれがいいタイミングでのブレーキングやアクセルワークに繋がっている。

　そして女子集団の後ろに、ねむる、修、清一郎とカートが続く。

「おぉ、みんなぐいぐい突っ込むねぇ。
　ただこの鬼畜コース、序盤に飛ばせば飛ばすほどドツボにはまる。
　追い抜くのはそれからでも遅くはないさ」

　ねむるはアルバイトの経験で培ったコース知識・運転テクニックを用いて優勝を狙う。
　スタート時点では敢えて後方につき、他のメンバーの出方を伺いつつ、自分の手の内を隠して、タイヤを温存しながら走る作戦だ。

　続く修は、飛ばし過ぎず冷静にテクニカルなドライブを行う。
　タイヤは皮が一枚むけてからがグリップ力を発揮する。ねむると同じく最初のうちは様子を見て、チャンスを伺うスタイルだ。

　最後尾に付けるの清一郎。いろは坂のようなこのコースでは、メインは加速よりもハンドリング。特にブレーキング技術は大きな武器になると慎重な運転を見せている。