助太刀上等ッ！　VS闇の悪乱比亜（アランビア）軍団｜リアクション

助太刀上等ッ！　VS闇の悪乱比亜（アランビア）軍団

【VSラス・ボース　ヘタレとエゴイストの狭間】

「卑怯をまとめて物理でぶっ潰すのは気持ちがいいもんだ。さぁ、いくぞ！」
　『マスク・ケーリン』を名乗った高久は、ゴングの音を聞きながら、次々と打撃を重ねていく。
「ふっふっふっふ」
　対するラスは、一発目のチョップを受けたものの、次からは攻撃を受けずに避ける事に専念していた。
「そうらっ！」
　そして、まさかの足払いである。
「おわっ！」
　その足払いを受けて転倒する高久。なんというか、せこい立ち回りである。
「這いつくばって、無様に転がれ……へいっ！」
　さらに、転倒した高久の腕やボディを踏みつけるようにして攻撃する。ストンピングと呼ばれるそれが、高久に襲いかかる。
「くっ……投げにも押さえ込みにも持って行けないのか」
　苦痛に耐えながらも、チャンスをうかがう高久。
「ふははは！　無様にもかっこよく名乗り出た正義の味方が地面にはって転ぶとは何とも愉快なことだ！」
　調子に乗ったラスは観客に呼びかける。
「さぁ、いたぶられるこいつを見るが良い……」
　そのまま高久を抱え込もうと接近した瞬間であった。
「おぉぉおっ！」
　油断していたラスを高久は、がちっと捕まえる。ちょうど、胴周りを抱え込むようにである。
　正面から、抱きしめそのまま相手をゆっくりと持ち上げていく。ベアハッグである。
「むぉぉぉっっ！」
　ラスが痛そうに声を上げる。
「行くぞ……！」
　高久がわざと声を上げゆっくりと移動する。
　その瞬間、ラスの顔は一瞬だけ笑う。
（愚か者めが……！）
　投げられ続けた宿命か、ラスは投げ技に対して耐性がある。
　そう、ラスは読んだのだ。このまま変形技のようにブレーンバスターへと持って行くのだと。
　しかし、そうはならなかった。ぱっとベアハッグを解除したのである。
　そしてそのままロープラスをへとたたきつける。
　反動で戻ってきたラスを一度正面からチョップで打ち据えると、そのままラスを倒れる前に再度抱え込もうとする。
「いでぇぇー！　やってくれたなマスク・ケーリン！」
　ラスは捕まりたくないと、一度倒れてからすぐに逃げようとする。
「逃がすか！」
　逃げようとするラスを後から抱え込む形で高久が捕まえると、そのまま持ち上げて投げの体制に……入らない。
「しまっ……！」
　投げられると思っていたラスは一瞬テンポがずらされ、再度宙に持ち上げられたときは遅かった。
　高久は、ラスの腰に腕を回し固めたまま、後方にぐんっと反り投げをした。
　どんっ！　とラスの体がリングにたたきつけられる。
　そして、高久の体はブリッジを描き、相手を話さずにそのまま固めている。
　ややぎこちなさはあるものの、思わず観客がおぉ！　と盛り上がるジャーマン・スープレックスである。
「あばばばばばばっ！」
　そのまま、ラスは沈黙し、軍配は高久にあがったのであった。
「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！」
　速攻で勝負を決め、そのまま拳を突き上げて叫ぶ高久。
　マスク・ケーリンのアナウンスが会場に響き、ここから、正義の反撃の狼煙として盛り上がるのであった。

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