ねこDeカート、最速レース開催！｜リアクション

ねこDeカート、最速レース開催！

「面白い催しだな。俺も参加しようかなってさ……日暮も走るのか？」

　時を同じくして、カート場に集まってきたカート好き男子集団の一人、八神修はここのバイト店員をしている日暮ねむるの参戦表明に、これから始まるレースに勝つことが決して楽なものではない事を、ひしひしと肌で感じ取っていた。

「バイトしてる特権で、タダ同然でこのコースは走り込ませてもらってるからねぇ。
　負けるわけにはいかないでしょ」

　ねむるは優勝賞品などには目もくれていないものの、たとえ客相手でも参加するからには優勝してみせると、遠慮など全くしない様子でガッツポーズを作って見せる。

「一寸、派手目の装備を選んでレンタルさせてもらうぜ」

　終始に渡って強気なねむるの様子に触発された修も闘志を燃やし、早速店頭に並ぶレンタルスーツやヘルメットを選んでいく。
　それを見た須藤清一郎が不思議そうに修に尋ねた。

「レンタルって、八神は競技銃やロードバイクや馬は持っとるのに、カートは自分のを持ってないんか？」
　
「いくら俺のうちが裕福でも、何でも持ってるわけじゃないさ」

「そうか、それじゃあ俺は遠慮なく自分のカートを使わせてもらうで」

　以前サイクルショップで友人になった修と清一郎は話しながら、レースの準備や準備体操に余念がない。

「勝負や勝負。車好きとしてはどんなレースでも負けるつもりはないで」

「受けて立とう」

　二人は拳を突き合わせて健闘を誓い合う。

「ほな、まずは今日走るコースを確かめにいこか。いっぺんは歩いて見といたほうが走り易いで」

　清一郎の提案に集まったレーサーたちはぞろぞろとコースに出て注意すべきポイントを下調べして行く。

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